第6話 違う世界で暮らすために
どうしても話が広げられないですね。
コツを教えて欲しいものです
「いくらなんでもようあいつは人使い荒すぎるだろ。こっちはただでさえ少ない仕事の時間ををガキの教育に費やさなくちゃいけないんだぜ?」
現在絶賛愚痴を吐かれているところである。前回の最後とは空気が違っているが気のせいでもなんでもない。いったい何があったかこちらが訊ねたいところだ。
ちなみにめがねの女性は野水 叶華 との名前でギャンブル好き、金遣いが荒いらしい。デキる秘書みたいな印象がある。今は買い物と軽い仕事に行ってるとのことだ。そして目の前で愚痴ってるチャラそうな男は樋口 龍矢、ラフな性格で特筆すべきところは無い。そしてなぜおれが『不安定因子』だと知ってるのかというとあの夢を見た日にあの人影によって二人と他の何人かに世話になるかも知れないと伝えられたらしい。教えられたのは全て異世界の経験があるもののみとのことらしい。こんなとこで気を使わせてしまってすまないと思うと同時に感謝が止まんない。
さりげなく流してしまったがあの二人は異世界から帰ってきた数少ない人物となるそうだ。ってか異世界に拉致られるひとは少なくは無いらしくそこの埋め合わせがバグの原因の一つとなるそうだ。はた迷惑な話である、前言撤回。
「まぁ蒼い人の話はどうでも良いから修行の話に入りましょうや。」
「どうでも良いって……とりあえずお前はどんな戦闘スタイルが良いんだ?」
あれ?口調変えたのに気付いてない?
ちなみにどんな感じにするかはちゃんと考えている。
「魔法主体で戦うつもり。できれば魔法と接近戦を両立したい。あと武器は選ばなくてすむ方向で広くやってくつもりですね。」
「魔法は二人とも教えられないから独学で学んでもらうことになるが俺が格闘技と身体の動かし方などを教える。叶華が武器の扱い全般を教えるはずだ。もちろん交渉術とか動物の捌き方とかの生きるのに必要なことも学んでもらう」
これを知識を付けながらいくのか……
「そう言えば依頼料は?」流石に無料では無いのだろう。
「そんなもん要らねぇって言いたいがそんなわけにはいかないな……じゃぁ俺たちの仕事を手伝うのはどうだ?経験積めれる良い機会だしな」
ただ働きだけどなっと笑いながら言い合う。多分この人たちとは良い仲でいられそうだ……
「改めて、半年間よろしくお願いします。」
最大限の敬意を込めていう。これから師匠になるひとだこれくらいは必須だろう。
「ああ、よろしく。」
しかし相手はにやりと笑いながら
「楽しい地獄の始まりだ」
最悪の半年間になってしまいそうだ
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その後叶華さんが仕事から戻り、三人は一軒の屋敷にきた。
「異世界から戻って来たときに買った屋敷で昔は道場とかに使われてたらしいぞ」
「そういえば叶華さんは武器を教えてくれるそうですけどどこで学んだんですか」
異世界でかもしれないが俺みたいにこの世界で会得してるかもしれない
「無視すんなよ……」
なにか聞こえるが気にしない
叶華さんは頭の中を整理するように上に視線をやりながら答える。
「私たちが行ってた世界は一言で言うならばステータス制になっていましてレベルアップ毎に能力に付加がつくんですね。ゲームでよくある毒耐性(弱)や移動速度上昇のようなものです。」
この人結構ゲームやってるな。そういえば俺がここに来た原因もゲームの広告だしな
「それでわたしの職業を《武器使い》にしてましたので武器はなんでも使えますよ」
一応伝説並みにはですけどね と表情を崩さないまま言い放つ。伝説って……
「恐らくアチラの神話にでもなってると思います」
神話って……
「ついでに言っておくが俺の異世界での職業は《戦闘機》だったぞ」
「それは職業じゃなくて兵器ですよね」
「残念ながら事実ですし力と技で相手を蹂躙する様は戦闘機ではなく災害でしたよ」
事実だったらしい、しかも災害並らしい
「なんだかこの二人に教えられるのが怖くなってきましたよ」
「そんな真顔で何言ってんだお前もそのレベルまでいくんだぞ」
そんなことを言っている間に1つの部屋についた。そこは広々としていて動き回るにはちょうど良い部屋だった。
「お前にはここで修行してもらうがある程度出来上がったら森や砂漠にでも行くからな」
「どこの風紀委員ですか」
こうして異世界に行く前準備の修行は始まりを告げた
魔法に関してですが世界によって仕組みや原料が違うので教える事が出来ないようです。
不便ですね……




