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流されたものの行方  作者: 『食べられません』を食べた人
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第16話 魔法研究

 昨日ジパーズの無茶ぶりによって駆り出されることがほぼ確定した。よって、近接戦闘のため楽に採掘するために新しい魔法の開発と【流体操作】の運用について考えておかなければならない。


 魔法はイメージでどうにかなるから、こつこつとやっていくつもりだ。複数の属性を持つ人が少ないといっていたのは、きっとイメージしやすい属性があるのか、現存する魔法しか存在を知らないからだろう。それか異世界人がただ単に使える属性が多いのだろう。


 朝食を食べ終わってからすぐに門の外に向かった。今日はちゃんと寝坊しなかったぞ。シエスタの突撃は地味に痛い。


 まずは【風魔法】からだ。格闘ゲームでよく使われる衝撃波は風圧によるものが多い。魔力や何かしらのエネルギーがない格闘家が手からビームは出せないはずだ。拳から前腕にかけて風を纏わせてみる。風の軸は拳の中心にする。そのまま木を殴ってみる。風はぶつかった瞬間に木に押し込む。


(ブォォォオオーン…)


 「できた…渦巻き模様ができたな。これの強さを調整すれば肉体労働をしなくて済みそうだ」


 次は【水魔法】だ。最近掃除にしか使ってない。どうせまた掃除するんだ、やっといて損はないはずだ。掃除といえば高圧洗浄機だな。ただ飛ばすだけじゃあ芸がないな。ふむ…回転を加えることにした。さっきとほとんど変わらないものができた。洗濯機の代わりに使えそうだ。これなら洗濯につかえるんじゃないか?ん?流れるプールとかにあったら楽しそうじゃないか?


 「そういえば【風魔法】といえば悪臭の導きがあったな。あれは兵器だが、もっと強くできそうだな」


 悪臭の導きを流すのではなく、収束させる。さらに凝縮し、風壁で包みこみ、風圧をかける。森に飛ばし、破裂するまで風圧をかける。


 『グギャァァァァァ!?』『グギャッ…』ゴブリンの奇声が聞こえた。どうやらたくさん道連れにできたようだ。やはり感覚に訴える攻撃は強い。臭そうだったのでまだ近付くのはやめておこう。


 【火魔法】は寄生スライムを倒すのに活躍したので、Lv4くらいにはしておきたい。イメージで作り上げては空に打つことにした。まずはファイアボール、火をボールのように丸める。今度は丸めるだけでなく、収束させる。火を槍にして、剣にして、壁をつくり、それをまた丸める。これだけ自由にできるのは【流体操作】のおかげである。空気の流れと魔力の流れを楽に操れるため、これだけ色々できる。


 光魔法や闇魔法は流れに関係ないのでできそうにない。土魔法は微妙である。泥水とか砂なら使えそうだが、土が流れるとかにしても水をつかう。混ぜて使うことができても土のみはできそうにない。土砂崩れなら起こせるかもしれない。


 そろそろ臭いも流れただろうから、森に向かうことにした。それにしても森が静かだな。臭いに驚いて逃げてったのかも。





 そこは悲惨な場所だった。


 魔物は悶えて気を失い、動物のうち嗅覚のいいものは悶絶して地面をかきむしった跡があった。そしてまだ辺りが臭い。


 鳥は墜落しており、木は枯れているようにみえた。これが荒れ地というものか。


 「だ、誰がこんなことを…」


 すいません。反省してます。またやります。





 そこにはゴブリンが12匹、オークが6匹、猪が2匹、狼が5匹倒れていた。その辺り一帯の空気を拡散させて、なんとか悪臭を落とすことに成功した。悪臭のせいで値段は落ちたもののそこそこの稼ぎはあった。




 戦力増強といえばシエスタのレベル上げだ。野菜ばっか食べさせてるけど、魔物もたべるのかな?


 「シエスタ?魔物は食べるの?」


 シエスタは縦にぷるぷるした。


 「ゴブリンも食べるの?」


 今まで見たことないくらい横に揺れて、一瞬UFOにみえた。


 「じゃあ何を食べるの?オーク?あ、もしかして魔石?」


 魔石と言ったときに縦に震えた。


 「ゴブリンの魔石は食べるの?」


 一瞬間があったがどうやら食べるようだ。


 「じゃあゴブリンを狩ろうか!あ、レベルが上がるかもしれないから止めはシエスタがしてね?」


 シエスタは嬉しそうにぽよぽよ跳ねていた。

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