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日常を彩るライフハック短編小説集  作者: 地野千塩


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20/28

年越し蕎麦を食べる時

 もう一年たってしまった。


 尾山ジュンコはキッチンに立ち年越し蕎麦を茹でていた。


 水から麺を入れるのがコツだ。それに米油も大さじ一入れると美味しく茹でられるという。ネットでコツを探した通りにやってみることに。


「油入れてもいいの?」


 味が変わったりしないか不安はあるものの、最後は水でしめるんだ。そこまで影響ないかもしれない。


 そして手順通りに茹で上がり、つゆと器も準備し、最後に天ぷらを載せて出来上がりだ。


 キッチンには出汁のいい匂い。天ぷらはお正月価格で高かったけれど、まあ、今日ぐらいいいだろう。


「いただきます」


 こたつに入り、ひとり手を合わせて食べ始めた。


 今年も結局一人。今年のはじめ、婚活を成功させると誓ったんだけどなぁ。仕事もバリバリとやる予定だったが、婦人系の病気も見つかり、停滞気味。


 とはいえ、病気は再発していないし、他は健康だ。仕事も食うに困ることはない。世間は高齢の独身女だと笑うかもしれないが、今年一年、死ななかった。生きてる。


「もう、それだけで充分でしょ?」


 そんな事を考えていたら、天ぷらがつゆにつかり、ぐずぐずになってきた。蕎麦はセーフだ。まだ伸びていない。コツ通りに作ったおかげか、ツルツルだ。喉越しもすっきり。


「うん、満足だわ」


 部屋も暖かい。年末年始のテレビの雰囲気も楽しい。それに年越し蕎麦もちゃんと美味しい。


「ま、来年もゆるーく頑張りまりましょう」


 目標はあくまでもゆるく。肩の力を抜けば、視野も広がるだろう。


 目の前の器、気づくと空っぽだ。ごちそうさま。今年一年おつかれさま。良いお年を。


 たまには自分を労っても悪くない。

 

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