カップ麺のスープが余った時
一人暮らしって自由だ。こんな風にカップ麺を食べても、誰にも何も言われない。
「美味しいわ。この塩分と添加物の濃さがたまらない……」
ボサボサ髪、すっぴん、ジャージ姿でカップ麺を食べているアラサーの麻紀。決して人に見せられる姿ではないが、ずっと実家暮らしで低賃金労働に甘んじていた。それでも副業や転職にもチャレンジし、どうにか一人暮らしを始めた。今はこも暮らしを謳歌している。
「あー、美味しかった。でも、カップ麺のスープが余ったな。これって流しで処分していいんだっけ?」
疑問に思う。確かに一人暮らしは楽しいが、ゴミの捨て方はいちいち悩んでいた。例えば、ペットボトルのリング部分、余ったマニュキア、使い終わったジャムの瓶など。
今回はこのカップ麺の余ったスープに悩む。もったいない気もするし、そのまま流すのも違う気がした。ネットで検索すると、塩分や添加物が多い為、流しの匂い詰まりの原因になるらしい。
そのまま調べていくと、余ったスープの活用レシピも発見!
卵を溶き、レンジで温めると、茶碗蒸しになるという。
さっそくやってみた。カップ麺の容器にそのまま卵を溶き入れ、菜箸で混ぜる。それをマグカップに流し、ラップをかけてレンジで五、六分ぐらい温めたら、完成した。
スープの濃い味が中和され、ふわふわ。余ったスープがこんな一品に化けたのも、ちょっとしたマジックみたいで面白い。
「それにしても……」
カップ麺の塩分や添加物の多さが頭をよぎる。
「明日はトマトとキャベツを食べようかな」
自由な一人暮らしだが、健康管理も大事だ。好き放題と自由は全く違う。そんなことを考えつつ、この茶碗蒸しを完食した。