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オタクな僕の日常  作者: みはね
8/8

8日目 勉強と真面目な顔と。

最近小説本文よりもサブタイトルを考える方が面倒だったり…(´・ω・`)


「あ〜、わっかんね。もう疲れた」


 そう言ってシャーペンを投げ出し、机に突っ伏す七原。

 そんな七原を横目で見ながら提出課題の青チャートを進めていく。


 うわ、次重要例題じゃん。だりーな…。


「七原先輩頑張りましょう!明明明後日(ししあさって)からテストですよ!」


 そんな僕たちの前の方でこちらを振り向き、変な言葉を交えて話しているのはお馴染みの後輩日夏。


「明明明後日ってなんだよ」

「明明後日の次の日です」

「じゃあもう4日後って言えよ!」

「はっ、その手がありましたか…。山瀬先輩ってば天才ですね」

「ああ…また突っ込んでしまった……」


 さっきからこんな感じのやりとりを何回繰り返したことか。

 おかげさまでチャートが全然進まない。

 まあ、これまで授業をちゃんと聞いてきたから内容は理解してるし、直前に必死になって勉強するほどでもないんだけど…。

 提出するもんはちゃんとやっておかないと。


「もうおまえボケるな。日夏はボケるの禁止」

「ひどい先輩っ!ウチはいつだって真面目なのにー」

「どこが真面目なんだこんちきしょうっ」

「ここらへんが」


 そう言って真顔になる日夏。

 真顔な日夏がおもしろくてつい吹き出してしまう。


「あー、笑いましたね!?人の顔見て笑うなんて失礼ですっ」

「おまえはいっつも変な顔してるから、真顔が逆に変顔なんだよ」

「なんじゃとこらあー!」

「あのーお二人さん?ラブラブなところ申し訳ないんですが、この問題を教えてもらえませんかね?」

「ラブラブじゃないわ!!」「ラブラブじゃありません!!」


 息ぴったりなのだった。


 というか、本当は七原と二人で勉強する予定だったのになぜ日夏も一緒にいるんだよ。

 なんかいつの間にかいたような…。

 いや、ちゃんときっかけはあった。

 またこいつが陸部の女子たちに話に来て、その帰りに僕らに会ったんだ。

 それで勉強わからないですーって言うから、じゃあ一緒にどうだ?ってなって…。

 うん、要するに僕から誘ったわけだ。あの時の僕、なにしてんだよ!


「で、どこわかんないの?」

「ここなんだけどさー、なんでこんな風に因数分解できんの?チャート途中計算省きすぎだし!」

「あー、確かにこれは面倒だわ。えっと、これはだな……」


 自分が解いたやつをノートから探しだし、それを見ながら解説する。


 僕が七原に教えている間は日夏も黙々と勉強している。

 ずっとこんな風に静かに勉強していればいいのに…。


「…ってなるから、こういう形になるわけ」

「おお!わかった!おっけー!理解した!」

「なら良かった」

「ほんと蓮は教えんの上手いよなあ」


 七原が満足そうに、にまにましている。こんなんでも、役に立てるなら良いもんだな。


「せんぱーい!ウチにも勉強教えてください!」


 自分の勉強を進めようかと思ったとき、次は日夏が英語の教科書を出して言ってくる。

 大人の事情というやつで僕らが使っている教科書とは違うものだ。


「ここの一文が関係代名詞使われてたり、動詞がたくさんあってどこまでが主語なのかもわからなくて…」

「ん?まだテスト範囲終わってないのか?」

「テスト前だからってぱぱぱーっと終わらされました。なのでよくわかりません」

「あーそういうのわかるわ。で、この一文だっけ?」

「はい、これです」

「これは…ここまでがこの単語にかかってて、」

「ふんふん…って、このhaveは過去完了のやつなんですか?」

「そうそう。それで次はここの一続きを見ていって…」


 日夏はさっきまでとはうってかわってちゃんと真面目に僕の話を聞いていた。

 ほんと、ずっとちゃんとこうしてくれればいいものを…。

 それにしても日夏の真剣な顔ってあんまり見慣れていないから違和感があるな。

 部活中とかはまあ、結構真剣な顔はしているんだけど。

 なんだかこういう日常生活ではあんまりこんな顔はしない。

 

「──で、こうやって訳すんだ。わかったか?」

「はい、わかりました!ありがとうございます。でも、なんだか途中失礼なことを考えていませんでしたか?」


 じーっと訝しげな目で僕を見る。

 なんだか夢華といい日夏といい、勘の良いやつらが多いな。

 

「失礼なことなんて考えるものか。ほら、さっさと続きしろ」

「はーい」


 ちょっと不満げな顔をしているが、ちゃんと取りかかったあたり大丈夫だろう。

 よし、僕も早くチャートを終わらせなくては。


 その後もちょくちょく日夏はボケを挟みながら、七原は真面目に勉強をして僕に質問したりしながら、あるテスト前の放課後が過ぎていったのだった。


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