人気と魔力
お久りぶりです。
大きく生活する環境が変わった人もいると思いますが人生の中でのターニングポイントだと思い頑張ってください。私も今その状況なので……。
そんなことより、小説の方を(∩´。•ω•)⊃ドゾー
10日余りの日にちが経った。
神威たち3人はアギスからの指定されたクエスト以外は基本的に街の外に出ずに出来る簡単なクエストをして過ごしていた。
そして今は荷物運びのクエストを終えその報告をしにギルドに戻っているところである。
その帰りの途中にある商店街、そこは多くの冒険者が行き来するところでもあるため、屋台が多く並び年中お祭り騒ぎである。そこを通るたび神威はいつも何かしらの買い物をしている。
今日は神威のお気に入りの一つである、串焼きの屋台にやってきた。ここは様々な肉を扱っておりその日によって焼く肉の種類が変わり人気の屋台である。
「おっちゃん、今どれくらい焼けてる?」
「おおカムイか。そうだな鹿肉が10本、鳥と兎が5本ぐらいかな」
串焼き屋の店主に名前を覚えられるほど神威はここによくかよっている。
「それじゃあ焼けてる分全部ください」
そう言いながら必要分のお金を渡した。
「まいどあり!いつも大量購入ありがとな!」
「おっちゃんの焼き方がうまいからですよ」
神威の大量買いにも今更慣れてしまっている。
「それじゃあ、また来ますね」
「おう!気をつけてな!」
神威達は串焼きを食べながらギルドに向かっていった。
途中様々な人に声をかけられた。最近はこの街の中で出来るクエストばかりこなしているため自然とこの街の知り合いが増え、また神威の人柄のおかげか人気者となってきている。
ギルドに着き、クエストの終了を報告した。
そして今の時間帯は昼を少し過ぎた頃である。
「これからどうします?今日の分のクエストは終わりましたし。2人は何かしたい事あります?」
アイシャが2人に問いかけた。
「俺は特にやる事はないな」
「ナギアもないよ?」
「それでしたら、私の特訓を手伝ってくれませんか?」
「いいけど何をすればいい?」
「えっとですね、私ってカムイさんやナギちゃんと違って魔法を使えないじゃないですか。だからもし魔法を使う敵が出た時にどう対応しようかと思いまして、その対処法の特訓を手伝って欲しいのです」
「まじめだなー、まあそこがアイシャのいい所なんだけどな」
「ありがとうございます。それでは早速街の外に行きましょうか」
3人は街の外に向かっていった。
昼ご飯がまだだった3人はさっき買ったものを食べながら移動し、数十分後に街の外に出た。
「魔法の対処法と言ってもなにか案はあるのか?」
神威はとりあえずアイシャに聞いてみた。
「まだ特にはないですね。カムイさんだったらどう対処しますか?」
「俺か?そうだな……、ナギア少し遠くから俺に魔法を撃ってくれ」
「わかった!」
ナギアは神威から10メートルほど離れ炎の塊を放った。その炎はそこら辺の魔物なら一瞬で燃やせるほどの火力である。
神威はそれを普段使っている刀を取り出し、刀に魔力を纏わせ真っ二つに切り裂いた。二つに分かれた炎の塊は神威の横を通り過ぎ神威の少し後ろで地面とぶつかり爆ぜた。
「まあ、こんな感じに自分の武器に魔力を纏わせて魔法を切るって方法もある。魔力には魔力だな」
「なるほど、それなら私にも出来そうですね、私にも魔法を打ってください」
「それじゃあ、俺が魔法を打つよ、ナギアの炎だと失敗した時が危ないからな。水属性の魔法でいくよ、これだと失敗しても濡れるだけだから安全なはずだ」
「わかりました!」
神威は直径20センチ程の水の塊を作りアイシャに放った。
アイシャはそれを正面から見据え、正確なタイミングで魔力を纏わせたナイフで切りつけた。
しかし神威がやったように真っ二つ割れず、鏡に反射する光の様にナイフの刀身に対して反射した。
「あれ?」
アイシャは自分が思っていたとは違う結果が起き驚いている。
「属性によって変わるのか?アイシャ次は火属性でやってみるけど大丈夫か?」
「はい、大丈夫です」
「わかった。一応火力は極力弱くするけど気をつけてな」
「はい!」
そして神威はアイシャに火の玉を放った。だが結果は変わらずナイフの刀身に対して反射をした。
「あれ?どういう事だ?俺の時と全く違う結果になる、ナギアも武器を使って同じ様にできるか?ナギアがやったらどうなるか見てみたいんだが」
「うーん、やってみないとわからないけどやってる!」
「それじゃ、私のナイフをつかう?こっちの方が使いやすいと思うから」
「うん、ありがと」
ナギアはアイシャからナイフを借りた。
「えっと、こうやればいいのかな?」
ナギアはナイフを魔力を纏わせることが出来た。
「さすがナギア、そういうことに関するセンスはすごいな……。それじゃナギアいくぞ」
「いいよー」
神威はナギアに向けてさっきと同じように火の玉を放った。
結果は神威と同じ様に火の玉が二つに裂けた。
「ナギアは俺と同じ結果か…、どうなってんだ?」
「どうなってるのでしょうね?ナギちゃんは何かわかる?って聞いても分からないかな?」
「えっと、神威の魔力?とアイシャの魔力の形が違うからだと思うの」
「え?形が違う?どういうこと?」
アイシャと神威は、突然のナギアの言葉に驚いている。
「えっとね、神威の魔力はトゲトゲしてるの、だけどアイシャの魔力は丸い形をしてるの」
「ナギアにはそういう風に見えるのか?」
「うん」
「やっぱ、見た目は人間だけど根本的にはドラゴンだから俺らとは見えるものが違うんだな」
「そうですね。でもこれがナギちゃんの才能の可能性もありますね」
「確かに、どっちにせよ。アイシャのこともナギアのことも俺達だけで考えてもわからないしな。ギルドに行ってこういう事を書いてる本がないか調べてみるか」
「そうですね」
「ナギア、本見たことない」
「そうでしたね。多分字も読めないと思いますから私が教えてあげるね、ナギちゃんなら直ぐに覚えれると思うから」
「わかったー」
「それじゃ、アイシャがナギアに字を教えてる間にめぼしいものを俺が探しているか」
そして3人はまたギルドに戻っていった。
ギルドに着いた神威達はまずは魔力に関する本を探した。ドラゴンに関する本に比べ少しは多いと思ったからだ。
そしてしばらく本を探し続けていると受付で見ていたサリアが話しかけてきた。
「何の本を探しているのでしょうか?」
「サリアか」
「なんですかその言い方は、私よりアイシャさんの方がよかったですか」
「んあ、すまんずっと本を見ていると疲れてきてな」
神威は少し疲れているようだ。
「確かにカムイさんは本を読んでるより外で暴れている方が好きそうですね」
「少し前まではそんな事無かったんだがな、環境が変われば性格も変わるんだな」
「たしか、カムイさんは元はこの世界の人じゃなかったらしいですね」
「ああ、向こうの世界でいる時は外でいるよりむしろ本を読んでる方が好きだったんだけどな」
「以外ですね、でもビックリですよ。この世界以外の世界があってその世界から人が来てるなんてカムイさんに会うまで考えたこともありませんでした」
「結構みんなのそれをすんなり信じるよね、俺だったら少し疑うけどな」
「確かにそうですけど、やっぱりカムイさんは周りの人と比べたら少し違いますからね。年齢の割には顔が幼く見えますし、その割には身長は大きいですよね、幾つあるんですか?」
「大体180センチ少しぐらいかな?こっちの世界に来てから毎日ずっと動いてるからまた少し伸びた気もするけど」
「数字で聞くと大きいですね、それもカムイさんのいた世界の人の特徴ですか?」
「いや、どちらかと言うと俺の人種は平均的に身長はそこまで高くないはず、俺が特別大きいだけだな」
「そうなんですか、それにしてもアイシャと頭1つ分ぐらいは身長差がありますからね、それに顔もいい方ですからね」
「俺を褒めても何もでねーぞ」
「いいですよ本当の事ですし、こっちもギルドのクエストをどんどん解消してくれて助かってますから、そのお礼です」
「そうかそうか、それならそのお礼ついでに本探しを手伝ってくれないか?」
「いいですよ、もとよりそのつもりで話しかけましたから」
「それじゃあ、魔力に関しての本を探しているんだか」
「魔力ですか?」
「ああ、少し前にナギアとアイシャの特訓を手伝っててその時に俺とナギアが魔法を魔力を纏わた武器で切った時とアイシャがした時では結果が大きく違ってて、ナギアも俺とアイシャの魔力のかたちが違うって言ってたからその理由を知るために今こうして本を読んでるわけだよ」
「フユツキ家は普通の人とは違う人が集まってますね、アイシャさんは魔力の性質に原因があると思うんですけど、ナギアちゃんに関しては魔力を見ることができるんですね」
「まあ、ナギアはドラゴンだし、人間と違うところもあるでしょ」
「そう納得しざるを得ないですね。えっと、私の知る限りだとどの本を見てもそのへんに関しての詳しい事を書いた本は無いと思いますよ」
「まじか!」
「はい、それに関しては本を探すより、ギルマスに相談した方がいいとおもいますよ?ちょうど今部屋にいると思いますから行ってみてはどうです?」
「そうだなアギスさんなら何かしらの事は知ってそうだし、行ってみるか」
「はい、いってらっしゃい」
神威は出した分の本を片付け、アイシャとナギアを連れてアギスのところに向かった。
神威はアギスの居る部屋の前着きドアをノックした。
「神威です、今大丈夫でしょうか?」
「神威か、入っていいぞ」
許可をもらい部屋の中に入っていった。
「アギスさん、突然すみませんね」
「いや構わんぞ、カムイと話するぐらいの時間なんぞいからでも取れる」
「ありがとうございます」
「それで、どうした今日はフユツキ家揃って」
「今日来た理由は……」
先ほどサリアに話したよりも詳しくなにがあったかをアギスに説明した。
「なるほどな、アイシャのは魔力の性質が普通とは違っているってことだなそのせいで普通の方法では魔法を使うことができなかったのだな、ナギアに限っては全くわからん」
「アギスさんも分からないか、まあアイシャが魔法を使うことができるようになるってことがわかったし、少しは成果ありかな、良かったなアイシャ」
「はい!でも使えるってことは分かりましたけどどうすれば使えるようになりますかね?」
「それに関してはある所に行けばわかるぞ」
「それってどこですか?」
神威が聞いた。
「魔法武術教育学校エザルファールド、この世界唯一の学校であり最も魔法に長けた国でもあるところだ」
「エザルファールドって王宮の闘技場にあるマジックアイテムをもらったところですか?」
神威はうろ覚えの記憶を思い出しながら聞いた。
「知っていたか。そうだ、そこに行けば大体のことは分かるであろう」
「そこって国なんですか?学校なんですか?」
「国でもありながら学校でもあるところだ、世界中の研究者がそこで生徒や教師としいながら様々なことを研究したりしており、またどの国にも戦争を仕掛けずどの国からも戦争を仕掛けられない国でもある。この世界で1番とまでは行かずともかなり安全な場所でもあるな」
「へー、すごいですね。でもその国?でいろいろと調べるってことはその学校の生徒にならなくても大丈夫なのですか?」
「いや、あそこは国であり学校であるため入国することは学校の生徒または教師になりに来たってことになる」
「と言うことは俺らは生徒になるってことですよね?そう簡単に生徒になれるもんなんですか?」
「それに関しては大丈夫であろう、あそこは入学の際ある程度の適正試験を受けるがお主らならまず問題ないはずだしの、それにカムイお主はこの国で1番権力をもつ友人が居るではないか、この国もエザルファールドとそれなりの関係はあるその方に頼めばなんとかなるであろう」
「そうか、あの闘技場をもらったってことはそれなりの関わりはあるのか、と言うことは次はエメリッヒさんのところに移動だな」
「そうですね、今日はいろんなところに行きますね」
「そうだな、ナギアもそれでいいか?」
「うん、いろんなところに行けてたのしいからいいよー」
「わかった、ではアギスさん今からエメリッヒさんのところに行ってきます。いろいろとありがとうございました」
「ああ、いつでも頼ってくれていいぞ」
「ありがとうございます」
そして3人は部屋から出ていき、エメリッヒのところに向かった。