手伝いと訓練
身の回りの人がどんどんインフルエンザにかかっている中、予防接種すらしてない自分は全くかからず、いつかかってもおかしくない中、大丈夫だろうと脳天気に過ごしてます。何が言いたいかと言うとまだまだインフルエンザにかかる可能性があるので気をつけてください。
それではどぞ(っ´∀`)っ
その頃アイシャとナギアは今日から泊まる宿屋に向かった後、街の外の平原に向かった。
「それではナギちゃん、特訓お願いします」
「いいけど、ナギアでいいの?」
「はい、私よりナギちゃんの方が強いはずだから、ナギちゃんさえ良ければお願いします!」
「ナギアはだいじょぶだよ!ナギアもこの姿に慣れるためにちょうどいいしね!」
「それじゃあ、いきますね」
アイシャは右手に短剣を逆さに構えた。
ナギアは素手のまま構えた。するとナギアの手が鱗に包まれてきた。
「それだと、ナギアを切る事は出来ないよ。だから遠慮なくきてね」
ナギアは楽しそうにしながらアイシャの動きを見張っている。
アイシャもナギアのスキを伺いながらナギアの周りをゆっくりと歩いている。だがこれだとキリがないので、アイシャはナギアに攻撃を仕掛けた。
まず、手調べにアイシャはナギアの顔辺りを切りつけようとした。だが、ナギアはそれを難無く避けた。
アイシャは続けざまに攻撃を繰り返えした。
ナギアはそれを避けたり受け流したりしながら防いで行った。しかしナギアも守る一方だよ面白くないので反撃に出た。
ナギアはアイシャの攻撃を避けると、直ぐにアイシャの懐に潜り込み右ストレートを。
まだ人の体に慣れてないため大雑把な攻撃となった攻撃をアイシャは体を捻らせ回避、大きく空いたお腹に左膝で容赦なくナギアを蹴りあげた。だがナギアはフリーの左腕全体に鱗を纏わせアイシャの蹴りをガードした。、
だが体の軽いナギアはそのまま後方へと飛ばされてしまった。ナギアは羽をパタパタと動かしながら空中で体制を整え無事着地した。
2人の間に少し距離ができた。
「アイシャ、体痛いんじゃなかったっけ?全然動けてるね?左腕も凄くじんじんするよ?」
「体が痛いからって動けない訳では無いですよ。そんな事より私はナギちゃんに驚きですよ、人の体に慣れてないうえにまだ生まれて数週間ですよね?なのにそれだけ動けるなんて、やっぱり竜としての戦いの才能ですかね?」
「どうかなー?戦い方はカムイを見て覚えたけど、思うように体が動かないからもっと上手く動かせるようにならないと」
「カムイさんの戦い方は私では真似出来ないですね、カムイさんみたいに動かそうとすると体が壊れそうですよ。真似できるといえば……これくらいですかね」
そう言いアイシャは予備の短剣を取り出し両手に持った。
「おおいいね。確かにカムイいつも武器を2つ持ってるね」
「はい、でも実際2つ持ってみると、どうやって攻撃しようか悩みますね。それもこの特訓で自分のものにしますけどね!」
「そうだね!ナギアも自分の体を思い通り動かせる様になって強くならないと!そしたらカムイに褒められるかなー?えへへー」
ナギアは、神威に褒められている自分を想像しながら嬉しそうにしている。
「た、たしかに……。カムイさんに褒められるのは私も楽しみです…。」
2人して神威に褒められているのを想像して楽しそうにしている。
「そのためにも沢山特訓しましょう。ナギちゃん!」
「そうだね!」
2人はまた特訓に励み出した。
そして数日が経った。
神威の手伝いは終わり、残りは職人の仕事と言う訳で、神威の手伝いは本日で終了。
そしてアイシャとナギアはこの数日間、毎日2人で特訓をしていた。その甲斐あってか、2人とも確実に実力を付けてきている。
アイシャは二刀流をほぼ使いこなす事ができるようになり。ナギアも自分の体をちゃんと扱えるようになり、更に元から腕などに鱗を覆わせる事が出来たがこの数日の特訓で体を一部を竜の時のように変化させることができるようになった。
変化させれるようになってすぐの時、頭を竜に変えてみたナギアは人間の体に竜の頭というただグロいだけの見た目になった事があり、その姿を見たアイシャにドン引きされ、その事にショックを受けたナギアはそれ以降変化させるのは腕や足だけにしようと決めたのだった。
その日の夕方、2人は神威に特訓の成果のお披露目もといここまで頑張れた本当の目的、神威に褒められるために、神威VSアイシャ&ナギアの模擬戦を毎度お世話になっている王宮の闘技場を借りて行っている。
「カムイさん!強くなった私達を見てくださいね!」
「カムイ!覚悟するがいい!!」
2人は意気揚々と宣言した。
「それは楽しみだな。でも俺もただ手伝いをして過ごしてた訳じゃないからな、新しく出来ることも増えたし、2人とも油断しないように」
「え?」
2人は神威も新しく出来ることが増え焦っている。
(ナギちゃん、どうしますか!ここであっさりとカムイさん負けてしまうと特訓の成果が分からず、褒めてもらえない可能性が)
(だ、だいじょぶだよ。カムイなら手加減してくれハズだよ)
後ろを向いて顔を近づけ神威に聞かれないようにしている。
(でも、カムイさん戦いの時は誰に対しても容赦ないじゃないですか)
(ナギア達だしだいじょぶじゃない?)
2人は恐る恐る神威の方を見た。
「どうしたの2人とも、俺はいつでもいいぞ?」
神威はニコニコしながら2人が来るのを待っている。
((ヤバイかも知れない…))
2人は覚悟を決めた。
アイシャは両手に短剣を構え、ナギアは両手を鱗に覆った。
「おお!2人とも戦い方が変わっている」
神威は2人の戦闘スタイルが変わっていることに嬉しそうにしている。
「ナギちゃんはカムイさんを引き付けてください!その間に私は後ろから攻めます!」
「分かった!」
筋力が高いナギアがカムイの引き付け、その間にアイシャが後ろから攻める作戦にした。
神威は正面から素手で来るナギアに対して同じように素手で対応した。
「ん!」
ナギアは神威に対して右ストレートを出した。それを神威は左手で受け止めた。パーンと言う音が周りに響いた。
「痛ったい!鱗痛いな!」
右手を掴まれているナギアは次に左足で腹部に向かって蹴りを入れた。
だがそれも神威に空いている手で止められた。
そしてアイシャは両手をナギアに塞がれている神威の後ろから斬りかかった。
2人はこの時神威にダメージを与えれると思った。だがしかしアイシャの攻撃は防がれた。
防いだのは普段神威が使っている刀の片方、月下氷刀だった。アイシャは立て続けに攻撃をした、しかしそれももう片方の刀、日下炎刀に防がれた。
ここでアイシャはある事に気が付いた。アイシャの攻撃を防いだ刀を見ると誰もその刀の柄を握っていないのにアイシャの攻撃を防いだ事と、アイシャは確実に神威から見えない場所から攻撃を仕掛けたのに的確に防がれたことだ。
「よいしょ!」
神威は自分の後ろにいるアイシャは刀の峰で薙ぎ払い後方に飛ばし、ナギアも腕を掴みアイシャの方に投げ飛ばした。
「いたた……、ナギちゃん大丈夫?」
投げられたナギアはアイシャの上で横向きに倒れている。
「ううーん、だいじょぶだけどカムイに捕まってる時カムイびくともしなかったよ」
「やっぱり、一筋縄では行かないか……。カムイさん!さっきのは何ですか!?完全に真後ろから攻撃したのに防がれたしその防いだ武器、誰も扱ってないのになぜ勝手に動いているんですか!?」
「これか?」
神威は自分の周りに刀をユラユラと動かしている。
「それです!」
「これは魔力を使って刀を握っているんだ、んでアイシャの攻撃が分かったのも魔力を自分の周りに張り巡らせといて周囲の事を分かるようにしていたのさ」
「そんな事できるんですか」
「できるよ、でもどっちも精密な事は出来ないからね、刀を操るにも大雑把な攻撃しか出来ないし、周りの位置がわかっても形が分かるぐらいだからね」
「それでも充分強いですよ!」
「手を使わずに武器を扱えるし、敵を探すのにも困らないからな、でも魔力さえ扱えれば誰にでも出来ると思うけどな」
誰にでも出来ると聞いてアイシャも試してみた。
「……出来ないんですが」
「……まあ、そのへんは人それぞれだし、アイシャ練習すれば出来るようになるって」
「そうですかね…」
思うように出来ずアイシャは苦戦していると。
「出来たー!」
アイシャのすぐ隣でナギアが叫んだ。
「出来たって、ナギちゃん何が出来たの?」
「見ててねー」
そう言ってナギアはアイシャから離れた場所に移動し目を瞑った。
「アイシャーそこから別の所に移動してみてー」
アイシャは言われた通りに移動し、ナギアの後ろ側に歩いて行った。
「移動しましたよ」
「んーとねアイシャ今、ナギアの後ろにいるよね?」
アイシャはナギアに場所を当てられ驚いている。
「すごい!当たってます」
「おお、本当に使えるようになっているな」
神威もナギアが直ぐに使えるようになっており関心している。
「えへへー、カムイすごい?すごい?」
「ああ、すごいぞ」
「えへへー」
ナギアは神威に褒められて喜んでいる。
(ヤバイ!?、せっかく特訓したのにまだカムイさんに褒められてない!?)
アイシャは焦りだしている。
「カムイさん!もう一度お願いします!」
「おうよ、いつでも来い」
「ナギアは見ているねー」
神威に褒められたナギアは満足して見学をしている。
アイシャは神威に向かって走り出した。まず、右手に持っている短剣で切り付けた。
神威はそれを左手に持っている日下炎刀で防いだ。立て続けにアイシャは左手に持っている短剣で切り付けるがそれも神威が右手に持っている月下氷刀で防がれた。
アイシャは直ぐに神威から2歩程遠ざかり直ぐに神威の右側に回り込み同じように切り付けた。これを何度も続けた。
「アイシャの戦い方カイゼルさんに似てきたな」
「そうですか!」
「ああ、立ち回り方は違うけどやってる事は全く同じだぞ」
2人は戦い方ながら会話しており、アイシャは一言一言力が入ってしまうが、神威は普段通り会話をしている。
その後もアイシャが攻め続け神威は守り続けた。アイシャは真剣に神威の守りをどう崩そうか考えながら戦っているが神威の方は様々な攻撃を楽しみながら塞いでいる。
しばらくしアイシャに疲れが見えてき攻撃も大雑把になりだした。
(アイシャも疲れてきたようだしそろそろ終わらせるか……)
神威は2振りの刀を手放しアイシャの両手首を掴んだ。もちろんアイシャは抵抗したがアイシャの両手首を掴んでいる神威の腕はビクともせずもたもたしてるうちに神威が手放した刀がアイシャの首筋に当てられた。
「参りました…」
こうなってしまってはどうする事も出来ずアイシャは降参する事しか出来なかった。
「はい、お疲れさん」
神威はアイシャの両手首から手を離した。
「頑張って特訓したのに全く歯が立ちませんでした……」
アイシャは軽く落ち込んでいる。
「いやいや、そんなに気に病むことはないよ、俺の力が異常なだけでアイシャはこの数日で充分強くなってるよ。だからもっと自身を持ってもいいんだよ」
そう言いながら神威はアイシャの頭を撫でた。
「あっ……。…あ、ありがとうごさいます」
アイシャは頭を撫でられてることに嬉しさ半分照れ半分でお礼を言った。
「今日はもう疲れただろ?宿に帰るか」
「はい、帰りましょう」
「ナギア、帰るぞ」
「分かったー」
そして3人は王宮をでて、宿屋に向かった。
途中アイシャが手を握りたいと言ったので神威とアイシャは手を繋いだ、それを見たナギアも神威と手を繋いだ。ナギアとは普通に手を繋いだが、アイシャとは互いの指を交互に握る、いわゆる恋人つなぎをして宿屋まで帰った。
宿屋に着き、夕食を食べた後アイシャとナギアは直ぐに眠りに付いた。神威も2人が寝ついたのを確認してたか眠りについた。




