表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンノウン ~その者、大いなる旅人~  作者: 折田要
旅の準備
5/394

3.外へ・・・

また勢いで書きました。

 洞窟の中から外を見ると空は快晴だった。洞窟の前は少し開けた野原だった。周りは森が茂っており、やや薄暗い。その事を視認すると真は洞窟から出た。


「外か・・・」


 やっと外に出た真。一歩外に出た途端に感じたのは、圧倒的な生き物達の濃密な気配。

 前の世界の真は祖父の家に遊びに行った事がる。そこはドが付くほどの田舎だ。当然近くには山があり、川があった。鹿、猿、狐、狸、猪といった動物達を見るのもそう珍しい事ではない程に自然に満ちていた。山の奥へと行けば、遠くからではあるが時には熊ですら見つけることもある。

 今真が感じている気配の数々はそれ等と比べても圧倒的なものだった。


「・・・やっぱり暑いな」


 外は少し暑いので青い短パンにノースリーブの黒のTシャツ、黒の幅広いカーゴズボン、黒のブーツを履いていた。

 後々分かったのだが体格も元いた世界とは違い、軍人の様な引き締まった体になっていた。また、腕の付け根、太腿の付け根、臀部全般は「BBP」化していた。

 股間は・・・・・・・男性そのもので体格通りだった。

 おかげでサイズも大きめの物を購入した。前着ていた服はとりあえず、シャツとパンツのみで汚れていたので「収納スペース(インベントリ)」に入れた。

収納スペース(インベントリ)」は収納したいものを触れて「収納」と念じれば「収納スペース(インベントリ)」に保管できる。

 本来なら第一目標の外に出る事を達成し、喜ぶはずなのだが彼には気になる事があった。自分の顔だ。自分の顔がプレイヤーキャラクターの顔でも無ければ、元いた世界の自分の顔でもない。

 年は十代だろうか、若く整った顔に長すぎず短すぎずの黒髪。鋭い眼には吸い込まれてしまうのではないかという黒の瞳。まるで自分とプレイヤーキャラクターを足して2で割ったような顔だった。

 外見を総合的に見ると以前の自分とプレイヤーキャラクターを合わせてそれをベースに改造した存在が自分であるようだ。


(さてこれからどうするか・・・)


 この世界が危険な所である可能性は決して低くない。まず武器を装備するため「ステータス」画面を表示した。レーザーピストルを手に取るが不安は払拭されない。この世界は一体どんな所で敵は何なのか、この銃が効くのか、「BBP」でやってのけるのか・・・。


「・・・・・」


 真は首を振った。不安がっていても仕方がない。別の事を考えた。


(そういえば、「自動開発」というのがあったな)


「ブレンドウォーズ」には無かった特殊魔法があった。「自動開発」。それは、自分が提案した物を開発することができる能力だった。通貨さえ払えば自動的に作ることができる。「収納スペース(インベントリ)」等の魔法の付与も可能。また、現在持っている物を改造する事もでき、あまり時間もコストもかからない。


 ただし、複雑で大きければそれなりの時間とコスト(通貨)がかかる。また、食品や薬品を作ることはできない。


(・・・LP(レーザーピストル)を改造してみるか)


「ブレンドウォーズ」でLvMAXになると「LP(レーザーピストル)」を開発する事にした。

 見た目はグロック17(オーストラリア製のオートマチック式拳銃)に似ているが大部分はプラスチック製で白く、薬莢を排出する必要がないためスライドしない。装填・・・というよりも電池の交換方法は電池をオートマチックの拳銃と同じ装填の仕方でできる。

 傍から見ればグロッグ17にそっくりな出来損ないのオモチャの拳銃に見える。とても武器とは思えない代物だが、攻撃音が無いため静かに攻撃ができ、有効射程距離は10kmを超え、人間の頭を軽く破裂させる威力を持った武器だ。

 だが、真はこれには納得していなかった。何故なら、威力を調節ができない。これでは貫通して破壊しなくてもいいものまで破壊してしまう恐れがあるからだ。また反動も大きく次に撃つ時に狙いが定まらない等々、他にも納得ができていない部分が多くあった。

 真が考えている理想的なLP(レーザーピストル)とは程遠い代物だ。

 そこでこのLP(レーザーピストル)を改造する事にした。


 真は「自動開発」の画面に「収納スペース(インベントリ)」からLP(レーザーピストル)を取り出し自分が理想としているLP(レーザーピストル)を思い浮かべる。これだけで詳細な改造が施す事ができる。


 すると真の目には「これを改造しますか? YES NO」という表示が出てきた。


 シンは躊躇わず「YES」を選択する。


 1時間位でできるようだ。 思いのほか早くできる事に真は少し気が楽になった。


「さて、これからどうするか・・・」


 そう呟き、「ステータス」を閉じた。その時だった。


 ヒュン!


 パシッ!


(思わず取ってしまったけど、何だ?)


 真はとっさに左手で何かを掴み取った。2cm程の棒のようなものがこちらに飛んできたようだ。何だろうと思い掴み取ったものを確認する。


「何これ?」


 小さな針だった。しかも、羽根の様なものが付いていた。まるで矢の様だが、矢にしては余りにも小さい。そんな矢の様な小さな針を見てまさかと思った。


「吹き矢か・・・!?」


 真は「BBP」化によって感覚を増幅し、気配で何者かがいる事は知っていた。いや、正確には 連中だ。つまり複数だ。その存在らを知ってはいたが、まさか攻撃を仕掛けてくるとは思ってもみなかったのだ。

 この吹き矢は左手で取った。という事は左側にいた誰かが吹き矢を放ったという事だ。しかも、咄嗟に取った時の矢の位置からして、明らかに真の首筋に向けて放った。確実に真を仕留める気で放った物だ。

 真は気配で矢を放った本人がどこにいるかを探りすぐに分かった。


「・・・・・」


 居た。


 木々の下の茂みに隠れていた。持っている吹き矢をそこに居た誰かに向けて取敢えず投げた。


 ヒュンッ


 プスッ…


「ギャッ!」


 当たったようだ。真は何者なのかを確認するためそこに向かった。


「こいつか・・・」


 森がある茂みをかき分けて覗くと、倒れている誰かを見つけた。

 男だった。濃い亜麻色のフードを被っており、革の手袋に靴、濃い緑色のシャツとパンツ。手には吹き矢の筒があった。まるで中世ヨーロッパの盗賊のような風貌だった。

 ビクンッビクンッと全身で痙攣を起こしていた。


「・・・・・」


 その様子を見た真は吹き矢には麻痺毒を塗っていると判断した。


(もし当たっていたら俺も・・・ってこうはならないか・・・)


 真は臓器全般をBBP化にしている為、毒や薬による体の状態異常は効かない様になっていた。その為そのまま受けたとしてもどうにもならなかった。つまりこの連中は真を標的にしたのがそもそもの間違いだったのだ。

 倒れている男から他にいたであろう連中の方へ目線を向ける。


(他の連中は・・・奥に行ったのか)


 他にも隠れていた連中もいたが、奥に引っ込んでいったようだ。


(随分薄情な連中だな・・・。まぁ丁度いいか。この場を借りて、「魔力吸収」で魔力を吸収させてもらおう)


 この「魔力吸収」とは相手の体に触れ魔力を吸収する特殊魔法だ。奪った魔力は「ショップ」と「自動開発」の通貨になる。真が思い付き例のノート書いたオリジナルの魔法だ。


 真は手をそっと男の頭を掴み、魔力を奪う。


 ググググググググググググ…


 真の手から身体に向かって何かが流れ込んでいくのを感じ取る。


「ア、ガァ・・・ァ・・・」


 同時に男は苦しそうにする。そんな様子の男に真は構わず続けて魔力を吸収する。


「ォ、ォ・・・・・ァ・・・・・・・・」


 男は瀕死ではないが苦しくてまともに動けないでいたが生きている。


「まぁ、こんなものか・・・」


 魔力こそ対して多く手に入らなかった。だが、魔力を手に入れられる方法がある事が実証できて、一安心した。


「・・・・・・・」


 真は連中がいた所に目を向ける。


(そういえば、まだ他にもいたな。)


 今のこの男は麻痺でまともに喋れそうにない。という事は何故自分を狙ったのかを聞く事ができない。他に誰かを聞くとすればこの男の仲間であろう連中だろう。真はもし何か話せる事ができるようになったことも考えて男を抱えて、奥に行った連中の後をつける事にした。


ここまで読んで下さりありがとうございます。誤字脱字矛盾がありますがどうかご勘弁を。



追記 改善してほしい部分がございましたらご連絡ください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ