第104話 アッシュと好オーク臭娘の出逢い
戦闘狂との模擬戦も楽しく?終わったので、これで魔法学院の見学は終わりを迎えた。メルサはこれからさぼった仕事があるので、僕が帰った後仕事をするそうだ。なので僕はお土産などを買ってからここを発つことにした。
今はメルサとの別れの挨拶をしている。
「ソウタ殿どうじゃったか?」
「見学は楽しかったよ。帰りにまた寄ることになったら、また見学しにきてもいいですか?」
「もちろんじゃ!」
メルサと握手をして、お土産に魔法学院での学生証みたいなものをもらった。これは学院に在籍してるしてないに関わらず、いつでも学院に遊びに来ることができるカードだそうだ。
「これからどうするのじゃ?」
「今日はゆっくりして、明日ここを出ようかと思います」
「そうか、寂しくなるのぅ」
「元々ここはすぐ通り過ぎるはずだったんですから、むしろ十分なほど滞在したと思いますよ」
「そうじゃけど…」
「また来ますよ」
「…そのときは歓迎するのじゃ」
メルサとは別れ、その日はスズネと激しくイチャイチャした。見学よりも数十倍楽しかったです。
次の日、お土産やら食材などを買い込み、門に向かった。その間、ススネは夜の疲れからシエスタの上で熟睡していた。天使の寝顔でした。
アッシュはなんだか久し振りに見た気がするのだが、どこにいたのだろう。
門にはメルサと自称弟子がいた。なぜかオーク臭興奮娘と戦闘狂達がいたが、スルーしておいた。
「ソウタ殿、スズネ殿。また来るのじゃ」
「師匠!ぜひまた稽古してくださいね!」
いつ稽古したのだろうか。そもそも師匠ではない。
「はい、また来ます」
二人に手を振って門を出ると、スルーしてた人達が行き先を塞いできた。
「ソウタさん!そのオークの上位種の魔物はなんですか!ぜひ、ぜひ匂いを嗅がせてください!」
「ソウタさん、俺達との別れの挨拶はまだですよ!どこに行くんですか!」
くっ…そういえばアッシュはオーク系統の最上位種だ。やべぇやつにばれた。アッシュは呆けてるけど、あれは美食のことを考えてる顔だな。いや、そんなことはいい。それよりまた模擬戦?僕はもうお腹一杯なんだが!
アッシュに近づき、こそこそと話しかける。念話でもいいが、久し振りに話すのだし元気なのか確認をしておきたい。
「アッシュ、そこの変態がアッシュに抱きつきたいと言っているが、されても大丈夫か?」
「ブモゥ(抱きつかれるだけなら、大丈夫)」
「もしかしたら匂いを嗅がれるかもしれないが、害意はないはずだ」
「ブモゥ(ならいい)」
確認がとれたので変態に応対する。
「この子はアッシュと言って僕の従魔だ。基本的に温厚だけど、一応Sランク指定の魔物でもあるから、変なちょっかいはかけないでね?」
「はぁ…はぁ…はい!?」
変態は興奮していたが、Sランクという言葉に冷静に戻った。
「抱き着くぐらいなら大丈夫だよ」
「は、はい」
冷静になった変態はそーっとアッシュに触りにいく。アッシュも女の子に抱きつかれることを嫌そうにしていない。むしろ満更でもないといったかんじだ。
「次は俺達の応対ですね、さ、やりましょう」
ふむ、やらないという選択肢は選べないんですかね。でもあんまり騒ぎすぎるとスズネが起きてしまう。ここは一撃で決めるべきだな。
「…少し離れよう。そこでやろうか」
「そうこなくちゃ」
僕はぞろぞろと戦闘狂を連れて森の中に入っていく。シエスタはスズネの子守り、アッシュは変態の対応だ。
「ここなら大丈夫かな」
「まずは俺から行くぜ!」
「いや、全員で来なよ」
「俺達をなめてるんですか?」
「時間の無駄だからね、はやく来なよ。来ないなら僕から行くよ」
「「「うおおおおおぉぉぉーーーっ!」」」
全員が僕を囲うように襲ってきた。
アイテムボックスから大量の血を取り出し、全員に物量で押す戻す。一人は氷魔法で固めていたが、レベルの差で砕いて押し返す。
「ちょっと本気でいかせてもらうよ」