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日常を彩るライフハック短編小説集  作者: 地野千塩


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マヨネーズを使い切る時

 思えばマヨネーズってなんでも合う。大抵の野菜にも合うし、便利な調味料だろう。


「へえ。チャーハンを炒める時、油代わりにマヨネーズ使ってもいいんだ」


 水沼南緒、三十一歳。最近は家で自炊にハマっていた。婚活もしているし、料理ぐらいできた方が条件的に良いのかも。


 そしてマヨネーズを油代わりにチャーハンを炒めたが、パラパラで絶品だった。


「おいしいじゃん。別にこうして炒めるとマヨネーズの味なんてしないから不思議……」


 その後、揚げ物で衣をつけるのもマヨネーズが便利だと知る。ホットケーキに混ぜてもふわふわに仕上がる。普通にゆで卵と混ぜてもおいしい。これでサンドイッチを作るのも簡単だ。便利な調味料。


 ふと、マヨネーズで味付けしたブロッコリーのサラダを作りながら考える。


「便利かぁ。なんかマヨネーズって私みたい……」


 実際、職場でも便利屋扱いだった。工場の事務職と働いていたが、休みの社員が出るとライン作業を手伝うことも多く、備品の注文もゴミ捨ても給湯器にお湯を入れるのも全部南緒の仕事になっていた。はっきりとは言われていないが、今は一番若手だし、女だしそんな空気がある。


「便利なのも、なんかなぁ……」


 そうして気づくと、マヨネーズを使い切ってる。でも底の方にちょっとだけ溜まってる。このまま捨てるのもったいない。かといって無理矢理絞り出しても出てこない。シャカシャカとふっても上手く出てこない。便利なマヨネーズだったが、意外と使い切りにくいという欠点があるようだ。


「これ、全部使えきれないかな?」


 ネットで検索すると、酢などを入れてかさましして使い切る方法が出てきたが、ちょうど酢は切れていた。検索を続けると、半分に切って使い切る方法も発見したが。


「そんなワイルドな方法でいいの?」


 その方法、裏技すぎるというか、荒技。こんな便利でどんな料理にも合うマヨネーズなのに、この方法でいいのか?


 ちょっとドキドキする。マヨネーズのボトルを半分に切ってしまうなんて、なんだか悪いことしているみたいじゃないか。


 それでも思い切って切ってしまうと、無事にマヨネーズを使い切ることに成功した。全部使い切り気持ちがいいぐらい。


「マヨネーズ、便利なだけじゃないかもなぁ……」


 翌日、職場でお弁当の発注を頼まれてしまった。しかも毎日。本来なら社員一人一人は朝早く来て自分でやることだ。朝ちょっと早く出るのが面倒で南緒に押し付けられたらしい。


 やっぱり便利な存在だと思われてる?


「すみません。無理です」


 にっこり笑って断った。


 マヨネーズでも便利じゃない部分があるんだもの。無理な仕事を断っても大丈夫。

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