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project2
恐縮だ、
彼は呟いた。
涙を溜めながら、今は亡き僕を見つめた。
ただ、それだけの話だ。
闇に飲み込まれたこの世界、王の手中に引き込まれなかった者との、最期の会話だった。
彼がどうなったのか、僕は知らない。
ただ、知っていることは一つ。
僕は、亡き者になったということ
そして、王の監獄に囚われたこと。
僕の体は、もう冷たかった。
だからだろうか、異常に寒気がする。
馬鹿みたい、と僕は呟いた。
涙を溜めながら、恐縮だ、と呟いた奴の瞳を思い出す。
あれは、いったいだれだったけ。
僕の意識は、誰かの消ゴムできれいに消されてきた。
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「魔法のiらんど」