国王と会議
神威と別れたカイゼルとロウレスは王宮に向かった。
王宮に着き2人は国王の元に急いだ。
国王の名前はエメリッヒ・アルバスタム、王都アルバスタム33代目国王である。
その国王は今、会議室で魔物の群れをどう対処するかを会議している。
会議室には国王を筆頭に大臣、王宮魔術師、爵位の高い貴族、各騎士団団長、副団長が集まっている。
「なかなか決まりませんね」
大臣(名前はライラ・ハルミレウスと言う)がエメリッヒに話しかけた。
「そうだな、どの案もけして悪くないのだが敵の数がはっきりとわからない限りうかつには決めれんかと言って時間をかけすぎるのも良くはない…」
幾つかの案は出ているがそのどれも確実性が低く今だにどうするかを決められずにいる。
少しはすると入口の扉をノックする音が聞こえた。扉の向こうから「アルバスタム騎士団第一騎士団団長カイゼルです」「アルバスタム騎士団第一騎士団副団長ロウレスっス」と言う声が聞こえた。
それを聞いたエメリッヒは「入れ」と一言、それを聞いた2人は会議室に入って来た。
「カイゼルよ、妹は見つかったのか?」
「会えてはいないのですが無事は確認できました」
「そうか、それは良かったな。では早速で悪いが今攻めて来ている魔物に対する案は何かないか?」
「その事なんですが、戦略を考える必要が無くなりました」
「む、それはどうゆうことだ?」
「そのままの意味です。ギルドのカムイと言う少年が魔物の群れを全滅させました」
「そんな事ができる訳がない!魔物の数は数万はいると聞いておる。その数をたった1人の子供が片付けれる数ではないはずだ!」
エメリッヒは多くの案を出しながら対策している魔物の群れをたった1人の子供が全滅させたと聞きカイゼルがふざけているのかと思った。
「ですが私は実際にこの目で見ております」
「自分もこの目で確かに見たっス」
2人が実際に見たとなるとエメリッヒはそれを認めざるを得なかった。
「……本当にそうなんだな?」
カイゼルとロウレスはうなずいた。
「そうか…魔物は全滅したのか、だが一応確認は必要だライラ捜索隊を出しておいてくれ」
「わかりました」
ライラは捜索隊を出すために会議室から出ようとしただがカイゼルに呼び止められた。
「ライラさん待ってください」
「どうしたかね?カイゼル君」
「戦闘があった場所に数メートル程の壁があり、回り込むのは困難だと思うので偵察隊の人達に壁を登るための道具が必要だと伝えといてください」
「わかりました」
そう言いライラは出ていった。
1時間ほどたちライラが戻って来た。
「ライラ、状況はどのようだ?」
「カイゼル君が言った通り数メートルの壁がありその壁の先には何万と言う魔物の残骸があったそうです」
「つまりカイゼルが言った通りカムイと言う少年が魔物を全滅させたと言うことだな」
「そうなりますね、そしてこの国はその少年に助けられたことになりますね」
「そうだな、これはこの国の代表として礼をしなければならないな。ライラよギルドにカムイと言う者宛に礼を言いたいから王宮に来て欲しいと言う内容で手紙を送ってくれ」
「わかりました。日時はどうしましょうか」
「多少準備が必要かも知れぬから3日後に来てもらうとしよう」
「わかりました」
そしてライラは手紙を書くために会議室から出ていった。
「そう言う事だ、皆の者今日はご苦労であった、十分と休んでくれ」
エメリッヒの言葉でこの場にいた者たちはそれぞれ帰っていった。