種
時は幕末。
忍者というものが表立って行動するのをやめた頃。
有名な伊賀や甲賀でもなく、
ましてや乱波や透破のような集団でもない。
独自の宗派を持ち、自らの意志だけで動く。
名を
"御姐"
彼女等が密かに語られた話をしよう。
そもそも何故、密かに語られたのか、、
それは口に出すことすら、
彼女等は恐れられていた存在だからである。
無論、色んな意味で、、、
あさがお「それで、仕事の依頼はなあにっ?」
女の子「はいっ、
私の姉様が地主様の所へ出稼ぎに行ってからしばらくして、
突然連絡がとれなくなって、、
会いに行っても門前払いされて、、
取り合ってくれなくて。」
あさがお「地主ってあの裏山のとこのよね?
あそこはいい噂聞かないのよね、、
何でそんなとこに出稼ぎに?
こうなることは分かってたじゃないっ。」
女の子「姉様は、、
血の繋がってない私達を育ててくださり、、
元々身体が弱かった弟が病気になって。
それで、薬が必要になって、、」
あさがお「、、、
何でそれを早く言わないのよっ!!!
もー。私こうゆうのには弱いのよねっ。
大丈夫よっ。必ずあなたのお姉さんを助けるからっ。
これで栄養になるものでも買ってあげなさいっ。」
女の子「必ずお金は払います!!!
だから姉様をどうか、、、」
あさがお「あんたからお金取ったら、
お月様に怒られちまうよっ。
早く行きな、」
少女は深々と頭を下げて家へと戻って行った。
あさがお「はぁーぁ。
また皆に怒られちゃうわね、、
もうちょっと御国が良くなってくれれば、
あの子達みたいな若いのが不幸を味わう事もないのにね、、」
商人「お前どっから金竦めて来たんだ!!
さては、、身体でも売ったのか笑笑
よくそんな貧相な身体で。」
女の子「あの、コレ下さい、、、」
商人「お前みたいな汚い奴に売ってやるもんなんてないさね。
早く向こうへ行きな。商品に病気が移るわ。」
あさがお「、、あんた。良い言い草だね??
こんな小さな女の子が一生懸命頭下げて言ってんのに
なんだいその態度は!!!」
商人「な、なんだあんたは、、」
あさがお「私はちょいと顔が広くてねえ??
あんたんとこの商。悪い噂立てたっていんだよっ?
お客様商売じゃあ、信用失ったらおしまいだからねぇ。」
商人「か、かんべんしてくれっ、、」
あさがお「次この子にさっきみたいな真似したら、
タダじゃおかねえからな?」
商人「ひぃぃい、、」
あさがお「早く行きなっ、」
彼女は今日も愛の為に闘う。
乙女の笑顔を守る為に、