表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

公共事業における個人的見解

作者: 青山

とある国が不況になりました。

そこで王様は国民を集めて井戸を掘らせました。

しかし、幾ら掘っても水は出ません。駆り出された一人の労働者が進言しました。


「陛下、この場所では幾ら掘っても水は出ません。無駄なのでおやめになったほうがよろしいかと愚考します。」


その進言を聞いた王様はこう答えました。


「確かに、()()()()()()()()()()()だろう。しかし、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」


↑ここまでがネットで見た拾い物。


↓ここからは個人的見解。 ※フィクションです。


王様は井戸から水が出る事を期待して掘らせていたのではなく、純粋な公共事業として井戸を掘らせました。

しかし、これに異を唱える者達がいました。財政を預かる官僚達です。


「水が出ないとわかっている井戸を掘るなど何を考えているのですか! 1円の富も生み出さないその井戸のために、労働者への賃金支払いで国の赤字が増えています。即刻中止すべきです。そして、増税して赤字を解消するのです!」


王様は反論します。


「不況時に増税したら、国民の生活は益々苦しくなるだけではないか。国の赤字が増えているというが、今回支出しているお金は他国から借りてきたものではない。井戸掘りに従事している国民に払う賃金は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()し、それで税金を回収している。他の国では使えない。なぜなら()()()()()()()()()()()()()()()()()()し、それで税金を回収しているからだ。つまり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()? 現代の我々は、一体誰に借金を背負ったのだ?」


官僚たちは色を成して反論します。


「未来です! 将来生まれてくる子供たちに借金を背負わせています! 今回支出した自国通貨は、将来税金で返さなくてはなりません! そうしなくては破綻します!」


王様も反論します。


「意味がわからない。自国通貨をなぜ税金で返さなくてはならないのだ? 自国通貨で破綻することはないと外国に説明したのはお主たちではないか。外向けには破綻しないと言い、自国民には破綻すると矛盾した説明をするのか?」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

外国格付け会社宛意見書要旨

https://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140430.htm

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


官僚たちは顔を赤くしながら反論します。


「法律でそう決まっています! 60年償還ルールを知らないのですか! これを無視したら通貨の信任が崩れます!」


王様も負けじと反論します。


「その法に何の意味があるのか? 60年経ったら、どれほどその時の国民が困窮していようが税金を巻き上げると? そんな法律は不要だ。そもそも、()()()()()()()()()()()()()()()()()だけではないか! 一概に他国に合わせるのが良いとは思わぬが、そこだけグローバルスタンダードから外れているのは何故だ! 


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

諸外国の債務管理政策等について 平成27年4月17日 

2P目の諸外国の債務管理(公債制度編)国債の償還より

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/gov_debt_management/proceedings/material/d20150417-4-2.pdf.pdf

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


そもそも通貨の信任とはなんだ? 人々がある通貨を経済活動において受け入れ、使用し続けることが信頼だというのであれば、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。何せ、偽札を作ったり使ったりすれば逮捕され、他国の通貨では我が国への納付とは認めないと宣言しているのだからな。」


そこで王様は一息入れました。


「考えてみれば、まさに60年前に我が国は建国された。当時の国民は我が国が発行した通貨など持っていなかった。皆物々交換か、たまたま持っていた他国の通貨で売買を行っていた。当然だろう。出来たばかりの国の定めていない通貨、発行していない通貨を所有している者などいるものか。これでは自国の経済圏を作れない。その土地を支配しているとは到底言えない。だからこそ初代国王は我が国初の通貨を作られたのだ。お前たちも知っているだろう。我が国初のお金は、そこら辺の石ころに王家の紋章を刻んだだけの物だったんだぞ。まさに、0からお金を生み出したのだ。断じて、当時の国民から税金として回収したのではない!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

荻原おぎわら 重秀しげひで1658年~1713年

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8D%BB%E5%8E%9F%E9%87%8D%E7%A7%80


「貨幣は国家が造る所、瓦礫を以ってこれに代えるといえども、まさに行うべし。今鋳るところの銅銭は悪薄といえども、なお紙鈔に勝れり。之を行ひとぐべし。」


現代訳

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()である。現在、鋳造される銅貨は汚れているかもしれないが、それでも紙幣よりも優れている。このことを実現するべきだ。」


意味

政府に信用がある限りその政府が発行する通貨は保証されることが期待できる、したがって()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、という国定信用貨幣論を200年余りも先取りした財政観念を持っていた。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()できる。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「お主たちは先ほど、この井戸は1円も生み出さないと言ったな。確かにその通りだ。では、何もせず不況を放置しろとでも? このままでは餓死する国民も出てくるだろう。死んだ人間からどれほどの税金が取れるというのだ? 中には、餓死を避けるために盗賊や強盗に身を落とす者もいるだろう。こうした者から税金を取るのは至難の業だ。むしろ、対策のための治安維持にかかる費用のほうが嵩むだろう。だが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。つまり、一部は確実に回収できる。さらに、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。そちらの方がよほど国の未来にとっていい事ではないか。お主たちは支出を渋って不況を放置して、ボロボロになった経済と国土を未来に引き渡すのが良いとでも?」


官僚たちは自信たっぷりに頷きました。


「もちろんです。国の借金が無い方が未来のためです。財政規律が崩壊すれば、国は本当に崩壊してしまいます。財政健全化のために増税して、赤字の無い国を未来の子供たちに引き渡す方が重要です。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

最後の大物次官・齋藤次郎氏が『安倍晋三 回顧録』に反論

「財政健全化のために増税は避けられず、そのため財務省はことあるごとに政治に対して増税を求めてきました。」

https://bunshun.jp/articles/-/61871?page=2

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


王様は彼らを首にしました。


内容への賛否はあると思います。ですが、これだけは言わせてください。

私達はお金と言うものについて、あまりにも考えてこなかった気がします。

お金がないと生活できない。いっぱいあれば贅沢できる。精々この程度の認識しかほとんどの人はもっていないでしょう。

それは別に悪い事ではありませんし、これを読んでくださったあなたの責任でも、もちろんありません。

教えられていないのです。公民の授業で納税の義務と習うのに、納税するまさにそのお金自体がいつどこで生まれてどんな時に消滅するのか。何一つ学ばせてもらえない。考えてみればおかしな話だと思いませんか?

疑いすぎるのは陰謀論への傾倒に繋がりかねないので問題ですが、疑わなさすぎるのも問題だと思います。上から言われたこと、教えられたことを疑わないのは単なる洗脳の一つです。

日本だけが30年間成長せずにデフレに苦しみ、賃金も物価も全く上がらなかった。その理由を一つ、考えてみませんか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 前例があるんですよねー。WW2時の軍部がやらかしたんで、日銀はこの手法を否定します。。達磨さんを殺しやがって、あいつら・・・ デフレにおいては有効な手段なんですが、インフレ下ではできま…
[一言] 通貨と株は違うものなので、例えるのは難しいと思うのですが...。 https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/glossary/market/…
[一言] 通貨は株の様なものと考えると、通貨を発行するのは既存株主の価値を棄損するようなもの。じゃんじゃん株券刷って配ると今たくさん持ってる人たちが怒るのでその人たちに配慮した使い方をする必要があるん…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ