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アンノウン ~その者、大いなる旅人~  作者: 折田要
旅の準備
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22.魔力交渉

投稿者様のご指摘により、魔力量の数値に誤りがございました。ご迷惑をかけてしまい申し訳ありませんでした。修正をしましたので数値は正常になっています。

 気が付いたら夕方だった。周りを見るとすっかり真っ赤に染め上がっていた。昼食は手づかみで食べるサンドイッチ等を食べ、1時間後に再開した。


「もうこんな時間カ・・・」


「む、さすがに腹が減ったぞ」


 皆はヘトヘトでナーモとシーナ、エリーは座り込み、ニックは地面にダイブする様に倒れ込んでいた。ククとココはヘトヘトではあったが座り込んだり、倒れこんだりはしなかった。


(結構きつい訓練だったのまだ元気があるな・・・。エリー達もククとココを見習ってほしいな)


 そんな事を思いながら車の中に入り、夕食の用意をする。


「我はピザを所望する」


 ちゃっかり注文するギア。


「はいはイ」


 分かってますよと言わんばかりの相槌を打つ。

 シンは取り敢えず「マリナーラ」という種類のピザ4枚を購入した。朝食の様子を見てギアは4枚でなければ満足しないのだ。因みにギアの昼食はマルゲリータを4枚だった。「マリナーラ」とはイタリア語で「船乗り」を意味する名前のピザ。真のナポリピッツァはマリナーラとマルゲリータしかないと言われるほどの有名なピザ。トマト、オリーブオイル、オレガノ、ニンニク、塩のみで他のピザに比べ軽く、食欲がないときでも食べられる。


「む?同じ種類を4枚にしたのか?」


「ああ、それがどうかしたのカ?」


「同じのではなくそれぞれ違う種類のが良かったのだが・・・」


 子供の様に不満を口にするギア。シンは少し呆れて諭すように言った。


「それをしたら楽しみが無くなるだロ?」


「むぅ・・・」


 少し残念そうに唸る。だが、次はどんな種類のピザが出てくるのか、という楽しみがある。そうポジティブに考え、次に期待した。


「まぁ、それもまた一つの楽しみだろう。分かった、期待してるぞ」


 シンは頷く。たださっきのやり取りで内心ギアに対するドラゴン像が少しずつ崩れていった。


「そう言えば、「ショップ」とやらは魔力を使うのか?」


「ああ、そうだガ・・・」


「ふむ、ならば魔力は自己回復するのか?」


「・・・」


 シンは答える気は無かった。矢鱈無闇に自分の事を言いふらせば後々不利になる可能性があるからだ。だが、どう答えていいものか少し考えていたシン。それに対してギアはそれを察してなのか続いて話す。


「我らは魔力は自己回復することができるのだが、其方魔力を奪うスキルか魔法があるだろう?なら、自己回復するかどうかについて知りたくてな」


 シンは身体を損傷すれば自己回復する事は出来ても魔力は出来ない。ギアの言う通り魔力を何かから補給しなければならなかった。

 少なくとも半ば的をつかれたような答えがギアの口から出たため少し諦めて肯定に近い返事をする。


「・・・もし、そうだと言ったラ?」


「我の魔力の10分の1を其方に授けようかと思うてな」


 ギアに総魔力の10分の1。以前手に入れた量は8000万。これが半分という事はギアの総魔力量は1億6000万。その総魔力量の10分の1は1600万をシンは得ようとしているという事になる。「ショップ」でチ○ルチョコは1個に付き魔力10だ。つまり、日本円とほぼ同じ値段という事になる。

 そこまで考えが及んだシンは何か違う事を考えこみ少しの間だけ無言になる。


「・・・・・」




 シンは悪魔のような閃きが起きた。

 まずシンは「バレてしまったか」と言わんばかりの溜息をつく。


「ギア、確かに俺は魔力を奪う事で魔力を手に入れる事ができル」


 ギアはやはりという顔つきになる。


「ピザは魔力と交換で手に入るが、魔力の補給に困っていタ。そこでギア、お前の魔力を分けてもらえないだろうか?」


「良かろう。どれ位だ?」


 シンはここで勝負と目が鋭く光った。


「毎日お前の魔力10分の1分けてもらいたイ」


「毎日?」


 ギアの目元が小さくひくついた。「毎日」と言う言葉に反応したからだ。それもそのはずだ。毎日10分の1とは言え莫大な量の魔力である。何故この位ほしいのかをシンに尋ねる。


「何故毎日なのだ?」


 ギロリと睨み付けるギア。答えによってはシンに対する信用はがた落ちして、良くてこの場から去る、悪ければシンを消すというような口調だった。


「お前、今日合計でピザ12枚も食っただロ?」


 朝、昼、そして晩に4枚ずつ。4mと巨大な体格のせいなのか、ただ単純に気に入ったからだけからかよく食べる。

 シンはギアに睨み返す。ギアはそんな事実にさっきの口調とは打って変わってドモる一歩手前の話し方だった。


「む、確かにそうだが・・・」


 そんな様子のギアにシンは大きくため息をつく。そして、ここで大きく攻勢にかけ畳み掛ける様に静かに言った。


「魔力の量が足りないんだヨ。まぁお前が毎食1枚でいいのなラ・・・」


「あい、分かった!毎日5分の1の魔力を其方に授けよう!」


 シンは少し面食らったような心境だった。シンがセリフを言い切る前に決定したように答えた事。また手に入る魔力の量が2倍になった事。この2つの事に対するものだった。


「・・・最後まで言ってないが、まぁいいヤ。じゃあ、決まりダ」


 こうしてギアの魔力5分の1、つまり3,200万の魔力ををシンに譲渡する事になった。シンはギアに対する見解が「子供っぽいドラゴン」から「ピザチョロゴン」に変わった瞬間だった。


「だがいいのカ?自己回復で追いつくのカ?」


「フッ、問題ない。ひと眠りするだけで全回復する。おそらくこの世界の者であればこれに当てはまるであろう」


 問題ないようだ。それどころかかなり重要な言葉がが出て来た。

 この世界の者であれば眠るするだけで魔力を全回復する。

 思わぬ収穫だった。

 これは今後、世界を渡り歩く事になった時に重要な情報になる。

 余程ピザが気に入ったのか話の折り合いに入れるだけでここまで譲歩するとは・・・。


 シンは心の中で悪魔のようなほくそ笑みを零していた。








 しかし、心の中で悪魔のようなほくそ笑みを零していたつもりが表に出ていたようだ。



 その証拠にエリーが少し怯えた表情になっていたが、シンはその事は知らなかった。

「8000万」の所から自分は「これがギアの魔力の最大値だろう」と謎の錯覚に陥っていました。


今後このような事が無い様にしますが、何分小説の様な文章を書くのは不慣れなものですので温かい目で見守っていただけると大変うれしいです。



こんな小説ですが今後ともよろしくお願いします。

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