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231.出しゃばる

明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。


ここで重要な活動報告で一つ。

昨年は作者にとって大きくマイナスとなる事が多くございました。また執筆活動の弊害となる事あったり、作者自身色々思う事があって一つ心機一転を狙って別の某有名な小説サイトにて「アンノウン ~その者、大いなる旅人~」を掲載する事に決めました。

多分金銭目的でなければ問題ないだろうと思いますが、サイトの名前を挙げるのは「小説家になろう」で規則としてとかマナーとしてどうなのか、といった事の理由で念の為に伏せておきます。


そちらの方でも「アンノウン ~その者、大いなる旅人~」をよろしくお願いいたします。

 同じく移動している最中のサトリと然る人物達のペアの馬車の中。

 ギルドで馬車の手配をしていると然る人物達が我々もその村に行きたいと言った。理由はその村からの依頼があり、是非自分達もその村まで向かいたいと言うものだった。

 サトリはその然る人物達と共に行く事になった。


「お前さんらがでっしゃばって来るという事は、事はかなり大きいという事だね?」


 腰に差していた刀を杖の様に持ち、御者役の人物と対面する人物に向けて訊ねていた。


「モミジさん、カエデさん」


 そう、その人物はギルドで獣使いとしていたモミジとあの本屋にいたあの女性、カエデだった。現在モミジは馬車を操縦して、カエデはサトリと対面する形で座っていた。モミジもカエデも出会った当時の格好とは違い、無骨な黒装束だった。まるで時代劇に登場する忍者そのものの格好だった。モミジもカエデもほとんど忍者、くノ一の様な格好だったが持っていた武器は違っていた。モミジは小刀2振りに対して、カエデは腰に複数の長い布の様な物を巻いていた。恐らくこれが武器なのだろう。


「説明位は出来るよね?」


 無論説明を求めるという理由での承諾だ。

 サトリから放つ言葉には気迫を持ち冷たい物を感じさせた。

 当然彼女達は説明するのだが、今のサトリの雰囲気に思わず口を噤んでしまい、背中には冷たい滝の様に流れる冷汗を掻いてしまっていた。

 そんな2人だが、モミジは息を整えて意を決する様に口を開いた。


「お前達が行く所はギュウキが目撃されたとされる場所だ」


「へぇ・・・」


 モミジがそう簡潔に説明するとサトリの笑顔が獰猛さが混じった。

 更に詳しい説明をする為にカエデが口を開いた。


「報告では目撃者はたった一人だけでギュウキがいたとされる痕跡はない。しかし要警戒である、と伺っています」


「たった一人か・・・。信用できるかどうかも分からない情報で良く動いたね?」


 呆れた時の溜息をつくサトリ。そんな呆れるサトリに更に詳しく説明を始めるカエデ。


「その目撃者は他所から、大陸から来た者だそうですが、ギュウキの事について知らないのに特徴があまりにもギュウキと酷似しておりましたので全く信用せず、座視するよりかは動いた方が良いと判断したとの事です」


 カエデの説明にモミジは補足の説明を入れる。


「それに身元もギルドで把握できた。マエナガ氏も実力も相当あると認めている」


 その事を聞いたサトリは小さな声で「へぇ」と呟くように声を漏らした。


「あのマエナガをねぇ・・・。その男の名前は?」


 この口振りからしてマエナガとは面識がある様だ。最後の言葉に妙に力を込めてそう尋ねるサトリ。

 そんな様子のサトリにモミジとカエデは少し意外そうな顔になった。


「あの馬車に乗っている男、シン」


 その答えを聞いたサトリは


「・・・初耳」


 半ば「嘘だろ!?」と言わんばかりの心境が声に籠っていた。そんなサトリにモミジとカエデはお互い顔を見合わせた。


「・・・聞いてないの?」


「ああ。自分の事は語りたがらなかったからね」


 恐る恐る訊ねるモミジの問いに頷きながら答えるサトリにカエデも質問を重ねた。


「ですが、王族なら何かしら知っている可能性も十分に・・・」


 重ねるカエデの質問に首を振横に振るサトリ。


「この国の冒険者ギルドと違って大陸側は信用できない部分が多いからなぁ~」


 サトリはそう言って頬を指でカリカリと掻いた。その答えに納得するモミジとカエデ。


「確かに力を持ったギルドが圧し寄せる様な形で国が認めて、あやふやな戸籍問題、自国の政治や軍との軋轢や確執、他のギルドや商家等へのいらぬ揉め事、依頼問題等々の総じて言われているのが・・・」


 カエデの言葉に合わせるかのように3人の声が同時に重なって


「「「『ギルドの好き放題』」」」


 これに尽きる、と言わんばかりの同じ答えを口にする。

 カエデはこの事について半ば呆れ気味に詳しく説明する。


「この国はギルドを受け入れる代わりに国からギルド長の指名や運営、国営干渉等々の条件を承諾する事でギルドを設置する事を許しましたからね」


 その詳しい説明に見た目通り、まだ若い故かそれとも修行を行っている身故か疑問を唱えるモミジ。


「だけどよく許したね。ギルド本部から・・・」


 モミジの問いに答えたのはサトリだった。


「この国の元々の生き物の脅威度が大陸と比にならない位に高い事から、渋々ながら承諾したらしい。こればかりは仕方がないからね」


「そうですね、中々に複雑ですからね」


 少し穏やかな口調でそう答えるサトリに同意するカエデ。

 だがカエデの言葉にサトリは低い口調で訊ねる。


「今回もそうだろう?」


「「え?」」


 モミジとカエデが同時に声を漏らした。


「わっしに声を掛けた時、何かおかしいと思ったんだ。お前さんらがいる所は顔見知りにバレるのは御法度ものだろ?」


 モミジとカエデが所属している組織は所謂「情報部」と呼ばれてもおかしくない所にいる。目標(ターゲット)を尾行している時、顔見知りに出会う事はなるべくなら避けるべき事だ。何故ならそれがきっかけでバレてしまう事が多いからだ。それ故に変装等をする必要がある。

 だが今回の尾行はかなり困難を極めるものだった。というのはシンの近くに顔見知りの人間が居たからだ。

 その上、ギルドの裏側でモミジとサトリが接触していた時でも任務の詳細は部会者であるサッとりに詳しく知らされていない。


「尾行がバレる危険性を冒してまでわっしに接触しようと図った。という事は今回の件と今までの不可解な件と絡んでいて、複雑なもの。顔見知りで自分達の事情を知っていて協力できそうなわっしに頼まなければならない程の件がこの先にある。どう?」


 尾行がバレてしまうかもしれないリスクを冒してまでするのは、今回の件は余りにも複雑で大きいものだから。だが、今掴んでいる情報や判断材料だけでは上の人間が動く事が出来ない。現場の人間だけで動くしかない。だが現場にはモミジとカエデだけしかない。人手不足で戦力不足だ。一先ずはシンの尾行を先に行う事を先にしたのだが、そこで思わぬ者がいた。

 サトリだ。

 サトリは自分達の組織についての事情を知っており、今回も事情さえ伝えれば組んでくれる。上手くいけば協力もしてくれる。

 そうした理由でサトリに接触を図った。

 事実であるから


「その通りです」


 すんなりと肯定するカエデ。


「流石ね・・・」


 モミジも一切の否定は無かった。

 答え合わせの様な会話を済ませた後、サトリは今回の件で協力する事を伝えようとした時、幌馬車の外に目を向けた。同時にカエデも幌馬車の外に向けた。


「そろそろ止めた方が良さそうですね」


 カエデがそう言った時、モミジだけがどういう事かが分からず


「え?」


 と疑問の声を発してしまう。


「モミジさん、あのスケベイタチは付いて来ているか?」


「「ジュウベエ」なら隠れながら走っているよ!」


 どことなくムッとした心境で答えるモミジ。モミジにとってジュウベエは家族の様な物であり、「スケベイタチ」と呼ばれるのが嫌だった。

 しかしスケベとまでいかなくとも、女好きである事は間違いようのない事実だが。

 ジュウベエは馬車から少し離れて物陰に隠れて走って追いかけてきていた。というのは万が一襲撃者がいた場合、不意を突く為に敢えて馬車には乗せずに走ってついてこさせていた。カマイタチは普段からすばしっこく、長い時間走る事が出来る。それこそ馬車の速度と同じ速さでもだ。

 ジュウベエがこの近くにいた事を確認したサトリはすぐに声を張った。


「分かった、ここで止まれ!」


 その声にモミジは思いきり手綱を引いた。


「っ!」


 グイッ!


 強く引いた事により馬は驚きすぐに止まった。


 ヒヒ―ンッ!


 思いにもよらない事が起きた事により驚いて鳴いてしまう馬達。

 丁度その時、馬車の周りには師父率いる弟子達5人が取り囲んでいた。当然手には武器を持っており、殺気だっていた。


「いつからこいつら・・・!?」


 気が付かなかったモミジは思わず声を出してしまう。そんな様子のモミジにカエデは呆れて


「鍛錬不足ですね、モミジ」


 と嘆きの言葉を吐いた。

 そんな楓にサトリは


「まぁまぁ、そう言わんと。モミジさんは獣使いだからね。気配を感じる訓練よりも獣との絆を深める方が重要だからな」


 とフォローを入れた。だがモミジは


「私の為の言い訳はいらない」


 と軽く切り捨てる様に吐き捨てた。


「あれ?・・・まぁ、いいか。多分、この先の村の事について知られたくないから待ち伏せていたんだろう」


 首を傾げつつ、この先の村の事を考察するサトリにモミジはバッと未知の先を見る。


「!じゃあこの先で・・・!」


「そう言う事になりますね」


 待ち伏せていた連中の事を考えればこの先の村でサトリに達に知られては困るものがあるという事になる。

 相手は5人で各々が武装している。腰には刀、棍、槍と言った物を持っていれば、持たずに素手で戦おうとする者もいた。

 そんな様子の彼らにサトリは腰に差し直した。


「シンさん以外に手ごたえのある者と手合わせる事が出来るのか・・・」


 サトリはそう言って獰猛な笑顔になる。

 そして腰に差した刀に手を掛けて鯉口を切った。


 カッ

今年で5年目に突入しました。

本年度は投稿頻度を増やそうと息巻いていましたが、仕事や健康上(最重要)の理由等で時間的に難しい事に先程気が付きました。

という事ですので状況的に健康第一で完走目的で続けて執筆活動に励んでいきます!可能なら投稿頻度を増やせそうなら増やそうと考えています。

これが本年度の目標に頑張っていきます!


執筆活動と仕事の面で重要な事を先程気が付くアホな作者が執筆する「アンノウン ~その者、大いなる旅人~」ですが、本年度もよろしくお願いいたします。
















仕事・・・


投稿・・・


休み・・・




時間・・・

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