焼きそばが水っぽい時
日曜日の午後、優奈は焼きそばを作っていた。今日は旦那もいない。息子も習い事に出掛けてしまった。
なので昼食も焼きそばだ。余ったキャベツやもやしを活用。肉はないので、チクワを使う。あまり物一掃中。
出来上がり、一人で食べる。ソースの匂いは素晴らしいが、どうも水っぽい。
もっとも一人だけの昼ごはんなので、さほど気にならないが、ベチャベチャ感が鼻についてきた。
ネットで検索すると、野菜の量が多いと水っぽくなりやすい。また炒める前に麺をレンチンした方が良いとか。
「後の祭りじゃん!」
そう呟くが、最後の手段があった。青のりをたくさんかけると、水っぽさも改善されるとか。
「その手があったか! というか青のり忘れてた」
青のりをかけると、水っぽさが気にならなくなってきた。青のりの匂いや食感も心地いい。紅生姜と、ソースの色とのコントラストも食欲がそそる。やっぱり焼きそばには青のりだ。
きっと歯に青のりがくっついているだろう。それでも、今日は家族は出掛けているから良いのだ。
思えば三十一で結婚した後、十年以上も家族と食事をしていた。一人での食事は久しぶり。
たまには良いだろう。こうして青のり入りの焼きそばも自由に楽しめる。
「まあ、たまにだから良いんだけどね」
笑顔で焼きそばを完食していた。




