リーダーと問題
今はゴブリンのいる森へと向かっている。
森は歩いて半日という距離にあり森までは基本的には平原になっている。
今、神威とアイシャは平原を歩いていた。
「あぁー、森までが遠い!」
「何言ってるんですかまだ歩き出して数時間ですよ」
「もう歩き出して2時間半たってるよ」
「このくらいのことで騒いでたらこれからの移動が大変ですよ」
「そんなこと言ったって俺のいた世界だと数時間で大抵の場所に行けてたから」
「それは文化の違いです。この世界に来たからにはこの世界になれてください」
「はぁーい」
こんなことを話しながら2人は目的の森へと向かっていた。
しばらく歩いていると魔物の群れに遭遇した。
「アイシャあの魔物はなんて言う名前なんだ?」
「あれはハウンドウルフっていいます。個々ではあまり強くありませんが群れになるとスピードを生かした連携が厄介になります」
「んで今、目の前に50匹ぐらいのハウンドウルフがいるんだがこれはどう考えても異常だよな」
「そうですねあれほどの数を統率出来ているのなら何処かにあの群れのリーダーがいると思います」
「結構冷静だな」
「ドラゴンを一撃で倒すような人が目の前にいるのですからそれにハウンドウルフの数が多すぎてむしろ冷静になってます。普段の私なら気絶してもおかしくないですよ?」
「そ、そうか、じゃあ今からあれを倒そうと思うけど流石にあの数はきついかな」
「私のことなら気にしなくて良いですよ、自分の命ぐらい自分で守りますから」
「そうかわかった、それでも無理はするなよ危なくなったらすぐに助けるから」
「わかりました」
「じゃあいっちょやりますか」
そういい神威は2振りの刀を出しハウンドウルフの方へ向き直した。
その時の威圧はハウンドウルフ達の動きを阻害するには十分過ぎる程の威圧だった。
自分の威圧の事に気付いていない神威は、まともに動くことの出来ないハウンドウルフ容赦なく斬りかかった。
実戦自体はまだ2回目で隙の多い戦い方で相手の攻撃が当たる事が多くあるがそこは持ち前のステータスの高さでカバーでき無傷に等しいダメージであった。
(相変わらず凄い強さと威圧ですね、これじゃあどっちが襲ってどっちが襲われているかわからない状況ですね)
アイシャがそう思えるほどに一方的な戦いであった。
戦いは長く続いたものそれは数が多かっただけであり苦戦の無い戦いであった。
「お疲れアイシャそっちはどうだった」
「お疲れ様です、こっちには殆ど来ることはなく怪我も全くありません」
「まぁ、そうなるように頑張ったからな大きな怪我がなくて良かったよ」
「それにしても相変わらず凄いですね」
「そうか?相手の動きがそこまで早くなかったからかもしれないな」
「そりゃあ、あんな強い威圧を出していれば相手の動きも鈍りますよ」
「えっ、威圧?なんのことだ?」
「えっ、威圧っていつも出しているじゃないですか」
「いつも威圧を出しているつもりは無いのだけど」
「それじゃあ無意識に出しているってことですか?」
「多分そうゆうことだと思う」
「威圧関連のスキル何か持ってるのですか?」
「ええーと、竜の威圧ってのがあるよ」
「竜の威圧ってあの時手に入れたのですか?」
「あの後見たらあったから多分そうだ」
「それが原因だと思います」
「そうなのか?」
「はい、たまに魔物を倒した時に手に入るスキルが在るのですが急に手に入るので制御出来ないことが良くあるのですよ」
「それじゃあどうやって制御できるようになるんだ?」
「大抵の人はギルドに行って同じスキルを持っている人を探して制御法を教えてもらったりするのですがカムイさんの場合そう簡単に見つかるかも分かりませんし取り敢えずギルドに行ってみないと分かりませんね」
「じゃあゴブリンを討伐した後に探して見ようか」
「そうしましょう、それとハウンドウルフの事も伝えていた方が良いですね」
「そうだな」
「そういえば、ハウンドウルフのリーダーいませんでしたね」
「いや、居るにはいたけど結構遠くで見ていて途中でどっかに行ってしまったよ」
「そうなんですか?多分それはカムイさんの強さを見て逃げたんじゃないですか?」
「それなら結構知識があるって事だな」
「そうですね、次に会うことがあれば討伐したいですね」
「まぁ、このことも含めてギルドに報告しようか」
そう言い2人は歩き出した。
2人は、しばらく歩いてゴブリンを見つけすぐに討伐する事ができた。その帰る途中に夜になり1晩越そうとしてるところである。
「今日はここで野宿をしてから明日の昼頃に着くようにしましょう」
「そうだな」
「そういえば今更ですがドラゴンを倒した時何か手に入らなかったのですか?物によっては武器とかに加工できるので」
「それなら黒炎竜のたまごが手に入ったよ」
「たまごですか?」
「そうだよ、たまご」
「はぁー、カムイさんのことを聞くと疲れますね」
「ひどくない」
「竜のたまご自体が珍しいのにそれを手に入れたのですよ」
「どれくらい珍しいのだ?」
「ドラゴンが一生のうちにうむたまごは基本1つとされ、それに何百年も生きるドラゴンがいつうむかもわからいのですから尚更珍しいですよ」
「そうか、わかったよ後たまごがどれくらいで孵化するかわかるか?」
「何かしらの条件があるって聞いたことがありますが詳しくはギルドに帰って調べましょう」
「帰ったら面倒なことになりそうだな」
「そうですね、もうそろそろ寝ましょう明日も早いですよ」
「そうだな、おやすみ」
「はい、おやすみなさい」
そう言って2人は眠りに着いた。
朝になって2人はまた歩き出した帰りは何事もなく帰ることができた。
帰ってきた2人はギルドに向かった。




