第18話 進化とランクアップ
一際大きく雄叫びをあげたオークはゴブリン達の胸を探り魔石を掴むと、それを食べ始めた。他のオークはそのオークに魔石を捧げている。あらかた食べ終わると、黒いオーラに囲まれて繭のようになった。
そして…
黒い繭が割れた。それと同時に雄叫びをあげた。そのオークは先程の姿よりも禍々しく、一回り身体も大きくなっていた。
「あれが…進化か…それともランクが上がったのか?鑑定がないのが悔やまれる…」
どう見てもあれは通常のオークよりも強大だ。あいつがこの群れの長ということか。このまま、ここを放置していくわけにはいかなくなったな。どうする?正面突破か?やはりゴブリンのときのように小出しされることを期待して臭いで誘うか?いや、だめだ。あいつが出てきたらそれこそ危険だ。
進化したオークは家の中に入っていく。その他のオークは周辺に散らばっていった。ゴブリンの死骸は村の中心に積み重ねられている。食料が足りないのか、森に入っていく集団がいた。
あの集団だけだと倒せそうだ。気配を消して近づいていく。オーク達は気付かず、欠伸をしながら森を探索している。村からある程度離れたところで、木の実爆裂囮作戦を行う。
オークの集団の中心部に木の実を投げつける。
『ブモ?』『フゴフゴ!』『ブモゥ!』
木の実に気が付いたオーク達が木の実を拾う。その瞬間に木の実を爆裂させる。驚いたオーク達は尻餅をついて倒れる。木の実の近くにいなかったオーク達は笑っている。
笑っているオーク達をウィンドカッターで首を切り飛ばす。尻餅をついたオーク達は周囲を警戒する。その中心部にまた木の実を投げ付けて爆裂させる。それにまたオーク達は困惑する。
振り返った瞬間に足をウイングカッターで切る。足を失ったオーク達は暴れまわった。一番近くにいたオークをシエスタに止めをさしてもらう。次々にオークはシエスタに止めをさされていく。そしてシエスタのレベルは10になり、進化が始まった。
シエスタの進化は禍々しいものではなく、風に包まれてそれらが収束すると、今度は広がっていった。シエスタは水色で半透明だったものが、エメラルドグリーンになった。
ステータスをみると、スライムからヴィントスライムになっていた。どこから風が来たのだろうか?考えるとしたら僕の従魔だからだろうか。シエスタのステータスには【風魔法】Lv1【風化】Lv1が増えていた。
【風化】Lv1
10秒間、風になる。
あれだな、シエスタは死んだようだ、みたいなスキルだな。これも僕と相性いいな。だんだん都合の良いスライムになってきたな。進化したことによってランクがEになっていた。能力値はレベル1アップごとに3上がっていて、合計12上がっており、敏捷だけは合計20上がっていた。敏捷特化のようだ。
「確か魔石食べるんだよな?」
シエスタは嬉しそうに飛び跳ねた。
オークの胸に手を突っ込んで魔石を取り出した。オークは全部で12匹だ。どのオークも大きい。確かオークの肉は美味しく、高く売れるんだったよな。これ…持ってくこと…無理じゃね?1匹だけでもきつくないか?まぁいいや、ここは異世界チートを今度こそ発動してくれ!
確かアイテムボックスだとか、異次元倉庫だとかだっけか?イメージとしては【流体操作】でできそうなものだ。流れだろ?流れといえば次元の流れとかか?空間の流れとか?いけるか?
「アイテムボックス!」
空間に扉が開いた。そしてオークが吸い込まれた。
お?できた?なんかイメージと違うができたな。ステータスにアイテムボックスがあるかなぁ~?
「ステータス!」
名前:山根 草太
種族:人族
年齢:17
性別:男
Lv:34
HP:183/190(+30)
MP:264/348(+48)
攻撃力:140(+30)
防御力:188(+30)
敏捷:200(+30)
知力:335(+45)
精神力:234(+42)
魔力:387(+54)
ユニークスキル
【流体操作】Lv5
アクティブスキル
【武術】Lv2【料理】Lv2【テイム】Lv2
【風魔法】Lv5【水魔法】Lv4【火魔法】Lv4【空間魔法】Lv1
パッシブスキル
【環境適応】Lv4【気配遮断】Lv4【苦痛耐性】Lv3【異臭耐性】Lv5【逃走】Lv1【忍び足】Lv4【魔力感知】Lv2【気配探知】Lv2【観察】Lv2
称号
【昼寝を愛す者】【昼寝の達人】【流された者】【異世界転生者】【ゴブリンスレイヤー】【スライム好き】【掃除夫】【悪臭の伝導士】【オーク狩り】
従魔
【ヴィントスライム】シエスタLv1
加護
【創造神の加護】
創造神の加護ってなんだ?