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39.羽休めの町

思い付きで書いてしまいました。ですので内容が薄ぺらかったり、誤字脱字があると思います。

 冒険者と騎士団で構成されたグリフ討伐隊が次の町に着いたのはその日の夕方の頃だった。シン達は町の門の手前に居た。

 目の前にある巨大な門は中世ヨーロッパでよく見かける様な町を城壁で囲った城郭都市の様なものだった。


(まるで凱旋門だな・・・)


 石煉瓦で作られたフランスの凱旋門の様な建物が聳え立っていた。フランスの凱旋門と比べれば半分以下の大きさだが、かなり大きいことには変わりない。その門の上から関所を破った者がいないか監視ができる様になっていた。その監視ができる凱旋門の下は当然門の様な門になっており通行ができる様になっていた。

 大きな門を眺めていたシン達にニニラはある事に気が付き声を掛けた。


「あ、そうそう、アンタ達お金持ってる?」


 この世界の通貨はシンが持っている。すぐに取り出せるようにポケットの中に金貨7枚持っていた。


「持っている」


「だったら門の中に入ってすぐの所に税務署の詰め所があるからそこに行って銀貨3枚払って」


 銀貨3枚は結構な出費だ。もしククとココの様な子供同じ値段なのであればシンは「収納スペース」から金貨が大量に入った袋を取り出さなくてはならなかった。それ心配したシンはククとココにも税金がかかるかどうかを訊ねる。


「・・・子供も税金払わねばならないのか?」


「いや、15歳以上の人間だったら払う事になってるから」


「そうか」


 銀貨3枚。シン、ナーモ、シーナは15歳以上だ。つまり銀貨9枚と言う計算になる。つまり実質9000円支払う事になる。シン達は門を入ってすぐの所にニニラが言ってた通りにそれらしき建物があった。シン達はその建物に入る。税金を払うからには誰かは居るはず。その建物の中に誰かいる前提に声を掛ける。


「税金を払うとこってここか?」


「ああ、そうだ。後ろにいるのは君の連れかい?」


 そう答えるのは剣を携えた兵士のような風貌の気さくな男だった。


「ああ。だが、ここにいる子らは支払えないぞ?」


 すると兵士風の男はシンの後ろを見て「ああ」と言って納得した。


「分かった。じゃあ君達3人で銀貨9枚だね」


 シンはポケットの中から金貨一枚を取り出して兵士風の男に手渡す。


「金貨1枚か・・・。ちょっと待ってくれ」


 兵士風の男はそう言って金貨を腰にある小さなバッグに入れ代わりに銀貨1枚を出した。


「お釣りの銀貨1枚」


 兵士風の男が手渡した銀貨は間違いなく本物であり、ちょろまかしたり、そのまま懐に入れる素振りも無かった。公平に銀貨を出した事を確認したシン。


「どうも」


 そう言ってお釣りの銀貨1枚を受け取る。すると兵士風の男がにこやかに


「ようこそ、ヨルグへ!」


「「「・・・・・」」」


「・・・あ、ああ」


 いきなりの大声で歓迎の挨拶された事に驚くシン達。流石にシンも思わず少し戸惑う。ふと疑問に思った事を訊ねた。


「ここではこうやって出迎えるのか?」


「まぁ、そんなとこかな?」


「そ、そうか・・・(某遊園地の従業員みたいなノリだな・・・)」


 某遊園地の歓迎の挨拶「夢の国、○○ランドへようこそ!」を思い出し重ね合わせるシン。


「・・・・・」


「ん?どうかしたのかい?」


 シンが遠い目をしていた事に気が付いた兵士風の男が声を掛ける。


「ああ、いや何でもない」


「そうかい?じゃあ、この町の事を簡単に説明するね」


 某遊園地の事を思い出しつつ兵士風の男の説明を聞く。

 兵士風の男が言うにはこの町は冒険者や傭兵、行商人がよく来る町で旅する者が良く訪れ休む事から『羽休めの町』と呼ばれている。


「ではお気をつけて」


 兵士風の男はにこやかに軽く手を振っていた。


「・・・どうも」


 あの挨拶の一件でぎこちなく返事をするシン。ククとココは手を振り返していた。



 門の中に入ると夕方の赤い光のおかげで見た事もない町景色だった。


「ここが町かぁ・・・」


「すげぇ・・・」


 夕方頃に来たからか見慣れない景色に感動する皆。確かに見慣れない景色だ。よくよく見てみると兵士風の男が『羽休めの町』と呼ばれている事がよくわかる。何故なら、宿屋が多く、夕方だというのに市場が賑わっていた。かなり活気がある。相当金回りが良いのだろう。シンはそんな町の事を分析し次の目標を掲げた。


「じゃあ、宿を探そうか」


 それを聞いたシーナはシンに


「どんな宿にするの?」


 と聞く。シンは人数や所持金額を考慮し


「俺らの人数の事を考えるとなるべくなら安めの所がいいんだが・・・」


 と妥当な所を考える。シン達の人数は7人で所持金額は金貨69枚と銀貨1枚だ。持っている金は皆の服や武器の資金でもある。なるべくなら節約していきたい。その事を聞いたニニラが提案する。


「なら、『旅烏』(タビガラス)っていう宿がいいよ」


「『旅烏』?」


 ニニラは右手で指を指した。


「この先の道を左に曲がって3件目の所さ。一人銀貨3枚」


「銀貨3枚・・・」


「別料金だけど毎食の食事が摂れる」


「それの料金は?」


「え~と・・・銀貨2枚だっけ?」


「そうか・・・」


 最大で銀貨5枚。つまり、5000円だ。素泊まりで3000円。食事がつけば5000円。少なくともシンがいた現実世界ではこれほどのサービスがあって5000円は安い。


「・・・悪くないと思うが、皆はどうだ?」


 皆の方へ目をやる。まずナーモが


「まぁ、いいんじゃない?」


 次にエリー。


「うん、問題ない」


 シーナは


「いい・・・よ」


 やや歯切れが悪くも賛成する。ククとココは2人同時に


「「いいよー!」」


 とテンション高めに賛成の意を表した。最後にニックは


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・いいよ」


「何だ、その間は?」


 テンション低めで何か言いたげではありつつも仕方がないと言わんばかりに賛成するニック。原因は何となく予想はついていた。恐らくシンのキャンピングカーを当てにしていたのだろう。だが、いつまでもキャンピングカーに依存されていては困る。それにニックはトイレのウォッシュレット機能にやたら感動していた事に思い出す。また、シーナも歯切れの悪い賛成していた事もこれが原因ではないかと考えていた。


(いい加減ウォッシュレットから離れさせなければならないしな・・・)


 シンは小さな溜息を吐いた。そんなシンとシーナとニックの思惑とは余所にニニラは明るい声を皆に掛ける。


「決めた様ね。アタシはこれからギルドへ行って依頼の報告しないといけないからここでお別れだね」


 そして隣にいたリースも別れる事を皆に告げる。


「私もこれから彼らを教会まで運んでいきますので・・・」


 リースが暗く悲しい目で荷馬車に積まれている毛布に包まれた犠牲者を見る。


「・・・分かった。俺達は明日ギルドへ登録しに行くから」


「だったら、明日の正午辺りなら昼食時だから空いているよ」


 ニニラは軽くギルドの登録のアドバイスをシンに送った。


「助言感謝する」


「では私はこれで」


 リースは軽く会釈してこの場を後にする。


「じゃあアタシも」


 ニニラもこの場を後にしようする。


「ああ、解体のレクチャーありがとう」


 シンが解体のレクチャーのお礼を言う。するとナーモから


「あ、ありがとうございました!」


 と言って頭を下げる。


「「「ありがとうございました!」」」


 皆も続けて感謝の言葉を言って頭を下げる。そんな皆の様子を見たニニラは真剣な顔つきになり


「アンタら気を引き締めて気を付けるんだよ!」


 今日最後の叱咤激励を皆に送った。皆は真っ直ぐな目でニニラを見て


「「「はい!」」」


 と大きな声で返事をする。

 ニニラはフッと笑い皆に背を向けて手をヒラヒラと振った。

 ククとココが


「さよーならー」


「またね~」


 と言って手を振った。

 シンはニニラの後ろ姿を見る。


「・・・・・」


 ニニラの後ろ姿を一言で言い表すとするなら



「寂しい」



 何を思いこの「冒険者」と言う職業に就いたのか。



 そんな考えが頭の中に浮ぶ。


「・・・・・」



 だが、知ったところでどうにかできるわけでも無く、今はただ目の前にある問題を対処するのに専念するだけだった。



「じゃあ、俺達も宿へ向かうか・・・」


 ニニラとリースを見送ったシン達はニニラが言っていた『旅烏』と言う宿に向かった。


最近忙しくなり、その上暫くの間は物語の進行を優先していきますので、直すのがかなり遅れてしまいます。なるべく早めに直そうとは考えていますがいつに直るかは未定です。


大変申し訳ございませんが、気長にお待ちいただけるとありがたいです。

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