表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神と人と竜と  作者: 赤竜帝
53/53

完成と出発

お久しぶりです……

 一ヶ月ほど経ち、神威達の元に魔法武術教育学校エザルファールドから手紙が届いた。


 内容としては、更に一ヶ月後、エザルファールドにて入学試験を行うという内容だ。しかしエメリッヒの方からエザルファールドの方に神威達の実力はどれ程のものなのかを伝えているため、あくまでも試験は学校側の教師が神威達の実力を実際に目で見るためである。

 つまり試験には既に受かっているようなものである。


 試験日まで一ヶ月あるのは準備とエザルファールドまでの移動時間を多めに見ての結果である。

 アルバスタムからエザルファールドまで決して近い距離ではない。アルバスタムは神威達がいる大陸、センタヴァンに対して極東の位置にある。

 それに対して法武術教育学校エザルファールドはどの国の者でも平等の距離にするため大陸のほぼ中央に位置するため、通常アルバスタムからエザルファールドまで馬を使いながら途中にあるいくつかの街などを経由しながら一週間以上かけて行く距離である。それを踏まえての一ヶ月の日数である。


 しかし神威達であれば空を飛ぶことが出来るため、馬よりも早く、かつ休憩も少ない回数でエザルファールドまで行くことができる。

 丁度武器の完成を待たなければならないため時間が無駄になることはないであろう。


 その他にも手紙にはエザルファールドの学校としての制度や、その近隣にあるギルド、ダンジョンの情報等が簡単に書かれていた。


 それらを見ながら神威はこの世界でまた学生生活をおくれる事を楽しみにしている。

 アイシャもこれから始まるであろう生活を想像しながら期待に胸を膨らましている。

 ナギアに関しては何が起きるのか全く分かってないが、それでも神威とアイシャの様子を見てこれから楽しいことが始まるのだと何となく予感はしている。


 更にそれから二週間程たち、ようやく武器が完成したとギルドに手紙が来ていた。

 神威は手紙を読むなり直ぐに鍛冶屋に向かった。


 待ちに待った新武器の完成。神威の足取りは自然と軽く、歩くペースも早くなっている。

 ナギアの小さな歩幅では歩くには追いつかず、かと言って走る程でもない。

 どうしようかと考えた結果、神威の背中に飛び乗り、運んでもらうことにした。


 突然背中にナギアが飛び乗ってきた為、驚きはしたものの特に問題はなく、体を揺らしナギアを背負いやすいように調節したあとまた歩き続けた。

 神威からすればナギア程度なら背負っていても全く負荷にはならない。ついでに言うとアイシャでも同じである。


 鍛冶屋にはあっという間に着いた。

 さっそく店の中に入ると珍しくムロ一人ではなく、カシムも受付に立っていた。


「来たか!カムイ!注文の品は出来てるぜ!俺の最高傑作、さっそく見てくれ!」


 カムイが早く新しい刀を見たかった様に、カシムよ自分の造った刀を早く見せたかったようだ。

 直ぐにカシムは刀を取り出し神威に見せた。


 刀は飾り気はなくシンプルなつくりになっており。材料となった鉱石の色と同じで真っ白な刀身、柄も同じように白く、黒の柄糸で巻かれている。

 装備や髪の色、目の色が黒い神威が持つとよく際立つ色である。

 刃渡りは、一メートル以上あり、切れ味を出すために刃は薄く、しかしながら神威の力に耐える為に最適な鉱石を選び、かなりの魔力が注がれている。

 元いた世界では造ることが出来ないような物でも、この世界だと造れてしまうのである。


 しかし重量はかなりのものとなっており、神威以外の者では武器として扱うどころが振り回すことすら困難になる重さになっている。


 裏の庭には鎧を着せたカカシがあり、普段はそこでカシムやムロ自身が造った武器を試し斬りをしているのだが、今回に限っては重さがかなりのものであり、まだこの刀で1度も試し斬りをしていないのである。


 さっそく神威は試し斬りを始めた。

 刀は鉄製の鎧ごと綺麗にカカシを斬り裂き、何度斬っても刃の部分が欠けたり潰れたりはせず、切れ味を保っている。

 次第に神威の手に馴染み、ただ斬るだけではなく。カカシが倒れないように真横に真っ二つにしたり。また鎧だけを刃先で切り落とすなど、精密な動きもできるようになってきた。


 その後も何本か試し斬りを繰り返し刀の性能を確認し、切れ味、頑丈さ共に神威は満足していた。

 それに、今まで使っていた二振りの刀には鞘が無かった為、使わない時はアイテムボックスの中に収納していたが、今回の刀には鞘がある。

 そしてこの鞘も刀身と同じように白く染められいる。


 さっそく納刀し腰にぶら下げてみたが、やはりこうして身に付けてみると見栄えも良くなりカッコイイものである。

 この状態のまま歩いたりしながら邪魔になったりしない場所を探しながら鞘の位置を調節している。


 そうしていると、ムロが庭にやって来た。


「楽しそうにしているとこ悪いが、ナギアが暇そうにしてしているからそろそろ終わらせたらどうじゃ?」


 気が付けば1時間近く時間が経っていた。

 流石にこれ以上待たせるのは申し訳ないと思い、試し斬りを終えた。

 最後に刀の手入れの仕方を一通り教わり、帰ることにした。


 時間にそこまで余裕がある訳でも無いため直ぐに宿屋に帰り、さっそくエザルファールドに向かうことにした。

 身支度は既に済ませており、嵩張るものはすべて神威のアイテムボックスに入れ出発した。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ