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流されたものの行方  作者: 『食べられません』を食べた人
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第54話 ゴブリンの撒き餌

 狩りイベント魔の森奥地イベントが始まった。今回は領地を広げたお陰で補給部隊の配置を奥地の近くまでに置くことができたため、少しだけ安全度が上がった。ちなみにみんなの癒しスズネはここに配置されるらしい。地方イベントがあるたびに送られるゆるキャラみたいな立ち位置ではなかろうか。


 奥地には合計A2B1のパーティーが5つとSランクのレイジュさんレイさんペア、バカな二人、保護者(シロウ)とリューヤ、ギルド長と僕のペアで回ることになった。A2B1のパーティーは昨日まで広げた区画の近くでひたすら狩りをして、僕らはさらに奥に向かうこととなった。それぞれが魔法の鞄を持っているので、補給は必要ない。


 ばらばらに移動していくがお互いがどちらに向かったのかを把握してから進むこととなった。とりあえず、目印として木を全力で切り倒して、一本道をいくつかつくっておく。これは一昨日の伐採と同じことをしている。


  それからは僕はギルド長と魔物を探すことにした。ギルドは僕を抱えて走っている。またこいつ抱えられてるやん!?とか思った方もいるだろうが、これにはちゃんと訳がある。遅いとかそんな理不尽な理由ではない。あえていうならレベルをあげるためだ。まぁ魔物がたくさんいそうなところまでついたので、そこで下ろしてもらった。


 「結構な数いますね。これが全部Aランク越えですかね?」


 「ここら辺ではそれが普通だがな。ソウタがギブアップするまで手は出さねぇから思う存分やるといいさ」


 「わかりました」


 ギルド長にはバックアップとしていてもらう。まずは魔物の位置の把握だ。流体操作で流れを察知する。森であるため、視界は頼りにならない。


 「いたっ…」


 ゴブリンのように緑で太っているが、脂肪と言うよりも筋肉のように思える。ゴブリンキングあたりか、オーガかもしれない。結構強そうだな、一応視界には入るが接近ではきつそうだな。


 数は…5体か。まずは風圧で上から押し付ける。重圧にどれだけ耐えられるだろうか。ちょっとだけうめき声が聞こえる。当たっているようだが、決め手にかける。


 近づいて視界におさめる。4体をエアロックで封じ込める。無理矢理逃げようとしてるが、逃がしはしない。1体の足元に風を収束させて足をズタズタにする。これによりそいつは倒れ混んだ。すかさず、ウィンドカッターで首を落とす。それを5体とも繰り返す。ギルド長は「えげつな…」とか呟いてたが、無視した。


 「こいつらはなんですか?」


 「あぁ、こいつは…ゴブリンジェネラルだな。それ以外はホブゴブリンだ。もしかしたら集落が近くにあるかもな。その場合は俺も参加するぜ」


 これがゴブリンジェネラルか、なかなか力強かったもんな。肉うまいのかな?まずそうにしかみえないが。


 「これって食べられます?」


 「めちゃくちゃまずいから、捨てといて構わんぞ。持ってる武器や装備だけ回収しとけばいいさ。こんなん食べるやつはゴブリンしかいねぇよ」


 やっぱりまずいのか、てかまずいの知ってるってことは食べたことあるのか。なんか目が死んでる。やっぱ食べたのか。口押さえてるし。ん?これもやっぱゴブリン食べるのか。あれまたいけるかな?


 「ねぇ、ギルド長いいこと思い付いたんだけど、やりますか?」


 「なにするんだ?」


 ギルド長は不思議そうにしていたが、また面白いことでもするんだろ。みたいなことを考えていた。


 「ゴブリンでゴブリンを引き寄せます」


 「それはなかなか面白い案だな。見とくからやってみてくれ」


 ウィンドストームを軽く当てて、死体を傷だらけにする。それから気配の多そうなところに強風でゴブリンの匂いを送る。それだけでは弱いと思い、軽く火で炙る。こちらには臭いが来ないようにしておく。すると、20体程が近づいてきたので少し離れた場所に移動する。ホブゴブリン達はご飯を見つけたとばかりにその場で食べ始めた。しかも切り分けて全員で食べていた。


 「あれ、仲間じゃないんですかね。前から思ってたんですけど、本当に共食いばっかしますよね、ゴブリンって」


 「まぁ生きたまま食べてるよりはいくらかマシだが、あいつらは仲間の死には興味ないからな。ご飯が増えたぐらいの感覚でしかない。繁殖力が強いとどうしても餌が不足する。それを補うために仲間を殺して食べ与えたりする個体もみたことあるぞ」


 蜘蛛も確か親を食べるところから始まる種もいた。きっとそれと同じように、仲間は非常食ぐらいな感覚なのだろうか。そういうのは僕は好きじゃない。親は大切にしないとね。


 眺めるためにやったわけじゃない。だからあいつらは殺す。ムカついたからじゃない。これは殺すために集めた者達だ。散らばった血を浮かばせて1つにまとめる。それを人の形にして腕を凍らせる。ホブゴブリンはそれに気付いていたため、攻撃する。しかし、本体は液体であるため、物理攻撃は通用しない。最後の1体になるまで殺させた。残った1体はシエスタを槍にして殺した。それによりシエスタは進化した。

読んでくださりありがとうございます。

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