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348.一変

ここ最近季節の変わり目のせいで思うように時間をとって執筆活動ができませんでした。

すみません。

 少し前の事。


「どうしても、お譲りになるおつもりはございませんか?」


「どうしても、だよ」


 外へ向かう道を閉ざすように遮るサトリにアルバは譲る気配のない事に胸の内に怒りが徐々に込み上げてくる。いや、それ以上にアルバとステラはサクラの身を案じている。それ故に訳の分からないこの状況を打破したい。

 サトリをただではおかない形になったとしても。


「ならば、是非もありません」


「押し通ります」


 どく気配のないサトリにやむを得ないと判断したアルバとステラ。明らかに闘気以上のものを出している。所謂殺気を出している。


「そっか、なら・・・」


 まぁ、そうだろうねと言わんばかりの口調でありながら、声からしてこの2人をどうあってもここから先に通さないようにしようと持っている収まった刀をいつでも抜刀できるように悟れないように小さく構えて屈むサトリ。


「サトリ」


「んん?」


 アンリが呼ぶ声に返事だけするサトリの声は日常会話でもしているかのような物言いだった。


「早く行きたい」


「・・・承ったよ~」


 アンリの言葉にやれやれ仕方がないと言わんばかりに承諾した返事する。


「ん、なら・・・」


 その声を聞いたアンリは即座に瞳をギョロっと


「ステラから!」


 叫んだと同時に向けた。


 フッ…


「っ!」


 同時にステラの前にサトリが前に出る。その事にステラは一瞬の怯みを抑える為に体の膠着が起きた。


「むっ!?」


 急にステラの前に出てきたサトリに僅かに遅れて反応するアルバを他所にと言わんばかりに事態は次々起きる。


 ズササササササ…!


「く・・・!」


 体の膠着が真っ先に消えたのは足だった。だから後退してサトリから身を引いて体勢を立て直そうとするが合わせる様に常にステラの前に張り付くようにして動くサトリ。


(は、早い・・・!)


 体勢が思うように立て直す事が出来ない。そればかりかいつでも攻勢にかける事ができるサトリに焦りが生まれる。

 その時だった。


「腹に柄突き!」


 ドッ…


「うっ・・・」


 アンリの声と同時に刀の柄の先で強く突いたサトリ。


「ステラ・・・!」


 今にも駆け寄ろうとするような声で叫ぶアルバに余裕等一切与えないように


「足払い!」


「ふっ!」


「ぬっ!」


 足払いを仕掛けるサトリ。いつ屈んで、持っている納刀した刀で足払いしたのかと言う位の速さで仕掛けたサトリの上にアルバが2m位跳んで回避した。


「そこで」


 だが


 ドッ…


「「柄突き」」


「ぐぅっ・・・」


 ドサッ…


 ステラと同じく思い切り腹に刀の柄の先をアルバの腹に一突き入れた。まともに喰らったアルバは痛みと苦しみによって薬草の香で墜ち行く羽虫のように床に伏せた。

 痛みに苦しくなり、どんどん意識が遠のいていくアルバの目に映ったのはサトリがアンリの隣に来て


「いや~相変わらずだね~」


「うん」


 アンリの手際の良さを誉めているかのように、感心の言葉を送っていた。


「この調子でできそうかい?」


「やってみるよ」


 獰猛で不敵な笑みでそう尋ねるサトリと、決して迷いやブレすらない答えを叩き出すアンリは庵から出ていく歩みを始める。


「すまんね。抜かぬ非礼を許してくれ」


 軽く謝罪するサトリの背中を薄らぐ光景を眼に焼き付ける様にして意識が遠のいた2人は力が抜けた。





「60cm後ろに下がって!」


 ヒュンッ!


「っ・・・!?」


 確かに縦に斬る、所謂真向斬りに切り伏せようとしていたはず。

 目に留まらぬ速さで。

 だが声がしたと同時に、その通りに動いて確実に避けた。


「15cm頭伏せて!」


 ピャゥッ


「・・・!」


 まただ。

 頭を一文字に飛ばそうとしたが、頭を下げて避けられる。


「斜め60度、上半身!」


「ヨッ!」


 ブンッ!


「・・・・・」


 また、避ける。

 突きをしたはずなのに、即座に体を反らされた。

 間違いない。

 アンリが()()している。

 アンリが登場した瞬間に何か自信をもって自分のこれからの行動に移しているように見える。という事は彼女がいるだけで大きく変わる何かを秘めていると考えたシン。

 だが、その可能性に辿り着く一瞬の合間に次々と事態が進んでいた。


「ウルター、長時間戦わせて!」


 アンリの言葉にウルターはいつの間にかシンの背後に迫っていつ持っていたのか分からない金属製の剣でシンに挑み始めた。


「!」


 キャキーン…


 ウルターが持っていた金属製の剣がシンの刀を当てた瞬間に豆腐でも切れるかのように真っ二つになった。その瞬間を見届けてしまったウルターの青白い眼は一瞬小さくなった。それを見たシンは動揺したと判断したシンはそのまま真向斬りにしようと考えた瞬間だった。


 ボゴッ!


 スパッ!


「・・・!」


「・・・・・」


 シンの両側面から大きな鋭い岩の槍が飛び出してきてシンを一突きにしようとした。だが、シンはそれらすらも瞬時に切り伏せて無効化した。


「またか」


 ウルターはまた無数の氷の鏃を次々と作り出した。


 ヒュオッ


 ガキガキガキガキガキガキキキキキキィィィン…


 無数の氷の鏃を刀で捌き切ったシン。


(やはり、あの刀は体の一部か・・・!)


 そう判断した時、シンの刀の刃が振りかざされようとしていた。ウルターは咄嗟に腰から自分の鎧と同じ色した簡素な剣を持ち出し受け流すように体を反らして受け止める


 キンッ…!


「っ!?」


 持っていた剣が前の剣と比べると余程強度が高いのだろうか、まさかここでまた真っ二つになるとは思いもしなかった。再び青白い眼が小さくなるウルターは何か魔法でどうにかしようとしていた。

 だが


(それに、先程からうまく魔力が練れん・・・!)


 さっきから思うように魔法が使えないようだった。大雑把な話だが普段使っている魔力量が倍に使わないと魔法として成り立たない状況になる。それなのに何とか魔法で対処するウルターは前に踏み込んだ。


「ここで足止め!」


 同時に足の方に酷く冷たい痛みを感じた。


「っ!」


 足元が大きな氷で覆われて動けなくなっていた。その氷はウルターの足元から出ていた。どうやら、ウルターが持っていた剣を使っていたのは囮のようだった。本当の目的は自分に悟られないように動きを封じる為だったようだ。


「この・・・」


 イラつきがあるわけではないが、やはり鬱陶しい。しかも常人なら足止めを食らわす事等できる魔法だが、シンは違う。少し力入れるだけで氷を割る事ができる。

 このまま動いて一気に凍った足場を割ろうとした時だった。


「イヒメ、()()()()!」


「・・・っ!」


 急に上と下から押さえつけられるような感覚を覚えた。だから思わず、両手を上に向けた。まるで巨人が自分を縦に摘まんでいるような感覚だ。よく見れば地面から少し浮いている。


 ミシミシ…


 徐々に圧迫される力が強まっていく。


「っ!」


 恐らくこの魔法を発動した人物、イヒメがシンの目に映った。イヒメは右手の母指球裏を右目を覆うように少し離す形で重ねて、人差し指と親指で遠くの人物を摘まんでいるような形をしてシンを見ていた。どうやら遠くの人物を摘まむ事ができるようだ。

 これのせいで確実に身動き一つ動かす事が出来なくなった。


(かなり強いな・・・!)


 今までにない事にシンは少し焦りを感じた。

 その様子を見た瞬間、アンリは名を呼んだ。


「イズ!」


「はあぁぁぁっ!」


「・・・!」


 ドンッ…!


 自分が動けないからまたとないチャンスだった。だからイズメクの名を呼ぶ前からか、最初から空中に跳んでおり、いつでも体重をかけてシンに踵落としを掛けれるようにしていたようだった。

 イズメクが格闘術で戦うスタイルであるはずなのにシンに仕掛けてこないのは恐らくまともに戦っても通用する相手でないと判断したからだろう。

 だから迷わず跳んで宙に舞ってシンを仕留める絶好の機会を探っていたのだろう。

 踵落としをシン目掛けて落とした時、再び土煙が立っていた。


「っ!イズ、下がって!」


 ヒャゥッ!


 だが、シンの反撃はすぐだった。シンの刀がイズメクを襲うが、土煙の中から即座に出た。土煙は振った刀で自分の姿が見えるくらいにまで割った。


「・・・・・」


「サクラよ」


「大丈夫。それよりも・・・」


「うむ、進退拮抗しておるな」


 そうしたシンの戦闘行為を見て体が動かせない中でも頭と目は自由に動かす事ができる。だからシンが戦っている様子をジッと見ていた。サクラとギア。


「あれだけの事であると言うのに、確実にすぐに決着が付くはずだが、付いておらんな」


「それだけ、シンの実力が高いという事だろう?」


「・・・・・」


 進退拮抗しているシンと星の柱達との戦闘。今のこの状況を見れば間違いなくほぼ互角だ。だが、正直な所お互い本当の手の内を見せようとしていなかった。


(これは・・・どちらかが確実な「何か」を仕掛けて虚を突いた者が勝つか・・・)


 本当の手の内を見せるのか、それとも相手の虚を突く様な「何か」を仕掛ける他無い。そう感じたサクラは伏せる地面の上でしっかりと見届けようと見ていた。




 攻撃するも防がれるか避ける事でお互いの手の内らしい手の内を見せないでぶつけ合う共々。ここまでくれば「小競り合い」と表現してもいい位に不毛さを感じ始める星の柱達。

 シンは手の内を見せない方面でサクラ達を助けようと動いていたが、正直時間がかかりすぎる。あまり時間を掛ければ、サクラ達を更に利用してくる恐れがあった。

 だから先に・・・


(そろそろ現状を打破する必要があるか・・・)


 その「何か」を仕掛ける事にしたのはシンだった。


 ミシ…


 体か常人ではありえない音が体から聞こえ始めた。

つい先日、右足に小さな怪我をしてから、赤く腫れて熱や痛痒い症状が出て皮膚科に行った所、即座に点滴を打ってもらいました。

つまり相当体が無理していた状態に入っていたので休み休みで執筆活動に励んでいます。

申し訳ありませんが暫くの間は1月に2話くらいの頻度になるかもしれませんがよろしくお願い致します。

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[一言] 無理の無い範囲で活動していただけると嬉しいです。 ありきたりですが、応援しています。
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