289.タブー
ここ最近、仕事の忙殺、身内で病気や訃報等々によって思う様な文章が書けない上に見直す暇がなく、こうした報告すらも出来ない状況下に置かれています。
今になってやっと前書きと後書きに近況報告が出来ましたので軽く報告させて頂きました。
あれから5年目に突入しました。ここまで書き続け来られた事には、読者の皆様のお陰でここまで執筆活動が出来ました。
本当にありがとうございます。
フ~…
大きな呼吸音が聞こえてくる。
・・・・・
巨大な目がギョロッとシン達の方へと向けた。
その様子にステラは
「この後はどう致したら・・・」
「このまま動かずに好きなだけ見させろ」
・・・・・
オオオオオ…
唸り声を上げるナマハゲは徐に子供の元まで来てそのまま連れていく様にその場を去っていった。
去っていくナマハゲの様子を見ていたステラはこの後どうすれば良いのか分からず耳打ち声でカナラに訊ねる。
「・・・・・これは、どう・・・」
「動いても問題ない」
カナラがそう言うとシンは
「そうか・・・」
と答えて全身の力を抜いた。あのナマハゲこちらの様子を窺うと同時にいつそうなっても良い様にすぐに動ける様にしていた。その事を考えると相当現状状況理解能力が高い事が窺える。
しかも佇まいからしてどことなく戦い慣れているかのように見えた。その事を考えれば恐らく万が一ドンパチが起きる様な事になれば、こちらの被害は甚大なものになるに違いない。
間違いなく手を出してはいけない領域だ。
「何か・・・」
「はい。お嬢様、これは・・・」
「ギュウキと似た、感じがあったな・・・」
サクラ達はギュウキと立ち会った事がある。感覚的にそれと似ている感じがしたのだ。ステラは立ち会った事は無いのだが、感覚的に明らかにヤバイと言うのがすぐに理解できた。
アルバとサクラは直接出会っている上に戦ってもいる。だから逸脱の民と言うのはこういう事なのかと感覚でそう理解できた。
そんなサクラ達の様子を見ていたカナラはサクラ達に諭す様に
「その感覚を忘れるでないぞ?それが逸脱の民に睨まれた時の感覚だ」
と言った。
どうやらこれは逸脱の民と対峙するに当たって必要な事柄の様だ。どうやら少なくともこうした感覚を感じて欲しいが為に連れてきた様だった。
当然と言うべきか無論と言うべきか、シンは遠くにいたナマハゲの気配と感覚から逸脱の民と言うものはこういうものなのかと真っ先に理解できた。
逸脱の民との対峙をして感じたのが恐るべき何か、という事だ。そうした事からどことなく冷たい液体が血と混じって全身に回る様な感覚に見舞われた。
「少し肌寒くなったな・・・」
だからなのか、どことなく肌寒く感じた事にサクラは口にした。
「そろそろ高山地帯に入る頃になる」
だが実際は違っていた様だ。
今いる場所は歩いてそれなりに時間が経つ程の高度にいた。山やビルと言った背の高い所に登るにつれて酷く気温が下がってしまう。今いる場所はその境界線ギリギリの所だ。
「これ以上行くのか?」
「いや、参らぬ。飽く迄ここで済ます程度に留める」
シン達の装備や物資には防寒具と言った寒さを凌げる物は無かった。
だからこれ以上先に行く事が出来ない。
しかしシンが尋ねたかったのはその事では無かった。
「これ以上行くと、歓迎されないのか?」
「歓迎されんな」
質問の意味を理解できたカナラは率直に手短に答えた。その会話に入って来たサクラは若干皮肉交じりに
「歓迎されると思うぞ。さっき持っていたナイフ持ってな」
と答える。
そんな答えにアルバは少し呆れて
「お嬢様、物騒でございます」
と注意をした。
その注意に静かに頷くサクラ。そんな様子の2人とは余所にシンはこの先をどうするのかについて尋ねた。
「取敢えずここでひたすら待つのか?」
この問いにカナラは小さく頷いた。
「ああ、恐らく目上のナマハゲを連れて来るだろう」
その答えにシンは目を細めた。
「連れて来てどうするのだ?俺達を招き入れるのか?」
今度は首を横に振ったカナラ。
「いや、恐らくある程度の対話を試みるのだろう」
「対話?」
先程の邂逅の事を考えればコミュニケーションを取れるのかどうかが正直な所怪しく感じていたシンは目を細くした。こちらの言葉を理解できても向こうの言葉はが分からない。コミュニケーション等取れる事に疑問を持っていた。
「ああ。飽く迄も拙者達はまともな対話は無理ではあるが、通じるものはある。だから物々交換もある」
「へぇ・・・」
想像以上に高度なやり取りが出来る事に少し意外さを感じたシンは疑問の念を一旦置く形をとった。
「だが、こちらには物々交換できる物は持っておらぬ。挨拶だけで済ますのだろう」
確かに今回持ってきた物資は飽く迄も近くで野営するかもしれないという事で持ってきただけの物だった。だからここで挨拶を軽く交わして早々にその場を退散する事にしたのだ。もしこのまま残ればただでさえ山の天気が変わりやすいと言うのに過酷な状況に野宿という形身を置く事になり兼ねない。
そうなれば最悪の場合、気温が低い中での遭難という事になる。
これは避けたい事態だ。
だから挨拶だけに留める事にしたのだ。その事についてはナマハゲ側も理解していた。
「どうやって対話を?」
確かに声や言葉によるコミュニケーションは無理なように見える。ならばどういった方法で対話するのか。その事を考えた時、その考えを汲み取ったかの様にカナラが答え始めた。
「確か手で・・・」
「手?」
手によるジェスチャーで対話が出来る。戦場のど真ん中に身を置いていた経験のあるシンは戦術的サインの様な物かと連想という形で考えた時、ナマハゲが去った先から気配を感じた。
「!」
それは再びやって来た。
ズン…
オオオオオ…
複数のナマハゲ達がやって来て戦闘にいた明らかに雰囲気が違うナマハゲがシン達の前に立った。
・・・・・
雰囲気の違うナマハゲの傍らには最初に遭った子供のナマハゲがいた。
「・・・・・」
シンがジッとその子供のナマハゲを見ているとカナラから耳打ち声で
「余り子供は見るな」
と注意を促された。その言葉にすぐに従い、視線を切って前に立っているナマハゲを見た。同時に耳打ち声でカナラに
「子連れはやはり危ないのか?」
と訊ねた。
確かに野生動物でも子連れは子供を守ろうとしてピリピリしている。こちらが手を出すはおろか、近づく様なものでもあれば容赦なく子供を守るべくして襲ってくる。それと同じ様な物だと考えた。
だがシンの考えは想像以上の物だった。
「ああ、最早禁忌と言っても良い程だ」
何をする事によって等、最早愚問。手を出す事どころか視線を子供の方に向ける事すらも危うい。だから変な行動や挙動はせずに大人しくしているに限る。
ここまでは十分に理解できる。だから行動も示している。
だが気になっていた事があるからシンは質問をした。
「逸脱の民の子供には手を出すなと言うのは聞いた事はあるが、手を出した時一体どうなるんだ?」
今までの情報からして逸脱の民はこちら側、人類の事は警戒すべき何かと捉えている。その警戒すべきと言うのは恐らく人類側から何か攻撃するような真似をする、例えば狩ってしまうと言った真似をする。
それは故意なのかそうでないのかも別としてそうなった場合どうなるのか純粋に気になった。
カナラはシンの問いにすぐさまにそして想像以上の答えが出てくると思わなった。
「町や国が亡びる」
バキッ!
「ガハ・・・ッ!」
強い殴打音と共に受けたと同時に出る苦痛の声が部屋の中で響かせた。
ふ~っ…ふ~っ…
「この大馬鹿者があっ!」
厳格そうな顔つきが鬼の様な形相になり、顔を真っ赤にして、息づかいが荒かった貴族の男。それは自分がどれだけ憤っているかを物語っていた。
そんな様子の貴族の男に対して貴族の男の息子は即座に起き上がって自分がした事についての言い訳・・・本人にしてみれば弁明をした。
「ち、父上!ドラゴンの素材についてどこから手に入れて事に対する虚偽には、私の非です・・・。ですが!このような仕打ちを受ける様な事ではございませぬか!」
その言葉を聞いた貴族の男は愕然とした様な心境になり、すぐに憤怒の怒声を上げた。
「お前は・・・お前は何も分かっていないっ!」
城壁都市外の行列の後方の森にて。天気は少し曇っていた。
最初に気が付いたのは目の良い冒険者だった。
「・・・!?」
「どうした?」
何か様子がおかしい事に気が付いた他の冒険者が訊ねた。
すると目の良い冒険者は指を震わせて森の方へと指し示した。
「あれ・・・」
指した先を見た他の冒険者は刺した方向へと視線を向ける。
「あ・・・?」
パッと見ただけでは何を指していたのかについて分からなかった。だが日の光が一瞬差し掛かった時、森の中で瞬間的に一気にキラリと星の様なものが光った。
その光一体何なのかがすぐに分かった瞬間
「あ・・・」
と声を漏らした。
ギラッ…
光の正体は巨大な爬虫類の目、それも無数にあった。
今後の予定についてなのですが、一先ず、今月の投稿話はここまでにします。
理由として挙げられるのは
・自分の身の回りが中々落ち着かない
・思う様に文章が書けない状況が続いている
・仕事が12月以降から一気に忙しくなるから
・見直す暇がない
・自分の休息、休暇が取れていない
・これらの事柄によって話の質自体が低下している
etc…
と、キリがない位にあります。
こうした理由の為、申し訳ございませんが、投稿頻度がガッツリと減ります。
恐らくですが来月の12月の投稿話も恐らくですが3話程度しか投稿が出来ないかもしれません。
もしそうなった場合は楽しみにされている方々には申し訳ございませんがどうか気長に待って下さる事をどうかお願い申し上げます。
また、見直す機会が思う様に取れておりません故、気になる点や直してほしい点、何がダメなのかと言う点、些細な事でもよろしいですのでご一報いただけますと幸いです。
少し長々となりましたが今後とも「アンノウン ~その者、大いなる旅人~」をよろしくお願いいたします。
本当に申し話ありません!