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殺人鬼J村くん。  作者: うずら
7/13

コンビニ。

 J村くんはフリーターです。

 コンビニでアルバイトをしています。

 勤続五年のベテランです。でもまだ店長ではありません。


          〇〇〇


 J村くんがコロッケを揚げていると、顔色の悪い女性がやってきました。

 女性は入り口から一直線にレジに向かってきます。

 タバコが欲しいのかもしれません。


「あの、愛は売っていますか?」

 

 形のないものでした。


「申し訳ありませんが、当店では愛は取り扱ってません」


「・・・・・・そうですか、残念です」


 うなだれる女性は今にもビルから飛んでしまいそうです。

 J村くんは慌ててアドバイスしました。


「で、でも教会ならあるかも」


「そうですね、行ってみます・・・・・・」


 そういう女性の背中は寂しそうでした。


          〇〇〇


 J村くんがどんよりしていると、生意気そうな小学生がやってきました。


「ねえ、これ両替して」


 そういって千円札を渡してきます。


「両替は受け付けてないんだ」


「ちょっとくらい良いだろ。お札じゃガチャポン回せないんだ」


「ゴメンね。店の規則だから」


 J村くんはルールに厳しい男です。

 小学生には悪いと思いつつも、毅然とした態度で断りました。

 決して店長が怖いからではありません。


「ちっ、使えねー店員だな」


 小学生は捨て台詞を残して去りました。


          〇〇〇


 J村くんがモヤモヤしていると、ピアスだらけのヤンキーが来ました。

 気だるそうに商品をカゴに突っ込み、レジへやってきます。


 ピッピッピッ・・・・・・


「合計で1706円になります」


 J村くんがレジ打ちを終えると、


「あ、肉まん忘れてた」


 ヤンキーが追加注文しました。


 ピッ


「はい、1814円になります」


 改めてJ村くんがお金を受け取ろうとすると、


「やっぱ肉まんいらねえや。かわりにおでん頂戴。大根とハンペンと竹輪麩ね」


 ヤンキーが注文を変えました。


 カタカタ


 ピッピッピッ


「・・・・・・2061円です」


          〇〇〇


 J村くんがムカムカしていると、挙動不審な怪しい男性がやってきました。

 頭には黒い目抜き帽を被り、手には小ぶりのナイフを握っています。


「おい、レジにある金を寄越せ!」


 コンビニ強盗でした。


「・・・・・・」


 J村くんの沈黙を怯えと勘違いしたのか、強盗は更に要求を増やします。


「ついでにお前の財布も渡せ! どうせ小銭ばかりだろうがな! ガッハッハ!」


 プッツン


 J村くんの中で何かが切れました。


「みんないい加減にしろぉおお! コンビニを何だと思ってるんだぁ!」


 チェーンソーを取りだし、強盗に襲い掛かりました。

 仏の顔も三度までです。

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