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日常を彩るライフハック短編小説集  作者: 地野千塩


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米櫃が無い時

 一人暮らしを始めて一ヶ月。篠野舞子はだんだんとこの生活にもなれてきた。手取りは低めではあるが、生活費を計算したり、節約するもも楽しい。


「米袋かー。いらないだろう」


 米櫃や保存容器も気になったが、ネットのライフハックでは袋のままの保存方法も見たし、問題ないだろうと思っていたが。


「ダメだよ。米袋、案外弱いし、保存容器に入れた方がいい」


 そう言ったのは友達の町子。実は町子、食品の袋の印刷工場で働いていた。町子によると、単にビニールに印刷するわけではなく、樹脂やラミネートを張り合わせ強度をつけているという。米袋もそう。検査機器もあり、強度を測っているというが、ものすごく強度があるわけでも無いらしい。


「もちろん、輸送や販売時の強度は保証できるけど、家庭でのそれは百パーセント言えない。店と違って家庭では虫の侵入の可能性も高い。お米は米櫃か保存容器使った方がいい」


 そこまで言われてしまうと、舞子はネットでお米の保存容器を購入した。フタで軽量できるし、便利なものだった。


「確かにネットの情報も役に立つけれど……」


 全てが正しいとは言い切れない。正しい情報でも、年齢、環境、性別などによって効果が変わる場合もある。重要なのは発信者の意図だ。自分に必要ない情報は、逆効果、害になる可能性もある。


 舞子はこの経験から無闇にネットを見るのをやめらた。手取り二十万無いとダメだという情報も鵜呑みにしていたが、現状の舞子の生活費は月八万円で抑えられている。他にお金のかかる趣味もない。つまり、今の手取りでも大問題とも言い切れない。


「そうか、情報をより分ける目って大事だな。ネット見すぎるのもやめるかー」


 舞子はそう呟きつつ、保存容器から米を測り、洗っていく。


 丁寧に米を洗い、浸水して炊いてみた。ホカホカと炊飯器から良い匂いが広がり、今日のご飯は美味しい予感しかしない。

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