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流されたものの行方  作者: 『食べられません』を食べた人
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第3話 ステータス

 はじめまして。僕は山根草太です。


 昼寝してたら流されて死んだみたいです。今の格好は寝やすく動きやすい格好をしています。黒髪の一般人です。今日は良い天気ですね、風も気持ちいい。こんな森だとピクニックでもしながら、昼寝をしてみたい。


 あの転生神とやらはてきとーだったな。なんだよ、独断と偏見で決めるって、それにしても…なんだ、こいつは?




 これがドッキリや誘拐なら説明がつく。しかし、目の前に漫画で見た緑のゴブリンがいる。どうしたらいいでしょうか。体長1mで腰に汚れた布を巻いてる。なぜかこちらをじーっと見つめてくる。


 おっ、近づいてきた。なにか用かな?そもそも、ゴブリンに話は通じるのだろうか。


 「ギャッギャッ!グガッ!」


 ゴブリンはご飯が見つかったことで、喜びを両手をあげながら踊って体現した。


 急に踊り始めた、これは威嚇行動なのか?確か鳥にもそんな種類いたはずだ。そういう習性かもしれない。


 「グガッグガッ!ギャッ!」


 ゴブリン踊るのをやめると手に持っていた木の棒を、草太の肩に降り下ろした。


 いきなりの攻撃に、避けることができず、真正面から受けた。


 「ギャッギャッギャッ!」


 ゴブリンは攻撃が当たったことに喜びだす。


 「くっ…痛ぁ」


 肩をおさえながら嘆く。その間もゴブリンは躍りながら喜ぶ。


 いきなり攻撃してくるとか、挨拶ぐらいしろよ。だが今はそんなことを考える余裕はない。


 「ギャッグガッ!」


 まだ元気のありそうな獲物に、もう一度ゴブリンは木の棒を降り下ろした。


 「ッ…!?」


 横になんとか避け、そのまま転げながら必死に逃げた。


 「グガガッァッ!」


 ゴブリンは逃げた獲物の速度に追い付けず、悲しそうに立ち去っていった。







「はぁ…はぁ…逃げ切れたかな…」


 木の幹にもたれかかり、肩で息をする。木の棒で殴られた肩はズキズキと痛む。


 なんだったんだ。あのゴブリンは。あのクソ神も転生させるなら、もっと場所を選んで飛ばしてほしかった。せめて町の近くに飛ばしてくれよ。こんな危険地帯だとは思うはずもないだろ。


 「もうあいつもいないし、木に登って休もう…」


 肩の痛みに耐えながら木の突起部に手をかけて登る。ちょうど横になれそうな枝を見付けて身体を固定するように寄り掛かった。


 「ここなら当分大丈夫だろう。木の実も付いてる。問題は食べられるものなのか」


 登った木にはりんごに似た木の実がたくさん実っていた。


 肩の痛みが引くまで休息をとることにした。


 この一時は、あまりにも突然の出来事を整理するのに必要だ。


 考えることはいつの間にか終わってしまった前世のことばかり。考えても仕方がないことは忘れて、現状を改善することに力を注ぐ。


 職務怠慢な神とはいえ、なにかしら、力をくれたはずだ。


 なんでもいい。異世界ものでいえば、思い付くものを言ってみることにした。なにかが起きるかもしれない。望みをかけて、僕は呟いた。


 「…ステータス」


 そして僕が望んでいたステータス・プレートが目の前に現れた。


名前:山根 草太

種族:人族

年齢:17

性別:男

Lv:1

HP:17/20

MP:56/56

攻撃力:8

防御力:25

敏捷:14

知力:23

精神力:32

魔力:30


ユニークスキル

【流体操作】Lv1


アクティブスキル

【武術】Lv1【料理】Lv2


パッシブスキル

【環境適応】Lv3【気配遮断】Lv2【苦痛耐性】Lv1

【逃走】Lv1【忍び足】Lv1


称号

【昼寝を愛す者】【昼寝の達人】【流された者】【異世界転生者】【ゴブリンから逃げる者】


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