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月夜譚 【No.201~No.300】

昼休み、屋上にて 【月夜譚No.264】

作者: 夏月七葉

 ギターの音色が頭から離れない。廊下を歩く間も授業を受けている最中も、あの優しい音が耳の奥で響いている。

 今日は昼休みに偶々屋上へ行った。いつも一緒に食べている友人に部活動の用事があるとかで、一人で食べることになったのだ。他のグループに入れてもらっても良かったが、折角だから屋上でのんびり食べようと思った。

 まだ夏の陽射しがのさばる屋上で昼食を摂ろうなどという者はいないだろうと扉を開けると、ギターの音が耳に入り込んできた。

 男子生徒が一人、貯水タンクの影に座り込んでギターを奏でている。私は風に靡くスカートを押さえながら、扉の横の屋根でできた影に腰を下ろした。

 お互いに挨拶をするでも何かを話すでもなかった。ただ黙って昼食を食べ、ギターを弾く。初めて顔を合わせるのに、なんだかそれが心地良かった。

 移動クラスや合同授業でも見たことがないから、先輩なのだろう。

(また、聴きたいなぁ)

 これから屋上に行く度に期待を膨らませるのだろう。そんな気がした。

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― 新着の感想 ―
[一言] 青春ですね!
2023/09/24 18:13 退会済み
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