第51話 休息のひととき
砦の主と魔の森の奥地について話し合った。要約すると3日程砦で休みながら冒険者の集合を待ち、Aランク以上と僕は奥地に行き、Bランクは周辺で狩りをするそうだ。初心者は多少強くなったものはこれに雑ざるそうだ。
スズネはみんなのモチベを上げるために砦に待機だそうだ。スズネはここに何しに来たのだろうか。甲子園で無理矢理連れてこられた生徒達のようだ。
物資はこの建物に置いていき、魔物は冒険者ギルドで3日で小出しして冒険者の腹を満たすそうだ。武器の素材なんかは街に帰ってから商人ギルドに渡すことになる。ジパーズに借金返せるといいな。
冒険者ギルドに行くとやはり喧嘩のせいか注目を集めた。デラミスもいたが、本気を出して負けた上規則により罰則を言い渡されたようでこちらに危害を加えようとしない。むしろこちらから目を背けている。デラミスの取り巻きはデラミスと同様に目を合わせようとしない。それよりも震えているように見えることが気になった。皆からスルーされた僕は受付に行くと、Sランクの受付に行けと言われた。僕はまだCランクなんですが、それは。
「あれ~?ソウタじゃん、おかえり?」
こちらに気付いたセレナさんが気がついた。まだリューヤさんは寝ている。いつになったら起きるのだろうか。ガンジュさんはスズネを見つめてにやにやしていた。スズネとシエスタは未だに夢の中だ。
「ギルド長いましたよ。今は主と会議中ですよ」
「そっかぁ~。なら時間かかりそうだし、散歩いってくるわ」
セレナさんは僕の肩をポンポンと叩いてから、ギルドを後にした。僕はとりあえず受付にいって報酬をもらうことにした。
「Cランクのソウタさんですね、話は聞いております。報酬の方は魔物の素材分2700万リノ+アイテムボックスでの依頼30万リノで合計2730万リノでございます。今渡しますか?それとも街に帰ってからにしますか?」
2730万!?いきなりお金持ちになったな!?まだ奥地もいってないのにこの報酬!?一体いくらになるんだ…ここで持ってても仕方がないし…どうしよう…。
「あの…ギルドに預けたりできませんか?そんなに大金もてないのですが」
「それでしたら大丈夫ですよ。ギルドに口座をつくりますか?」
「お願いします」
「では、ギルドカードを預かりますね」
ギルドカードを預かった受付嬢は奥に行き、すぐに戻ってきた。
「今回の依頼でBランクになりました。口座の残金はステータスと同様に念じることによって内容がわかります。ギルドであれば口座からのお支払で買い物もできます」
便利だな。クレジットカードみたいなものだな。ジパーズに払うのにどれくらいいくかわからないけど、とりあえずは大丈夫だろう。
「ギルド長から伝言です。3日間はのんびりしとくようにと。あと今日はもう帰っていいとのことです。3日後にギルドに来てくださいね」
受付嬢さんに言われるがままに宿にスズネとシエスタを連れていき、3日間宿でごろごろ過ごしたかったが、暇だったので、砦を探索した。面白いところなんてなかったが、あれが休日なのか僕には決めつけることはできなかった。
スズネは機嫌を治してくれたが、儲かったお金で服を買えといってきたので、それくらいならいいだろうと了承した。シエスタにはたらふくご飯でいいだろう。Sランク冒険者はみなバラバラに休んだ。ちなみにリューヤさんはギルド長に叱られてカシワのところまで伝言してくるように言われ、しかも3日で往復しろといういじめにも近いことをしていた。
シロウは2日目の休日に砦に来た。今回はかなりかかったようで死んだものが3人ほど出たらしい。それほど強力な魔物が出たのではなく、チームワークがぐだぐだでCランク以上はなんとかできても、Dランク以下にはどうしようもなく、なにもできずに死んだものもおり、1日初心者の訓練をしていたため遅れたようだ。