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日常を彩るライフハック短編小説集  作者: 地野千塩


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蜜柑の皮が残った時

 今は一月の後半、寒さは厳しいが、蜜柑がおいしい。


「つい食べちゃうわ、蜜柑」


 瀬戸修奈は現在、在宅ワーク中。オンライン秘書、WEB関連デザイン、ライティングなどさまざまな在宅ワークをやっていた。


 通勤時間がないのは良いが、昼時、ついついこたつで蜜柑を食べてしまう。ついでに一人暮らしも長いので、独り言も多い。


「お、でもちょっと蜜柑も飽きてきたわ。冷凍蜜柑にしようかな」


 ということで冷凍蜜柑を作った。皮をむき、ポリ袋につっこんで冷凍するだけ。こうすれば蜜柑も腐りにくいし一石二鳥だ。


 そして翌日、冷凍蜜柑も食べ、しゃりしゃり食感も楽しんでいた。


「そういえば給食に冷凍蜜柑出たなぁ」


 アラサーの修奈にとっては冷凍蜜柑も懐かしい味だったが、ふと、気づくと、蜜柑の皮がたくさん残っていた。こたつの側に置いてあるゴミ箱にも蜜柑の皮だらけ。


 皮といってもいい匂いがする。というか皮周辺が一番匂いが強いとどこかで聞いたことがあった。なんだかもったいない。


「この皮、なんか使えないかな?」


 さすがにゴミ箱に入れたのは食べられないが、水で軽く洗うと、まだまだ綺麗だし、いい匂いも消えない。


「あ、そういえば」


 小学校の時の先生、蜜柑の皮をカリカリに乾かしてネットに入れると入浴剤になると言っていた。


「その手があったか!」


 こうして蜜柑の皮を適当にちぎり、乾燥させるとネットに入れて入浴剤に生まれ変わらせた。少し物足りない気もして天然塩も適当に入れて使ってみた。


「へー、全然まだいい匂いする!」


 蜜柑の匂いが漂う。入浴剤の人工的な香料と違い、優しい香りで癒されそう。天然塩のおかげか身体も温まってきた。在宅ワークでの疲れも全部溶けて消えそうだった。

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