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神と人と竜と  作者: 赤竜帝
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力と加護

今年もあと少しで終わります。見てる人によっては新年を迎えている人もいるとおもいますが今年1年私の小説を読んでくださってありがとうございます。

どうか来年もよろしくお願いします。

それでは(っ´∀`)っドゾ

朝になった。


アイシャは神威とナギアより早く目が覚めた。


ベットから起き上がろうと思い、体に力を入れたが体のあちこちが痛み起き上がれなかった。


アイシャは昨晩の事を思い出しながら1人で納得していた。どうせなのでアイシャはこのまま神威の寝顔を見ながら過ごした。


少しして神威が、目を覚ました。


「おはようございます、カムイさん」


「ん…ああ、おはよう」


神威はベットから起き上がった。だがアイシャはベットに寝たままである。


「アイシャは起きないのか?」


「実は昨晩のせいか体の所々が痛いのですよ」


「あ…なんかすまん、今日はゆっくり休んで」


「はい、すみません」


この後、神威は身支度を整えアイシャの為に朝食を取りに行った。帰ってきた時にはナギアも目を覚ましていた。


「ほい、朝食を持ってきたよ」


神威は器用に自分の朝食とアイシャの朝食、ナギアの朝食を同時に持ってきた。


「ありがとうございます」


「イイって、それより昼前位に俺とナギア、神様に呼ばれてて行く所があるんだけど、その行っている間暇だと思うから欲しいものとかある?あれば買って来るけど」


「突然ですね、神様に呼ばれてるって何したんですか?」


「さぁ、昨日当然呼ばれてね、何か俺とナギアに会いたい神様が居るらしい」


「カムイさんとナギちゃんに会いたい神様ですか。どうやってその神様に合うのですか?」


「それはこの地図を使って行くんだ」


そう言い神威はアリスに貰った地図を取り出した。


「その地図ですか?この辺りの地図では無いですね」


「なんか、神様の暇つぶしの為に創った世界らしいよ。…今考えたら暇潰しに世界を創るって凄いことしてるな」


「さすが神様ですね、そんな神様と面識があるカムイさんも大概だと思いますけど」


「確かにな、まあ、それでその世界に行くわけだが、その間アイシャの暇潰しに何かいるものある?」


「そうですね……、本が欲しいです」


「本ね了解、どんなのが良い?」


「どんなものでもいいですよ」


「了解、今から行ってくるよ、ナギアはアイシャと一緒に居てて」


「キュキューン」


神威は本屋に向かって行った。


本屋には様々な本があり、どれを買おうか悩んだ末、手当り次第買っていこう、と言う事になった。


買った本の内容は恋愛小説などから図鑑まで、片っ端から買って行った。決して安い値段ではなく、むしろ高額な値段になった、だがこの前の大量の魔物の攻撃の時に魔物の素材を売ったり、エメリッヒから多額の報酬金を貰っているため当分はお金に困らずに生活出来る程の蓄えはあるようだ。


「ただいま、本買ってきたよ」


帰ってきた神威は本を取り出した。


「沢山買ってきましたね」


「どれにしようか悩んだ結果、ほぼ全部買ってきた」


「大雑把ですね…、お金大丈夫ですか?」


「まだまだ残ってるよ、少なくなってきたらクエストを受ければいいし」


「確かにそうですね、本ありがとうございます」


「どういたしまして、それじゃあもう行くけど、戸締り大丈夫だよね?一応確認はするけど、昨日エメリッヒさんに言われた事が心配だからね」


昨日エメリッヒに、貴族に神威の事を良く思わない人がいると聞いて警戒するようにしている。


「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ」


「だといいが…、できる限り早く帰ってくるから」


「はい、気を付けてくださいね」


「じゃあ、行ってくる、ナギア行くぞ」


「キュー!」


神威は地図と取り出して適当な場所に指を当て魔力を流した。するとその場から神威とナギアが居なくなりそこには地図だけが残った。


「さて、私は本でも読んでカムイさんの帰りを待とうかな」






神威とナギア広い平原に現れた。


「!!」


神威とナギアは直ぐに戦闘態勢をとった、姿こそ見えないが的確に神威とナギアに向けた殺意を感じた。


「来たみたいだね、ようこそ、どうかなこの世界は?」


「ヤバイな、こんなに殺意を向けられたのは初めてだよ、何この世界?」


「殺意を感じられるぐらいはなったんだね、前にも言ったけどこの世界は神々の暇潰しのための世界だからね、生き物全てが相当の強さを持っているよ、今神威君に殺意を向けている魔物もこの世界だとヒエラルキーは下の方の魔物だよ」


「これでかぁ、こんなので暇潰しって神様の強さって相当強いんだろうな」


「今から会いに行く神様はこの世界で頂点の強さを持つ神様だよ」


「マジか…、緊張してきた」


「キュキュー」


ナギアも神威と同じでこれから強大な力を持つ者に会う事に緊張している。


「大丈夫だよ、私からしたらおじいちゃんみたいな存在だからリラックスしたらいいさ」


「アリスのおじいちゃん的存在か、なら大丈夫…かな?」


この時神威はヒゲをはやした老人を想像していた。


「それじゃあ、今からその神様のいる所の近くまで移動するからね、私の体のどこでもいいから手を置いて」


「ほい」


神威は肩に手を置き、ナギアは頭の上にのった。


「……まぁいいか、それじゃあ行くよ」


アリスはその場から一瞬で移動した。


ついた場所は大きな、とても大きな山の麓の洞窟の入口の前に来た。周りは何メートルもある木々に囲まれており、神秘的な場所である。


「この洞窟を抜けた先に例の神様がいるよ、付いてきて」


神威とナギアは言われた通りにアリスの後をついて行った。


洞窟の内部は光がほとんど届かないはずなのにある程度の明るさを保ち続けている。


「この洞窟が明るいのは、壁に特別な鉱物があってそれが光を放ち続けれるからだよ」


「ほへー」


洞窟を歩きながら色々と説明を聞いている所である。


数分歩いた所で遠くで光が見えて来た。


「もうそろそろ出口だよ」


そして、出た先にあったのは大量のドラゴン達だった。空を飛んでいるドラゴンや地を這うドラゴン様々なドラゴンがこの場所にいた。そしてその場所の中心に明らかに大きさの違う鱗の塊が見えた。


「あそこの中心に居るのが君達に会いたがっていた神様だよ。ウェゼム来たよ」


アリスが呼ぶとウェゼムと呼ばれた鱗の塊が動き出した。


その姿は周り居るドラゴン達より遥かに大きく、爪だけで神威の大きさと大差ない程の大きさである。形は周りの西洋風の竜と違って、東洋風の龍の姿をしている。


「来たかアリス、その横に居るのが例の人の子と竜の子か」


「そうだよ」


「人の子よ、名をなんという」


「冬月 神威です」


神威はかなり緊張しながら言った。


「ふむ、そっちの竜の子よ、名をなんという」


「キュキュキュ」


ナギアも同じように緊張している。


「ナギアか、まだまだ幼くはあるがとても強い力を持っているな、その力は親に当たる神威の影響であるわけか」


名前を聞いた後、ウェゼムと呼ばれた龍は、黙り込んだ。


「ウェゼム、神威君達に自分の事を教えなくていいの?」


黙り続けるウェゼムにアリスが話しかけた。


「そうだな、我は龍神ウェゼム、呼ぶ時はウェゼムで構わない。今日、汝らを呼んだのは神威は加護について、ナギアは次の龍神候補についてだ」


「龍神候補?」


「キュキュ?」


突如、龍神候補と言われいまいち理解出来ていない。


「そうだ、神としての無限に近き寿命もいつかは尽きる、そうした場合に次の龍神の候補を決めておけば次に誰が龍神になるかと揉めなくて済むからだ」


「なるほど、ナギアが次の龍神候補になったのはわかったけど、そもそも神様に次の候補とかある事を初めて知ったんだけど」


「でしょうね、まぁ、神威君には関係ない話だけどね」


「そうだな、それで、俺には何の用?」


「神威には我の加護を与えよう」


「ありがとうございます、……加護ってこんなにもらえるものなの?」


「普通はもらえないけどねー、神威君自身がもう普通じゃないから今更普通じゃない事が起きても普通だよ」


「普通ってなんだっけなー」


普通という言葉の意味が分からなくなりだした神威である。


「最後にナギアに何か1つ力を与えようか、どんな力がいいか言ってみるが良い」


ナギアは少し悩んだ後、もらう力を決めた。


「キューキューキュキュッキュキュ」


「なんだ、そのような力で良いのか?」


「キュキューキュ」


「確かに今のなギアの生活を考えるとこの力は適しているな、よし、こっちに来いその力を与えよう」


「キュキュ」


ナギアはウェゼムの近くに寄った。


ウェゼムは近くに寄ってきたナギアの頭に2メートル少しある自分の爪を優しく当て、力を与えた。


「よし、これでナギアの望んだ力を与えたぞ、試しにここで使ってみるが良い。使い方は分かるな?」


「キュキュ」


ナギアは返事と共にウェゼムからもらった力を使った。するとナギアの体が強く光出した。


「な、なんだ!?」


神威は突然光出したナギアに驚きながら光から目を守るため両目を閉じた。


光が収まる頃を見計らって恐る恐る目を開いた。するとさっきまでナギアがいた場所には全裸の少女が立っていた。


「おおー!本当に人間になれた!」


その少女は、両腕を広げた状態でその場をクルクル回っている。


「カムイ!ナギア人間になれたよ!」


「いま、ナギアっていったか?」


「そうだよ?ナギアはナギアだよ?」


身長は神威の腰辺りまであり、床につきそうな程長い黒髪にピコンとアホ毛があり、目は黒に赤みがかっている。体の所々に竜の姿だった時の名残のように鱗が残っており腕には特に鱗が残ってある。そして背中には小さな羽が付いている。


「まじかよ……、てか服!服どうにかしないと」


焦る神威。


「しょうがないなー、今回は私が特別にナギアの服を創ってあげるよ。ナギアちゃーん服を創ってあげるからこっちにおいで」


ナギアはアリスに呼ばれ直ぐに服を創ってもらった。


服は白色のワンピースで、半袖であるが肩は出しており、羽の邪魔にならないように背中の部分が大きく開いている。


「よし、とりあえず人型の時はこれでいいか、ナギアちゃん、1回竜の姿に戻ってきたくれない?」


「わかった!」


ナギアはまた、光に包まれ竜の姿に戻った。


するとナギアは竜の姿に戻った。しかしワンピースはそのまま残り竜の姿のナギアには、当然着ることは出来ない。


「これをこうしてっと、……よし!」


アリスはワンピースをブレスレットに変えた。


「ナギアちゃんこれを手首に通してみて」


「キュキュ?」


ナギアはよく分からないまま言われた通りにブレスレットを手首に通した。


サイズはピッタリでナギアに全く違和感を与えないようになっている。


「ピッタリだね、それじゃあまた、人の姿になってくれる?」


「キュキュ!」


そしてまたナギアは人の姿に戻った。


すると次は全裸ではなくちゃんとさっきのワンピースを着ている姿であった。


「おー凄い、それ俺も出来る?」


「これは無理かなー、無から物質を創れてもそれを維持するのが無理だと思うし、更にそれをまた違うものに変えてるからね、常に神威君が魔力供給を怠らなかったら維持し続ける事ぐらいなら出来ると思うけど、そこまでする必要も価値も無いでしょう?」


「そうだな、まぁナギアの服ありがとう、助かったよ」


「神の気まぐれってやつよ」


「そうか、それじゃあ元の世界に戻るよ」


「そうかい?たまにはこの世界に来てもいいんだよ?次来る時は適当な強さの魔物を見繕って上げるよ、そいつ相手に修行でもするといいさ」


「おう、ありがとう、ウェゼム俺もう戻るから」


「ああ、最後に警告だ、我の加護は本来、龍種に与えるものだ、その力を人間の神威が使うと力が不安定な状態になると思う、くれぐれも気を付けるように」


「わかった、忠告ありがとう。ナギア帰るよ」


「わかったー!」


「それじゃあ」


「バイバーイ」


そして2人はその場から居なくなり元の世界に戻っていった。


「いやー、神威君元気そうでよかった、実際に会ってみないと分からないからねー、新しい世界に上手く馴染めてる様で良かったよ」


アリスは神威の元気そうな姿を見れて安心している。



それに反してウェゼムは黙り込んで考え事をしている。


「……アリスよ、あの人間もアリスが作ったのか?」


「んー、正確には作り直したが正しいかな?」


「どちらにせよ、アリスが手を加えた人間は人間の形をした別の生物になっている」


「私は創造神だからね、創る事が仕事みたいなものだからね、どんどん色んなものを創らないとね」


「それだけを聞けば真っ当な事をしているように聞こえるが……、まぁ、今更言っても仕様がないか…」


「そうだよ、今の私達はもう見守ることしか出来ないからね、私は神威君がどんな人生を辿るか楽しみだよ」


「我は心配でしかない」





その頃、神威とナギアは宿屋に戻ってきた。


しかしそこにはアイシャは居らず、代わりに手紙が置いてあった。


「アイシャがいない、トイレにでも行ったのか?」


「カムイー、何かあるよ?」


ナギアは、ベットの上に置かれた手紙を見つけた。


「手紙?なになに」


手紙のにはこう書かれていた。


『カムイ

直ちに国王様との友好関係を断ち切れ

国王様はお前のような人間とご友人になられるほど暇 ではない

これは忠告だ、従わなければお前の愛する者がどうなるかは保証できぬぞ

国王様との友好関係を断ち切り、愛する者を返して欲しければ東の洞窟で待っている』


この手紙と一緒に簡単な地図もあった。



皆さん良いお年を!

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