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御馳走

作者: zodd

初投稿です

ちょっとでも面白いと思えて頂けたら幸いです



昔々、森の奥深くに悪い魔女がおりました

その魔女は人間を食べてしまう悪い魔女で特に子供が大好きでした。


そんな悪い魔女は今日もどうやって人間をおびき寄せ食ってやろうかと考えておりました。



魔女「ヒェヒェヒェ…さぁて鍋の用意は出来た…あとはご馳走を入れるだけ」


そんな時森の向こうの方から小さな女の子二人の声が聞こえてきました


「ラ〜ンララ〜ン、今日はどんな綺麗なお花がさいているかしら〜」


魔女は考えました。こりゃとびっきりのご馳走が来たと

魔女は不思議な瓶から液体を霧吹きに移し、道に咲いている枯れ果てた花達に吹きかけました。すると枯れていた花はみるみる咲き誇り、とてもいい匂いをさせました。


森の中の女の子達もその匂いに気づきました。


女の子1「まぁいい匂い、森の奥の方からだわ」


魔女はニヤニヤと喜び森に仕掛けておいた罠の方に霧吹きをかけ花を咲かせていきました。

案の定女の子達は花の咲く方に近づいて行きました。


魔女は息を潜め林の中に隠れていました。

女の子達が徐々に近づいてきました

さぁもう一歩で罠にかかるとこまできました

魔女は喜びを隠しきれず満面の笑みを浮かべると…

女の子達はピタッと止まりました。

おやっ?と思い立ち上がろうとした時

足に激痛が走りました。

ギャーーー!魔女は叫びました。あまりの痛みに倒れてしまい足を手で抑えようとするとそこにはトラバサミで挟まれた足がありました。

そして魔女の後ろには小さな男の子がいました


男の子「わーい、やったー掛かった掛かった!」


魔女は驚きました。今まで全く気づかなかったのです。


魔女「一体どこから!?」


女の子達は言いました。


女の子1「やっと捕まえることができたわ。これでお母さんも喜んでくれる」

女の子2「そうね、私のお父さんも喜ぶわ」

女の子1「そう、私たちの両親はあなたに食べられてしまったの」

女の子2「だからあなたの子供にあなたのことを聞いたの、その後は村の大人達に渡したからどうなったかは分からないけど…」


魔女は唖然としました


魔女「あぁ…私の愛しい子供達…この悪魔め!」


男の子は言いました


男の子「そうだね、僕達は悪魔だね、でもそれで天国にいる僕達の両親が喜ぶならそれでいいんだ…」


女の子は悲しい顔で言いました


女の子2「実は私達同じ家に住んでてとても幸せなんだけど、この寒さで食べ物に困っているの…」


女の子1「そうなの…私達によくしてくれているおじさんとおばさんが悲しそうにしてて私達が大丈夫って聞くと『大丈夫よ、何も心配しなくていいわ』って…」


女の子2「そう、だから僕達おじさんとおばさんにご馳走を食べてもらいたくて考えたんだ。そしたら村の村長がいいことを教えてくれたんだ」


女の子1「そうなの、実は町の大人達が魔女を探してて見つけてくれたら大金を払ってあげるって。大人達も自分達の子供達を食べられて悲しい思いをしてるって」


女の子2「だからあなたの子供を見つけて場所を知ってあなたを捕まえることを決めたの。大人の人は怪我しててもいいって」


男の子「だからこの道具も貸してくれた。あとはこの紐を強く引っ張れば森の外にいる馬が思いっ切り引っ張ってくれるんだ」


女の子1「これで私達の両親も喜んでくれるし、おばさん達もご馳走が食べれる」


魔女「まっ待っとくれ、私が悪かった。本当に悪いことをしたと思っているだからどうかこの足についてるのを外しておくれ…頼むよ…」


女の子2「僕達はあなたに恨みはもうないの…でもおじさん達にご馳走を用意して喜んでもらいたいんだ…許してね」


そういうと男の子は紐を思いっきり引っ張った

すると紐はピンと張り、次の瞬間ものすごい勢いで紐はどんどん森の外へ引っ張られていき


魔女「助けとくれーー!!!お願いよーーーー!!!」


そしてトラバサミについた紐がピンと張ると凄い勢いで魔女は森の中を引きずられながら森の外へ悲鳴とともに消えていきました。


3人は表情一つ変えず女の子の一人が言いました…


女の子1「さぁ帰ってご馳走を用意しましょう…」


終わり

読んで頂きありがとうございました。

またいつか投稿した際には宜しくお願い致します。

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