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日常を彩るライフハック短編小説集  作者: 地野千塩


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生卵にカラが入った時

 やっと閉店だ。今日はお客様が多く来店し、大変だった。アパレルショップの雇われ店長とはいえ、服を楽しむお客様を見ていると、やはり楽しい。そんな弥生の仕事には、やりがいもある。


 一人暮らしのアパートで夕飯を食べながら、少し気分が沈んでいた。最近入った大学生バイト・佑香とは、あまり合わない。同じバイトたちと話し込み、仕事もサボっているし、時々、弥生を見ながら「三十代って未知すぎてこわーい!」などと言っていることもあった。嫌味なのか、ただの天然発言か迷うところだ。


 せっかくお惣菜の大きなアジフライを食べているのに、佑香のことを思い出すと、心に小さな棘が刺さるようだった。気にしすぎ、といえばそれまでだが。


「あ、そういえば生卵余ってたわ。卵かけご飯にしようかな」


 器に卵を割ると、小さなカラが入ってしまった。


「うーん、昔から上手く卵って割れないんだよな」


 生卵に入ったカケラが、なんだか心の棘と重なって見えてしまった。けれど、動画サイトで検索してみると、箸の先に水をつければ簡単に取り除けるらしい。


「えー、本当?」


 一人暮らしが長いせいで、独り言も多くなってしまったが、とりあえず試してみる。すると、本当にきれいにカラが取れた。


「うそ、簡単じゃん」


 想像以上に簡単だった。スプーンで無理矢理取り出そうとして苦戦していた過去を思い出すと、拍子抜けするほどだ。


 佑香のことも思い返す。たぶん、少し考えすぎていたのだ。それに、自分が大学生だった頃を思い出すと、黒歴史ばかりで顔が熱くなる。人のことなど、何も言えない。


 箸を持ち直して、夕飯に戻る。アジフライも卵かけご飯も、やっぱり美味しい。


「うん、明日もがんばろう!」

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