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日常を彩るライフハック短編小説集  作者: 地野千塩


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ボールペンが書けなくなった時

「おぉ、年賀状きてる……」


 渋井時乃、三十五歳、初売りの帰り郵便受けを見たら、疲れた。どっと疲れた。


 普段SNSでも絡みがない大学時代からの友人から年賀状。赤ちゃんの写真つき年賀状もある……。別にSNSで言われているほど嫌いな年賀状でもない。独身の時乃にとっては赤ちゃんなど、もう本当に未知の成分にしか見えないものだ。


「しょうがない。一応返事書くか……」


 面倒だが、コンビニへ向かい、イラストつき年賀状を購入。


「何これ…? 年賀状じまいシール ?」


 コンビニには「年賀状じまいシール 」が売っていた。丁寧な文面で年賀状やめる旨が書かれたシール。イラストも可愛く、気になる。なんとなくカゴに入れてしまった。


 家に帰って改めてこのシール を眺めた。


「いや、ちょっと失礼かな? 使わない方がいい?」


 とは思いつつ、さっそく年賀状作りへ。文房具も用意したが、困った。ボールペンが出ない!


 ただでさえ面倒くさい年賀状作り。自分からは極力出さないものが、ここにきてボールペンが死んでる。


「なんなの」


 文句は漏れるが、職場の上司から教えてもらった裏技を思い出す。


 ボールペンの芯だけ取り出す。そしてインクが出る部分にお湯を十秒ぐらい浸すと復活するらしい。


「インクよ、でよ!」


 魔法使い気分で冗談も言いつつ、ボールペンは無事復活した。サラサラと綺麗に書ける。


「しかし、ここまでして年賀状書く意味って……?」


 無い気もした。ボールペン分解し、お湯を沸かして、さらに元に戻す。簡単だけど手間はある。


 それに、どうせ仲が良い友人とは毎日のように連絡している。


「やっぱり、年賀状じまいシール 使おう」


 ちょっと失礼な気もしたが、まぁ、良いか。これで失礼だと思われたら、元々それまでの仲だったのかもしれない。

 

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