第101話 空飛ぶロリコン(他動)
投擲された短剣は風圧で地面に叩き落としてアイテムボックスで回収する。スズネに襲いかかってきたおじさんは風圧で横に飛ばす。
「っ!?」
さらに風圧で上に飛ばす。ここに来ているということは魔法はできないが、体術はできるという可能性がある。そのため空中に浮かせて動かせないようにした。
「大人しくしててくださいね」
「くっ…うおおおおおおおっ!」
おじさんは手足をばたつかせてきたが、空中なので意味をもたない。うるさいのでさらに上に上げたり急激に落としたりして、アトラクションを楽しんでもらう。
そうこうしてるうちにメルサが教員に話終えてこちらに戻ってきていた。その教員は外に連絡しにいってるようだ。
「ソウタ殿、お待たせなのじゃ」
「ちょうど襲ってきたので捕まえておきました」
「お、俺がなにしたって言うんだ!」
襲ってきたロリコンは自覚がないのか、言い訳しだした。
「俺はただ女の子を愛でたいだけなんだ!それの何が悪いって言うんだ!」
愛でるだけなら許されるが、手を出したら終わりなんだよ。ロリコンは見ることと話すだけは許される。だが、触りにいくのはだめなんだ。YesロリータNoタッチ精神でいかないとな。
「愛でて許されるのは相手に許可を得てからだよ」
「じゃあお前はとってるのかよ!」
その質問は難しいなぁ。スズネは同い年だけど、称号に幼女があるからなぁ。一応付き合っているのだから、許可はいるのか?いや、とってるよ、うん。とってるとってる。
「……スズネとは付き合ってるからな」
「今ちょっと間があったぞ?ソウタ殿」
メルサも突っ込みをいれない。
「それよりもメルサこの人をどうすればいい?」
この人をほっておくとスズネや子供達をいやらしい目で見続けられて気分を悪くするかもしれない。
「今衛兵が来とるところじゃから、そのまま拘束を頼むのじゃ」
「じゃあこのまま押さえ付けとくよ」
「衛兵だと!?冗談じゃない!」
おじさんはさらに暴れだした。なんか魔法も飛んでくるけど、さすが新入生威力が弱い。おじさん、どちらかというと武器とか使って戦いそうだけど。体術とか実はすごいとかなのかな。
「まぁまぁ落ち着いてください。僕がギルドの牢屋をリフォームしておいたので住み心地バッチリですから」
「牢屋を改装だと!?ふざけたことぬかしてんじゃねぇ!」
「いやいや、ちゃんとリビングも寝室だってあるんだぞ。まぁさすがにベッドは回収したけどね」
「くそっ!これならどうだ!ファイアボール」
火の玉が飛んできたので風壁で包んで圧殺する。
「危ないでしょ、もしスズネや子供達に当たったらどうするんだ」
「こいつこの歳でどんだけ魔力あるんだよ!」
いくつ?そういえば最近ステータス見てなかったな。あとで見ておこう。
「まぁまぁ落ち着いたところでちょっと静かにしてもらいますね」
悪臭の導きを頭に纏わせて放置、数十秒後に先程よりもあばれて大人しくなった。
「そ、ソウタ殿…今なにを?」
「きっと暴れて疲れたんでしょう」
「そうかのぉ…?」
メルサがおじさんを遠くから見て首をかしげていた。しかしスズネはこちらをジト目でみてくる。
「……」
「どうしたの?」
「いや…なんでもないわ」