第12話 ここのヒロインは……
音崎が訪れた土曜から数日が経った。俺はいつもの学校で、ある悩み事をしていた。って言うのも音崎の件以外悩むものも無いんだけれど。
その悩みってのは
『どうやって機械を慣れさせる』って言うことなんだけれどなかなかいい案が浮かばない。少し時間を掛けるしかないかな….
なんて、授業中ずーっと考えていると、右隣から
「千羽くんー…大丈夫ー?」
小坂が、小声で話しかけてきた。
最近の授業中はこうやって小坂に話しかけられる事が多く、割と小坂と話すようになった。
で、分かったことがある。この子は普通の子ではない。ということだけはわかった。
「んー、大丈夫だー。多分問題ない!」
「いや、でも顔色悪いよ? しんどいんじゃない? 休んだ方がいいよ! 絶対風邪だと思うし….ね!」
一つ目はこれ。決め付けが激しい事だ。相手の顔色や表情、言動から想像以上相手にとって想像の上を行く決め付け方をすることが多い。
前見たヤツなら、女の子が小坂を遊びに誘おうとして、話しかけた時だ。
「小坂さーん、今度の土曜日どこかにいかない? ?」
「女の子とは結婚出来ないから遊ばない!」
『結婚出来ないから』って言う普通、誰も誘っただけで結婚まで行かねーわ。……なんというか、遊びに行く=結婚みたいな…どうしてそうなったの……って言いたい。とりあえず言いたいのは小坂はぶっ飛んだ決め付けをするということ。それも本人は無意識という所がさらに怖いところだ。
そして、もう一つ。
「何なら、おぶってあげるよー! 楽しいと思うし! あーでも、やっぱりいいや。めんどくさくなってきたしー」
……そう。感情だ。この子はかなりの気分屋で心変わりしやすい。喜怒哀楽の入れ替わりがコロコロ変わったりして、さらに言う喜ぶ時は全力で喜ぶし、悲しい時は全力で悲しむ……のようになんというか、100%の力でしか動くことができないのだ。
って言うのが分かると前の英語0点事件も納得できるかもしれない。かな……
そんなこんなで、授業は終わって昼休みになった。俺は賑やかな教室にいるのが嫌で嫌で仕方がなかったので屋上で昼を過ごすことにした。やっぱり1人は最高だな……
屋上への出入口のドアが空いた。
「….横、いい?」
「はぁ……いいよ、どうぞ」
小坂が、悲しそうに横に来た。さっきまでだるそうにしてたのにもう変わったのか……
俺は呆れた顔で小坂に問いかける
「……で、どうした? なんか俺に用でもあるのか?」
「千羽くん……相談がある」
俺はそれを聞いて…嫌な気がしてならなかった。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
テストの回が本当に微妙な感じになったので今回はリベンジって感じです。
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