ポチ袋を買い忘れた時
「やっば。ポチ袋、買うの忘れたわ」
正月明け、気づく。実家暮らしの優樹だが、甥っ子や姪っ子が遊びに来るのを楽しみにしていた。三十五歳で独身の優樹の楽しみだったりするが、ポチ袋、案外忘れがち。お年玉の中身は用意していたが、思わぬ落とし穴。
「困ったな。なんか、いいのないか?」
フリーランスで動画の企画やマーケティングなどをやっている優樹だ。ここは買いに行くより、頭を捻ろう。
部屋の中を見まわし、貯金箱の小銭、使っていない金魚鉢も発見。
「だったら、ここに小銭とお札入れて、お年玉掴み取り大会でもするか?」
ということで、今年はお年玉掴み取り大会を開催した。
姪っ子は小学一年生で手のひらのサイズ的に不利かと思ったら、案外、盛り上がる。
「わー! 俺の合計、五千円超え!」
「私もいっぱいとれたー!」
子供達の笑い声を聞きながら、こんな賑やかな正月、悪くない。
「よし! 俺も掴み取りすっぞ!」
子供と一緒になって遊んでいると、まあ、大人達からの視線は厳しいが、年に一回ぐらいは大笑いしてもいい気がする。




