第18話 疲労感
さて、どうしたものか……
20時になり、インスタントラーメンも、ぺろりと食べきった俺と音崎は、特にすることも無く、リビングでゴロゴロしていた。音崎はまだ、ここの機械には慣れていない様子でいつも通り興奮度MAXでグルグルとリビングの中を回っていた。
「あのーおとちゃーん? そろそろ落ち着いてもらえます?」
「落ち着けって……落ち着けるわけないじゃん!! こんなにもえっちなものがいっぱい揃ってるんだよ!」
「いや待て、俺の家をアダルトショップ扱いするのは辞めてくれ」
気分的にはとてつもない疲労感に見舞われ、早く寝たいという気持ちがだんだんコッソリと覗かせていた。
よし、お風呂入にろう。
そう決めた俺は、早速準備を始めた。
まず、浴槽を洗い流しお湯を貼った。そして少し時間を置き、浴槽いっぱいにお湯が張れたら風呂フタで浴槽を覆い終了した。
たったこれだけだったが結構な時間を使った。そう考えると親の偉大さがわかってくる。
さて、お風呂を入りたいのだがさっきから音崎の姿が見えない。
リビングにもキッチンにも見えていない。
………………まさか……俺の部屋に??
俺は急いで自分の部屋に戻り扉を開けた。
「つ、つ、つばきゅん…………こ、こ、これって………」
そこにはやはり動揺した声の音崎が居た。そう、机に置きっぱなしにしていたエロ同人誌を片手に。
「いや……いやいやいや、そ、そ、それは…………あ、あ、あれだよ。あれ。そ、そう、隣のクラスのや、山田から預かってるんだよ、そうそう預かってるだけでさ、俺のではないんだよ!」
自分で言ってて、ひどい言い訳だと、一周回って感心してしまった。
音崎は顔を真っ赤にして固まっている。それが俺の部屋の機械類によるものなのか、エロ同人誌を読んだせいなのかはわからない。前者であって欲しい気持ちが高まるばかりだ。
「そ、そ、そんな事よりな、風呂沸いたから、は、入ってこいよー」
声が震えているのが自分で言ってわかる。恥ずかしい。
音崎は俺に近づいてきて
「の、覗かないでよね」
なんて、言って逃げるようにお風呂場に向かった。
いや、覗かねぇーよ!
俺は音崎か置いていったエロ同人誌をパラパラと見てから、ベットの下に隠した。
「きゃー!」
音崎の声だ、お風呂場から聞こえる。俺はスグにお風呂場手前まで向った。
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