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中編


二日後、王様は狩りをするため、森へ出かけました。

お供に六人の兵士と、十一人の召使いを連れています。

馬にまたがった王様は、矢筒を下げ、腰には剣を刺し、絵画のように雄々しい姿をしていました。


森は木々が茂り、鬱蒼としています。

深緑の枝葉は重なり合い、風が揺れるたびにざわざわと唸るように揺れました。


薄暗い森は、いかにも獲物が潜んでいそうです。

王様は大きな鹿が飛び出してくるところを想像し、満足げに微笑みました。


角笛の音が響き渡ります。

狩りが始まったのです。


王様は家来たちに残るよう言い渡し、一人、森へと馬をとばしました。



馬の蹄が草花を蹴散らし、木々の間を縫うようにして走ります。

枝に止まっていた小鳥たちは羽音をあげ、方々へ飛んでいきました。

うさぎは地面へ、りすの親子は木のうろへ、慌てて姿を隠しました。


馬にまたがった王様は、素早く視線をめぐらせながら、辺りに注意を配ります。

しばらく進むうち、うまい具合に目当てのものを見つけました。


「鹿だ! 進め!」

視界の端に消えて行く茶色い毛皮を見つめ、手綱を操ります。いななきと蹄の音が、いやに響き渡り、馬は疾風のごとく木立の間を駆け抜けました。



幾つもの緑が、流れる絵の具のようになって視界を通り過ぎて行きます。

その中でただ一点、茶色い背中だけがはっきりと形を保っていました。


止むことのない蹄の音。

顔を流れる汗に、吹き付ける向かい風。

手綱を握る手は放すこともできず、ただじっとりと汗ばんでいきます。


あと少し。

あと少しだ。

そのうちきっと、鹿も疲れて――



「あっ」


茶色い毛皮が、一瞬にして消えました。

鹿が茂みに飛び込んだのです。


茂みは深く、馬ではとてもは入れません。

馬は困ったように立ち止まります。

一瞬、向こうの木立に茶色が見えました。王様は慌てて馬から降りましたが、間にあいません。

鹿は振り返ることもなく、素早く森の奥へ消えてしまいました。





もうあの鹿を見つけることは難しいでしょう。

王様はいまいましそうに息をつきました。

これ以上深入りしてもしょうがありません。仕方なく帰ろうと振り返り、そこではたと気づきました。


道が分からないのです。


「くそっ!」


こんなことなら側近の一人でもつけておけば良かった。

そう思うものの後の祭りです。

その上、怒りに歪んだ顔には、ぽつりと水滴が落ちてきました。

雨です。


王様はいよいよ腹が立ってきましたが、それよりもどっと疲れが押し寄せてきました。

必死で馬を走らせていたせいでしょうか。

それとも、単に怒るのが嫌になってしまったのでしょうか。

どちらにせよ、雨の中を歩いてもいいことはありません。


王様は馬をつないだまま木陰に座りこみ、ゆっくりとため息をつきました。


しとしと。

雨は森の色に染まりながら、木立に降り注ぎます。

小鳥たちは羽を休め、森は今、静かです。


ぽつり、ぽつり。

深緑の葉に落ちた雨粒が、葉の筋を伝って、零れていきました。


がさり。

茂みを掻き分け、突然無精(ぶしょう)ひげの男が現れました。

「おや、あんたは誰だい?」

その後から、もう一人、背の曲がった禿げた男が続きます。

「道に迷ったんだろ。なあ旦那?」


王様は驚いて目を見張りました。

「お前達こそ誰だ」


無精ひげが笑みを浮かべました。

「怪しいもんじゃねえですよ。そこの村のもんでさ」

禿げ頭が続けます。

「隣町へ行く途中だったんだ。大雨のせいで立ち往生さ」


こんな口の利き方をしてくる者は初めてです。王様は驚きましたが、不思議と怒る気分にはなれませんでした。

二人の村人は貧相ななりをしていて、背中に大荷物を背負っています。その上森を通ったせいか、靴や服の裾に、泥がこびりついていました。

王様はこの汚らしい男達を眺めると、静かに口を開きました。


「確かに酷い雨だが、ここなら防げる。お前達も来るか?」

そう言ってから、密かに自分で驚きました。普段なら、こんな無礼者は切り殺してやるところです。なぜそんなことを言ったのかも分かりませんでしたが、今はただ、彼らの答えだけが気になっていました。


「いいんですか?旦那」

無精ひげが喜んで声をあげます。

「いい場所を見つけたなあと、思ってたんです。それじゃちょっくら、お邪魔して」

そう言いながら、よいしょと荷物を降ろします。

禿げ頭もお礼を言い、荷物を降ろすと一つ伸びをしました。

二人はそろって木の下に腰かけ、ふうっとため息をつきます。


王様は黙って、降り続く雨を眺めていました。

「そういや旦那、旦那もどこかへ行く途中で?」

声のする方を眺めますと、二人は人好きのする笑みを浮かべ、こちらを見ています。

「いいや、ただ迷っただけだ。お前達はなぜ隣町へ?」

その言葉に無精ひげが笑います。

「俺達は粉ひきでして、隣国の市場に商品を持ってくところだったんですよ」

そう言って王様を興味深そうに眺めました。

「ずいぶん綺麗なお召し物ですね。貴族の方ですかい? いやあ、こんな色の服、初めて見ましたよ。帰ったらかみさんに自慢しないと」

その向こうから、禿げ頭も頷きます。

「まったくだ。お前のかみさん、きっと羨ましがるぞ」


しとしとと雨が降り続いています。

王様は静かに男を見ました。

「お前には妻がいるのか?」

「ええ、いますよ。ありゃあ、いい女です」

無精ひげが答えると、禿げ頭が笑いました。

「そうだお前、あいつから昼飯預かってるだろ。旦那に分けてやったらどうだ」

「そいつはいい。――だけど旦那、庶民の食い物なんてお口に合いますかね?」

突然の申し出に王様は面食らいましたが、それでもどうにか頷きました。

「私も昼食は置いてきてしまったんだ。腹ごしらえになるなら、なんでもいい」


そこで無精ひげは、いくつかある荷物の中から、小さな包みを取り出しました。

布で出来た包みは丁寧に結ばれていて、無精ひげはそれを、器用に解いていきます。

中から出て来たのは、小さな箱と、三つのパンでした。

「ちょうど三つか。分けたら一個ずつ……腹が減っちまいそうだが、まあいいや」

見かけは汚らしい男ですが、どうやら心は綺麗な者だと、王様にも分かりました。

奥に座っていた禿げ頭も笑います。

「心配するこたねぇ。俺の分も、ちょこっとしかねえが分けてやるよ。――大したもんじゃねえですけど、貴族様もお召しになります?」

「……ああ。頂こう」

王様は静かに、そう答えました。



それは、今まで味わったことのない不思議な時間でした。

しとしと雨の降る中、男達と王様はたわいない話をします。男達の意味のない会話に、王様がひとしきり相槌をうつだけです。

王様はふと、なぜ自分はこんな汚らしい男達と会話しているのかと不思議に思いましたが、彼らが笑顔で頷くたび、何かが得られたような気がしました。

それがもっと欲しくて、王様は一層、相手の話に耳を傾けるのです。


何のためにもならない、意味のない会話でした。

隣の百姓の家で子ヤギが生まれたとか、妻が髪をいじる癖があるだとか、噂話と同じです。けれど何人もの話を聞いて来た王様は、初めて続きが知りたいと思いました。



もらったパンは冷たく、挟まれていた山菜は苦くて味気のないものでした。

こんな貧相なものを、王様は食べたことがありません。

けれどそれは、男の話に出てくる、温かな手を持った妻がつくったものでした。

最近腰回りが太くなってきたその女は、髪を搔き上げるくせを防ぐため、バンダナを撒いて食事をつくるのです。唇をへの字に結び、必死に不恰好なパンをこねるのです。

彼女がつくったパンを食べるたび、王様の胸に、じわりと温かい何かが広がって行くようでした。

こんなにおいしいものを食べたのは、初めてでした。




「それであいつは言ったんですよ、馬も一緒に連れて行けって。でもうちの馬――カタバミって言うんですけど、そいつもう年なんですよね。長いこと働かせたし、今足をけがしちまって。たまには休ませてやってもいいかなって思って置いて来たんでさ」

無精ひげがへらりと笑います。

そんな笑い方をするものは城にはいませんでした。王様は頷きながら、いつしか作法も忘れ、パンを頬張っていました。その様子を見て、奥の禿げ頭が珍しそうな顔をします。

「旦那、そのパンが気に入ったんですかい?」

「ああ」

王様は何も考えず、ただ思ったままに答えました。

男達は顔を合わせると、笑みを浮かべました。

「貴族様に気に入られるとは――お前の奥さん、さすがだな」

「ああ。――旦那、今の言葉、妻に伝えておきますよ。……もし良かったら、次ここを通る時も持ってきますぜ。あいつきっと、大張り切りで新しいのを作るだろうから」

「そうだな」

パンを大切にちぎりながら、王様は答えました。

無精ひげは嬉しそうに頷いて、こちらを見上げます。

「次もここで会いますかね? ――ああ、でもこちらからお持ちした方がいいかもしれねえ――旦那、旦那はどこの貴族様で――」


その時です。

「陛下ぁー!」

数人の家来たちが、ぞろぞろとやって来るのが見えました。

一心に王様を呼び、木々の向こうから馬を走らせてきます。

王様はパンの最後の一切れを呑みこむと、静かに立ち上がりました。


男達は驚いたように王様を眺めます。

「陛下って……」

「旦那、国王陛下だったんですかい?」


「その通りだ」

当然のことに王様が答えると、二人の顔色が変わりました。

恐怖に染まったように真っ青になり、けれどすぐに真っ赤になりました。

その顔を、王様は知っていました。

虐げられ、怒りに燃える国民の顔です。


「何が陛下だ!」

禿げ頭が怒鳴りました。先程まで笑っていた無精ひげは、今や憎しみに顔をひきつらせています。

「いい恰好しやがって! 俺たちが貧乏してるのは、あんたのせいだ!」

やさしさの欠片も失せた目は、拒絶だけが滲んでいます。

「お前が重い税をかけたせいで、粉はとても売れやしない。だからこんな雨の中、森を抜けて隣の国へ行かなくちゃならないんだ!」

こんな言葉、何度だって聞いてきました。

城にいる時は窓の外から、あるいはお忍び中に目の前にやってきて、国民たちは口々に王様のことを罵りました。

彼らの言うことに嘘偽りはありませんでした。

王様は確かに彼らの生活をきちんと考えず、重い税を()いて、搾り取れるだけものを取り上げました。敵国から奪った領地は、特に厳しく管理しました。

彼らにはその義務があり、だからこそ自分が罵られるのは当たり前のことだと思っていました。

だからどんな悪口雑言を騒ぎ立てられようが、何とも思わなかったのです。

気にいらない奴は、敵味方関係ありません。

すべて殺せば静かになるのです。


けれど今、王様はひどく動揺していました。

禿げ頭も無精ひげも、繰り返し罵り続けます。

矢継ぎ早に浴びせられる言葉に、王様は頭が追い付きません。


「俺達を騙したんだな!」

「良い貴族だと思ったのによ!」

憎しみに染まった瞳から、王様はいつも目を逸らしてきました。けれどどういう訳か、今は目を離すことができないのです。彼らの恐ろしい目つきは、王様の心臓を燃やすようでした。

先程まで見ていた笑顔は、夢だったのかとさえ思えました。

王様は黙ったまま、彼らを見つめ返すことしかできません。

「何を黙ってるんだよ!」

「いつも俺達をこき使いやがって! お前なんかこっちから願い下げだ!」


馬の蹄の音が、不意に止みました。

「陛下、御無事ですか?」

言われてようやく、王様は家来たちがすぐ後ろに立っていることに気づきました。

それほどまでに、王様の頭の中はぐちゃぐちゃだったのです。

「陛下? この者達はなんですか?」

召使の一人が不思議そうに問います。

王様はその言葉で、ようやく我に返りました。

どうすれば良いか考え、やっと答えに辿り着きます。

「こいつらは私に無礼を働いた。罰を与える」

「……かしこまりました」

六人の兵士達が返事を返し、二人の男を取り囲みます。

男達の顔が恐怖に染まりました。


王様はなぜか、胸がつかえるような気がしましたが、それがなぜなのか分かりません。自分の言ったことが間違っているような気もしました。

けれど、考えようとした途端、無精ひげの声が、すべてをかき消しました。

「お前なんかに、パンを分けてやるんじゃなかった!」

優しさは嘘のように消え、その目には憎悪が燃えています。

いつも。いつも。いつも。

そんな瞳を見て来たのです。そうして殺してきたのです。

これは間違っていない。

引き裂かれるような胸の痛みに知らぬ振りをして、王様は命じました。

「殺せ」


禿げ頭と無精ひげは、悲鳴をあげることも許されませんでした。

六つの剣が抜き放たれ、音もなく閃きます。

二人はまるで嘘のように、あっけなく死んでしまいました。





その日の夕食は、ひどく味気ないものでした。


いつもと何かが違ったわけではありません。

城の料理人たちは腕によりをかけて、素晴らしい料理を作り上げました。

大広間のテーブルの上には、牛肉のソテー、色鮮やかなサラダ、ほかほかと湯気をあげるスープが並んでいます。

壁際には六人の兵士と十一人の召使たちが、テーブルを取り囲むようにして、一定の間隔で並んでいます。

王様は一番奥にあるたった一つの椅子に座り、好きなだけ食事を食べるのです。

けれどこの日は、少し手をつけただけで、すぐにフォークとナイフを置いてしまいました。

「もう良い、私は部屋へ戻る」


召使たちは動揺しましたが、すぐに姿勢を正し、並んで頭をさげました。

「かしこまりました、陛下」

王様はつまらなそうに彼らの前を通り過ぎます。

大広間を去ろうとした時、さわさわと空気が揺れるのが感じました。

家来たちが何か喋っているのです。

「陛下は機嫌が悪いな。好きに命令できるのに、良いご身分だ」

「今日も人を殺したな。気に食わなければすぐこれだ」

「これで何人目だ? まったく、次は俺達じゃなければいいけど」


王様はひどく腹が立ちました。

けれど彼らのいう通りに殺すのは、もっと腹が立ちます。それ以上に、殺しを命じる元気もなかったのです。

胸にはただ、激しい怒りと同時に、どうしようもない虚しさが満ちて行きました。

家来たちは、皆自分の思い通りに動きます。けれど誰一人として、王様を心から慕っている者はいないのです。王様は幾分前から、彼らによく思われていないと薄々感じ取っていました。今喋った者達だけでなく、城中の者達に嫌われているということを。そして今、ようやくそれを確信してしまったのです。


王様は部屋に戻りました。

出来ることなら、城中の者達を殺してしまいたいと思いました。

けれどそんなことをすれば、王様を支える人は誰もいなくなってしまいます。

すべてを破壊したい衝動を堪え、王様は暗い部屋の中、一人でベッドに座り込みました。


渦巻く激しい怒りの中で、ふと昼間の男達を思い出しました。

禿げ頭と無精ひげは、恐ろしい目をして王様を罵りました。けれど確かに、彼らは笑ってくれたのです。

彼らの名前を知らなかったと、王様は今頃になって思いました。

二人はもう死んでしまいました。

無精ひげの妻は、彼の帰りを待っているでしょう。

扉が開くのを待ちながら、今頃次のパンを作っているかもしれません。

自分の夫が切り捨てられ、森に打ち捨てられたとも知らずに。


王様は彼女の作った、パンの味を思い出しました。

あのパンは本当に、どんな料理よりもおいしかったのです。

かさかさしていましたが、一口ごとに胸にしみ、挟まれた苦い山菜は、噛みしめるごとに、深い味わいを残しました。

もうあんなにおいしい物には出会えないのだろう。

王様はそう確信し、どういう訳かそれが悲しくて苦しくて、泣きたい気分になりました。


「王様、どうしたのですか」

優しい声音が、王様の耳に届きました。

思わず振り返れば、開け放たれた窓の枠に、あの小鳥が留まっていました。

家来が窓を閉め忘れたのでしょうか。それとも王様が、無意識のうちに開けたのでしょうか。

窓の外は満点の星空が広がり、柔らかな風が吹き込んでいました。

王様は、ぽつりと零しました。

「眠れないのだ」

小鳥は窓枠から動きません。けれど静かに言いました。

「それでは私が、子守唄を歌って差し上げましょう」

王様は止めようとしましたが、それよりも前に、小鳥はさえずり始めました。

それは風のように、透き通る優しい声でした。



今宵も旅する渡り鳥が

青い森を駆けて行くよ

夜鳴きウグイスのさえずるままに

木々はまどろみ、花は眠る


おやすみなさい

おやすみなさい


一緒に寄り添い眠ったならば

夢の中でも会えるでしょう




今宵も旅する月の船が

銀の海を渡って行くよ

眠りの精の吐息のままに

水はたゆたい、船は揺れる


おやすみなさい

おやすみなさい


君が怖い夢を見るなら

傍で歌い続けましょう


涙に濡れた小さな頬を

朝日が見つけて撫でるまで




王様はベッドに座り、小鳥に背を向けたまま、黙ってそれを聞いていました。

暗い部屋の中、二つの瞳はまっすぐどこかを見つめています。

王様はこの歌が好きだと思いましたが、小鳥のことは大嫌いだと思いました。

酷い奴だとさえ、思いました。


その後ろで、小鳥は歌い続けます。

月の光を浴びて白く浮かび上がる小鳥を、暗闇の中の王様が見ることはありませんでした。


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