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158.打ち明ける

今回は少し長いです。

~追記~

サブタイトルと本文を修正しました。

途中の話が何かおかしな内容であったり、どういう訳か文章が抜けていましたので修正しました。


~またまた追記~

改めてもう一度読み返した所、何かコレジャナイ感と書いたものと違う感が生まれましてどうしようかと熟考を重ねるに重ねて、出した答えが思いきり修正兼変更を致しました。

もう既にお読みになられた方々には本当に、誠に申し訳ありませんでした。

差し支えなければもう既にお読みになられた方々も、もう一度お読みに下さい。

 その部屋は20~30人くらいなら何の問題もなく入れる位の広さがあり、真ん中に横に長く白いテーブルクロスが敷かれた巨大な食卓があった。その上には豪華な料理があった。

 均等に切り分けられた大きなバケットの様なパン。

 野菜独特の甘い香りがするボルシチの様に赤いポタージュスープ。

 何かの香辛料と岩塩の様な大粒の塩の小皿にフレッシュな葉物野菜のサラダ。恐らく小皿にある塩を振って食べるのだろう。

 赤い花の形に切り揃えられたスモークサーモン風の生魚の刺身のカルパッチョ。

 メインディッシュは飾りつけのトマトの様な果実野菜とレタスの様な葉物野菜を絨毯の様に敷いて恐らく牛肉であろう大きなローストビーフが乗せられていた。近くには切り分けて食べられるように大きめのナイフとフォークがある。

 そのローストビーフ用なのか青磁器の様な壺に入った白くて香ばしい香りのするソース。

 そして最後にラム酒の様な甘くも芳醇な香りがするナッツとドライフルーツが乗った大きなチーズケーキのような洋菓子風のデザート。

 こうしたメニューを見て流石王族だと思ってしまう程にかなり豪勢な食事だった。


 カチャカチャ…


 金属や陶器の様な硬い物がお互いかち合っている音がした。この音は食事の時であれば聞き覚えのある音だ。今食べている物を切り分けたり、フォークで抄ったり刺したりした時に聞こえるあの音だ。

 そんな音がして豪華な食事よりも先に食事をとっていた2人の人間の存在に気が付いたシンは思わず


「あっ」


 と声を上げた。

 その声に気が付いた2人の内の一人がシンの存在に気が付いた。


「ん?ああ、シンか。先に頂いているぞ」


 サクラとレーデだった。どうやら先にこの部屋に来ており、食事をとっていた。

 サクラがシンに声を掛けている時、シンの目にはレーデが映っていた。この時シンの目はギョッとしたように大きく見開いていた。


「・・・・・」


 その事に気が付いていたのかレーデは動かしていたナイフとフォークを止めてシンの方へジッと見ていた。お互い見ている形になれ当然目が合う。レーデは何を思っているのか唯々無言でシンを見ており、シンはギョッとした目から徐々に細くなる。

 その時、サクラは何かあったのかと思い


「どうした?」


 と声を掛ける。シンはその事に気が付きサクラの方へ向き首を横に振る。


「いや、何でもない。それよりもいつ来たんだ?」


 サクラは疑問を持ちながらもシンの疑問に答える。


「少し前位だ。前菜は既に頂いたぞ」


 そう答えてシンの顔をジッと観察する様に眺めた。シンの顔は普段の様にポーカーフェイスではあったが、何か言い辛そうで何か迷っている様な顔に見えた。

 そんな顔をしているシンは豪勢な食事風景に目を向ける。


「そうか。随分と豪華なメニューだな」


 シンをジッと観察をしながらサクラは答える。


「ここは貴賓室だ。普段は王族が食事の時に利用しているが貴賓が来た場合はこうしてかなり豪華で多くなる事が多い」


「俺は貴賓扱いという事か?」


「そう捉えてもいいだろうな」


 普段の様に話しているシンだが、サクラの耳で聞く限りでは僅かではあるがどことなくぎこちなさが窺えた。


「・・・・・」


 流石にシンがここまで様子がおかしければサクラの訝しみがより増していく。だからサクラはシンの方をジッと見ていた。シンもその事に気が付いて尋ねる。


「どうかしたのか?」


 シンの小さなものだがどことなく慎重な口調からサクラは何かあると思ったサクラはシンに訊ねる。


「シン、お前何かワタシに何か言いたい事があるんじゃないのか?」


 神妙な口調で訊ねるサクラ。


「・・・いや、ない」


 シンは横に首を振った。それに対してサクラは視線をレーデの方へ向けて訊ねる。


「なら、レーデに何か言いたい事があるのか?」


「!」


 ギョッとしたシンは目を大きくして不意にレーデの方へ見る。レーデは未だにシンの方をジッと見ていた。

 シンの様子にやはりレーデに言いたい事があるのかと考えたサクラは静かに語る様に言う。


「その様子だと何か言いたい事があるようだな・・・」


「・・・・・」


 シンは沈黙で答える。

 さっきの沈黙はサクラから問い詰めれてどう答えたらいいのかという迷いとレーデに本当の事を話すべきかどうかの迷いの沈黙だった。

 いつかは言わなければならないだろう事だとは思っていたが、まさか今この場とは思わなかった。ここでマーディス・・・の姿をしたフェイセンが何を思い、何を考えて自分を助けたのか。


「・・・・・」


 今度はサクラの方へ見るシン。サクラは何をどうもする事も無く唯々ジッとシンを見ていた。

 シンはサクラを見たのは何気なくではなかった。フェイセンが庇った理由の内の一つがサクラも大きく関わっていたからだ。もし語ればサクラとレーデの間に大きな亀裂が生じてしまうかもしれない。だからこの事をサクラの前で話していいのか、と躊躇が生じる。

 だが、ここで何も言わないでいるのはレーデは決して納得しない。

 シンは静かに目を閉じて考え込む様に数秒程無言になった。


「・・・・・」


 もう一度目を開いてレーデの顔を見た。

 シンがこの部屋に入ってきた時、レーデの目を見た時自分の仲の奥の何かを見透かされる様なものを感じ取った。

 この事から今目の前にいるのは確かに幼いが王族であると改めて思い知らされる。そしてサクラも王族だ。

 ここで何も言わないのははっきり言えば悪手だろう。もし何も言わなければ「お前達には関係ない、引っ込んでいろ」と言っている事と同じ事だろう。下手をすれば大きな蟠りとなって大きな溝を開く可能性があった。

 マーディスの姿に扮したフェイセンが自分に何を託して身を挺して守ろうとしたのか。

 王族で当事者の2人には知る権利はある。

 食器や料理が自分の方へ投げつけられるかもしれない。酷ければ殺されるような事になるかもしれない。

 だが自分は兎も角、サクラにはそんな目には合わないたくない。

 だから、何かあれば自分がしっかり守る。

 そう覚悟を決めたシンにサクラはレーデだけ何か言いたいのかと考え口を開いた。


「・・・ワタシは外した方が良いか?」


 サクラがそう尋ねるとシンは徐に首を横に振った。


「いや、サクラも聞いてほしい事でもあるんだ」


「ワタシ()?」


 シンは頷いた。


「2人とも俺の近くまで来て欲しい」


「・・・分かった」


 サクラとレーデは静かに頷いて席を外してシンと向き合う形で立った。

 2人がそうした時、シンはレーデの手前でそっとしゃがんで改めて向き合う。


「・・・サクラを守る為に俺を助けたんだ」


 その言葉を聞いたレーデは目を大きくしてシンにオウム返しに訊ねる。


「サクラ姉様を・・・?」


 シンは軽く頷いて続けた。サクラはシンの言葉を聞いた時、悲しそうでどことなく悔しそうに眉間に皺を寄せて目を細めて視線を逸す。

 シンはレーデに続けて話す。


「あの時、確実にサクラを助ける人間は俺しかいなかったんだ。その事を真っ先に察知していたマーディスさん・・・君のお父様が俺を庇う様にして助けてくれたんだ」


「・・・・・」


 シンのその言葉にレーデは目を細めて黙って聞いていた。シンは眉間に皺を寄せて強く目を閉じてレーデに軽く頭を下げて謝罪する。


「ゴメン・・・俺が油断していたせいでマーディスさんを助けられなくて・・・」


「・・・・・」


 シンの言葉を聞いたレーデはどうすれば良いのか分からず、無言になっていた。

 そんなレーデにサクラは声を掛けた。


「・・・レーデ、ワタシからも謝罪をさせてくれ」


 その言葉に気が付いたレーデは後ろを向く。


「サクラ姉様?」


 ポツリと呟く様に訊ねるレーデ。レーデの疑問の間にサクラはしゃがんで話を続ける。


「ワタシもあの時、敵が予想もしなかった事をしてきた事に不覚を取られて敵に掴まってしまった。結果から言えばワタシが叔父上の命を落とすきっかけを作ったのだ。本当に悪いのはワタシだ。取り返しのつかない事をしてしまった。レーデ、すまなかった」


 サクラは目を閉じて軽く頭を下げて謝罪する。そんなシンとサクラにレーデは戸惑い始め、二歩程後ずさりをした。


「・・・・・」


 父、マーディスを失った事に対する思い、そうしなければサクラを助けられなかった事、助けた事に対する感謝の思いがレーデの頭の中で渦巻いていた。


「・・・・・」


 未だに眉間に皺を寄せて目を閉じたままのシン。

 実際、サクラを助ける為にシンを庇う様にして守った。だから、大元の原因はサクラかもしれない。その事実を仲の良いレーデとサクラに伝えていいのかどうかを迷っていた。だが、シンはここで何も言わずに蟠りを作るよりもここではっきりとさせたほうがいいと覚悟を決めて打ち明けた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


 失った命を取り戻す事は出来ない。だから2人は取り返しのつかない事をしたのは間違いなかった。けれどもその元凶はこの2人ではなく、クレイギンという男だ。シンとサクラは巻き込まれただけに過ぎなかった。

 レーデはそんな事を考えながら2人の様子を眺めていた。

 重い沈黙の中で心の整理をして考えた末にレーデはシンとサクラに答えを出した。


「シン」


 レーデから自分の名前を言われた時、僅かではあるが体をビクッと震わせたシンは恐る恐ると言わんばかりに徐に顔を上げる。

 するとシンの顔を確認したレーデはスッと食卓の椅子の方へ指を指した。


「座って」


「・・・え?」


 何故レーデが自分に席に座る様に言ったのか分からなかったシンは思わず聞き返す。

 それに対してレーデは眉間に皺を寄せて口調を強くしてシンに命令する様にきつく言った。


「いいから座って、早く・・・!」


「わ、分かった・・・」


 よく分からないままではあるが、レーデに対して謝罪の気持ちでいっぱいだった。だから、レーデの言われるがままにシンは指さした方の席に座った。


「サクラ姉様も座って下さい」


「・・・分かった」


 サクラに対しては穏やかな口調だった。サクラも自分が座っていた席に座った。

 この様子から自分に対して当たりがきついように感じたシンは、ああ、やはり許してもらえない、と考えて、食器か料理か何か投げつけられるのだろうと覚悟を決めた。

 レーデはトコトコとシンの対面側の席に行ってローストビーフ用のナイフを手に取った。


「・・・!」


 シンはそのナイフで自分に投げつけられると考え、覚悟を決めて目を閉じた。


 カチャカチャ…


 金属や陶器の様な硬い物がお互いかち合っている音がした。今食べている物を切り分けたり、フォークで抄ったり刺したりした時に聞こえるあの音だ。食事の時であれば聞き覚えのある音だ。

 その音を聞いたシンは徐に瞼を開ける。


「・・・・・・・・?」


 シンの目の前の席には誰もいなかった。

 確かにレーデはその席に行ってナイフを手に取ったはずだ。

 しかもよく見ればローストビーフ用のナイフは元の位置に置いてあった。

 レーデはどこに?、とシンはそう疑問を持とうとした時だった。


「シン・・・」


 レーデの声と共に座っている席の隣から気配を感じた。


「・・・!」


 声がする方へ向くと、そこには切り分けられたローストビーフが乗った皿を持ったレーデがいた。そしてレーデの口から思わぬ言葉が投げかけられた。


「・・・ありがとう」


 その言葉にシンは思わず


「え?」


 と聞き返して体が固まってしまった。

 数秒程経っても動かないシンにレーデはより強い口調で皿を取る様に言った。


「いいから取って。疲れるから」


「あ、ああ。ゴメンゴメン・・・」


 シンは謝って受け取った。

 受け取った瞬間、レーデはすぐにテーブルの上にあるデザートを切り取って皿に乗せてサクラの元まで行った。


(・・・・・)


 シンは疑問に思いながらレーデを見ているとサクラに向かってレーデが口を開いた。


「サクラ姉様も、ありがとうございました。それからサクラ姉様は悪くありません」


「レーデ・・・」


 サクラとレーデのやり取りを見たシンは目を大きくした。


「・・・・・」


 シンはどことなく安堵した様な穏やかな顔になり、テーブルの上に皿を乗せて手を合わせた。


「いただきます」


~更に追記~

最近気温と体力仕事のせいで頭がボーとして、何かおかしな事になってしまっていました。

もう既にお読みになられた方々には申し訳ありませんでした。

もし、何かおかしな事がございましたら連絡ください。


~これで最後である事を願っての追記~

おかしな所がないかとビクビクしながら修正兼変更を致しました。もし、また何かおかしな事やこの話としてはどうなのかと疑問をお持ちになられましたらご連絡下さい。

腑に落ちる場合でしたらすぐに対処いたします。

本当に申し訳ありませんでした。

こんなしっちゃかめっちゃかな事をしでかしましたおバカな私ですが今後とも「アンノウン ~その者、大いなる旅人~」どうぞ宜しくお願い致します。

本当にすみませんでした!

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