騎士と殲滅
ギルドの扉が開き直ぐにアイシャが入って来た。それに気がついたアギスはアイシャの元に向かった。
「アイシャ戻ったか……カムイが居ないと言う事は魔物が来てるって事だな?」
「はい、今は多分カムイさんができる限り数を減らしていると思います」
「そうか…サリア今直ぐにギルドにいる者に戦の準備を整えるように伝えてきてくれ」
「わかりました!」
サリアはアギスに言われたとおり直ぐにギルドに居る冒険者達に準備を整えるように伝えに向かった。
「ナギアお前はカムイの所に戻れ、いくらカムイとは言え1人ではキツイだろうからな」
「キュキュー!!」
ナギアも直ぐに神威の元へと飛び出していった。
「アイシャはここに残ってカムイが殺り損ねた魔物の退治を手伝ってくれ」
「わかりました!」
「それともう1つ数分前にお主の兄がここに訪ねて来たぞ」
「カイゼル兄さんがですか!?」
「ああ、お主を探していたぞ」
「もしかしてロウレスって人も居ました?」
「ああ、居たがどうした?」
「いえ、またロウレスさんに苦労を掛けてしまったなと思いまして」
「確かに苦労してるようだな……、とりあえずアイシャはここで待機だ」
「わかりました」
アイシャも直ぐにここに来るであろう魔物にに向けて装備を改めて整えだした。
その頃カイゼル達は馬に乗り魔物の群れがいるであろう方向に向かっている。
「団長、妹さん大丈夫ッスかね?聞いた話だとかなりの数の魔物が来ている感じっスよ」
「ああ、俺も心配だがアイシャも馬鹿ではない。全くの実力がない者とは向かったりはして無い筈だ」
「確かにそうですね、そうなるとそのもう1人はそれなりの実力はあるって事っスね」
「そうなるな、名前と顔ぐらいは覚えておいた方が良いかもやしれん。それにアイシャをこんな所に連れてきたお礼もしなければならないしな」
カイゼルが黒い笑を浮かばせながら言った。
「団長落ち着いてください。そんなことより今は急がないといけないっスよ」
「そうだな、よし!急ぐぞ!」
そして2人は更に馬のスピードを上げ魔物がいる方へと向かっていった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
それから10数分の時間が過ぎた。
そして今は神威が作った壁の前でカイゼルは立ち尽くしていた。
「何だこの壁は……前まではこんな壁は無かったはずだぞ。何かがこの壁を作ったのか……?」
カイゼルが壁に唖然しているとこの壁の規模を探りに行っていたロウレスが戻って来た。
「団長、この壁はこの先何kmも続いてる様で回り込むよりかはここを登った方が良いかと」
「そうだな、いち早くこの壁の向こうから聞こえてくる音の原因を知りたいしな」
そう、今カイゼルとロウレスが居る壁の向こうから様々な音が聞こえてきている。魔物の叫ぶ声、何かが爆発する音、何かがぶつかり合う音、等の様々な音が壁の向こうから聞こえてきている。
「この壁を登るか」
そう言いカイゼルは壁に向かって跳躍した、この一回の跳躍 で壁の約半分まで飛びもう半分は壁に自分の剣を刺し腕の力だけで頂上まで飛んだ。
「…ッ!」
壁を登り見た光景にカイゼルは驚愕に満ちた表情をした。それを下から見たロウレスは急いでカイゼルと同じようにし壁を登った。
そしてロウレスも壁を登り見た光景に驚愕に満ちた表情をした。
そこでは見た事も無いような格好をした1人の人間が何万と言う数の魔物を圧倒的な力で捩じ伏せていた。
「な、なんなんスかこれは…」
「分からん、だがあの人間がここにいる魔物全てを相手にしている様だ」
2人は神威の戦いを見る事しか出来なかった。神威から放たれる威圧のせいで下手には近づけずただ立ち尽くすことしか出来なかった。
だが神威本人からすればまだ未使用のスキルの試しにしか過ぎなかった。
そして数時間が経つ頃には魔物の数は後僅かになり神威もこの場で使用できるスキルは大体試した所だ。
そして最後の一匹を神威が仕留め終わった。
「…あっという間だったな」
「そうっスね」
2人が唖然としているといつの間にか2人の横にはナギアがいたか。それに気が付いた2人はすぐ様に戦闘態勢になった。だがナギアはその2人を全く気にせず神威の元へ飛んでいった。
「なんだったんスかねさっきのは」
「あれは多分竜の子だ。あそこにいる人間は竜の子を従えているのか」
2人がまたもや唖然としていると神威はナギアが来たことに気付きカイゼルとロウレスの存在にも気が付いた。
「じゃ、アリスまた今度な」
そう言い神威は神化武装を解きカイゼルとロウレス2人の元に歩いて行った。
神威は自分の作った壁を軽く飛びカイゼルとロウレスの前に着地した。
その時カイゼルとロウレスは初めて神威が自分達より年下の子どもだと気が付いた。そしてカイゼルは警戒しながらも神威に話しかけた。
「お前がこの魔物全てを倒したのか?」
「一応そうなりますね。それでお2人は誰ですか?」
「ああ、申し遅れた、俺はアルバスタム騎士団団長カイゼルだ」
「俺は副団長のロウレスっス」
「えっと、俺は神威って言います、そしてこっちがナギアって言います。性格は大人しいのでそこまで警戒しなくても大丈夫ですよ」
「そうか…」
そう言われて警戒心が解けるほど2人は単純ではなかった。それにこの警戒心の半分は神威に対しての向いていることは神威は気が付かなかった。
大体の自己紹介が終え神威は2人にあることを聞いた。
「2人はどうしてここにきたんですか?騎士団として来たにしては2人しか居ないですし?」
「そうだ、俺は妹を探しに来たのだがギルドマスターのアギスさんの言ってた話だお前が俺の妹、アイシャとここに来ているはずなんだが…」
「アイシャならギルドに戻っている筈ですよ?」
「まさか、それならどこかで会う筈だが」
「多分アイシャはこのナギアに捕まって上空を飛んで移動してたので気づかなかったんじゃないですか?」
「そう…かもしれんな、アイシャが無事ならいいんだ」
「団長の妹さんが無事なのが分かった事ですし王都まで戻りましょう」
そしてカイゼルとロウレスは馬に乗り神威とナギアは空を飛びアルバスタムまで戻って行った。




