第42話 寝坊助達
スズネと宿を出ると、冒険者ギルドへ人が集まっていた。見知った顔の人もいれば初めて見た人もいた。どの冒険者もフル装備で緊張してる人や楽しそうな人がいた。
冒険者ギルドに着くと、受付では忙しなく冒険者がやってきていて、狩りイベント参加者が署名していた。どうやら参加する人は当日に申請するようだ。僕はすでに参加が決定してるので、ギルド長の部屋に向かった。
ギルド長の部屋に入るとギルド長とレイジュさんとレイさんとカシワとレイシアと知らない人が4人いた。一人は白髪の壮年の男性でくつろいで本を読んでいた。黒髪の男性と女性はイチャイチャしていた。爆発すればいいのに。最後の一人は茶髪で細マッチョといったところか、レイさんと同じくらいイケメンだった。
「よう!来たか!ソウタは相変わらず寝坊助だな!」
「おはようございます、レイさん。知らないひとが4人程いらっしゃいますが、Sランクの方々ですか?」
「まぁ、そうだな!一応名前だけ教えといてやるよ!そこの本読んでるじいさんがシロウだ。んでそこでいちゃついてる馬鹿二人はガンジュとセレナだ、ホントここでいちゃつくなよな!外でやれ!でそこの茶髪のイケメンはリューヤだ。ちなみに立って眼を閉じてるが起きてないぞ、寝てるからな!お前と同じで寝坊助だ」
シロウは軽く会釈し、馬鹿二人は手を振ってからまたいちゃつき出した。外でやって爆発しろ!リューヤは不動だ。
「揃ったようだな。まぁさっき紹介された4人はSランクだ。レイシオ…レイシアは俺と副ギルド長の代わりにここで仕事をしてもらう。」
ギルド長がレイシオと言ったとき、レイシアは殺気を放った。レイシアは偽名だったようだ。それを考えた瞬間にこちらにも殺気を向けてきた。どんだけ鋭いのだろうか。
「今回俺は砦に真っ直ぐ向かう。副ギルド長はひたすらあの村で狩りを行ってもらう。レイとレイジュはソウタとスズネと共に狩りをしつつ、獲物の回収班だ。ソウタはアイテムボックスが使えるから、二人は護衛だ。スズネはソウタとパーティーとして一緒だ。そこの馬鹿二人は単独で砦周辺の街側の魔物を狩ってもらう。シロウは初心者の付き添いだな。リューヤは川周辺の狩りをしてもらう。なにか質問はあるか?」
自分達の持ち場と他の人の持ち場を聞いて頷いていた。リューヤはまだ寝ている。聞かなくていいのだろうか。
西
←砦方向 川
転生地点 川
川
カシワ村 川
川川
川
シエスタ 川 川 畑➡
川
川
川
川 草原
川
川 街➡
川川
東
※地図はこんな感じです。文字が書いてないところは森です。
「では、解散だ。ちなみに狩りは3日間で大体狩ったら砦まで向かってくれ。砦で3日間周辺を狩ったら奥地に向かってもらう。奥地でも3日間狩ったら、砦に帰り、1日過ごしたら街に帰る予定だ。砦の状況次第でもあるがな」
Sランク冒険者は次々部屋を出ていく中、リューヤはまだ寝ていた。いつまで寝ているのだろうか。あ、ギルド長に殴られた。
「ん?もう昼飯か?」
「会議終わったから、はよ行け」
「会議なんてあったか?」
「あったわ!お前は寝てたけどな!」
「そうなのか?んで俺は何したらいいの?」
「そうだな、とりあえず川に行って川周辺の魔物を狩ってこい。それが終わったら砦に向かえ」
「うむ、いつまでに砦に行けばいいの?」
「3日後に砦だな。寝坊して前みたいに失踪するなよ」
「ん、わかった。3日後に砦だな。」
リューヤはとぼとぼ部屋を出ていった。ギルド長は頭をかきながら椅子に座った。
「ん?ソウタも早く行けよ。レイとレイジュが待ってるぞ」
ギルド長に急かされて部屋を出るとスズネが待っていた。
「ソウタ早く行くわよ」
「ごめんごめん、リューヤさんのことが気になってね」
「あのすごく眠そうにしてた人ね」
「そそ」
「レイさんとレイジュさんが待ってるから行きましょ」
そうして冒険者ギルド出た。