手紙と取引
翌日アギスの予想通り国王から神威宛の王宮への招待状がギルドに届いた。
内容は「魔物の群れを全滅させたカムイ殿に国王様が国代表として感謝と報酬を与えたいと申しておりますので3日後に王宮に来て欲しい」と書かれていた。
いま、神威達はギルドにあるアギスの部屋に居る。
「まさか本当に手紙が来るとは…」
本当に国から自分宛に手紙が来たことに神威は呆然としている。
「一国を救ったのだ、国王から何かしらの礼があるのが当たり前だ、それに事前に来るであろうと予想しておったであろうに」
「そうですけど実際に手紙が来ると緊張しますよ」
「まぁ、これで緊張しない方が珍しいか……だがカムイよ、お主程の実力があると国王から呼ばれる事は一度や二度じゃ無いはずだ早いうちに慣れていて損はないであろう」
「そうですね、それで王宮に行ってどうしたら良いんですか?」
「普通だと国王からの礼の言葉を聞いて報酬をもらったら帰れると思うのだが多分国王からカムイに幾つか質問をされると思うぞ」
「質問ですか?」
「ああ、今回の魔物の群れを多人数で解決したなら報酬を全員に配ったりするだけで終わると思うがカムイの様な若者が1人で解決したとなるとその強さの理由や本当にそれ程の実力があるのかを聞かれるであろうな」
「聞かれた場合正直に答えたほうが良いですかね?」
「普通なら答えた方がいいかも知れんがカムイの場合嘘をついたどころで実力的に無理矢理聞き出すことも出来ないとわかっているでだろうし逆にそれを利用して取引をしてもいいかも知れんな」
「取引ですか?」
「これはカムイしか出来ない事かもしれん。例えばカムイ自身の情報と交換に何かカムイの知りたい情報をもらうということもできるしな」
「なるほど…とりあえず考えときます、それと礼儀作法とかどうしたら良いですか、俺全然この国ていうかこの世界の礼儀作法を知りませんよ」
「それはむしろ覚えなくて良いかも知れん」
「どうしてですか?国王の前で無礼だと問題になりません?」
「うむ、なるだろうな、国王が許しても周りの大臣や護衛の者が何か言うだろうな」
「何普通に言ってるんですか、絶対怒られますよ」
「むしろそれを狙うんだ、周りの者が文句を言ってきたらお主の得意な威圧で黙らしたらいいであろう、その方が相手もカムイの実力がわかってうかつに口出しは出来なくなるだろう」
「そんなんで良いんですか、それだとむしろ危険視されるんじゃないんですか?」
「それはその後のカムイと国王との話次第だな、それにカムイの居た世界はどうだったか知らんがこの世界はなんやかんやで実力があれば大抵のことは出来る、それこそカムイの力で王族を殺しカムイが国王になる事も不可能ではない、カムイがそんなことするとは思えんがな」
「そんなことするわけないじゃないですか、そんな事してまで国王なりたくないですしそんな風に国王になっても長くは続かないと思います」
「だがこの世界にはそうしてまで国王なりたい者もいるだがカムイは王宮で実力と賢さも持ったいる事を見せつけなければならない、それを踏まえて3日後にどうするかを考えて見てくれ」
「わかりました、けっこう無茶苦茶な事をするかも知れませんが悪い方向には持って行かないようにします」
「ああ、頑張ってくれわしもカムイがどんな事をするか楽しみにしておくからな」
「期待しておいてください」
「あれ?なんでそういう事になってるの?」
アイシャは最終的に神威が無茶苦茶な事をする事になって戸惑っている。
次回無茶苦茶なことする予定です