おじいちゃん、暗黒武闘会(主に腹黒)の商品?となる
それはよく晴れた秋の日、公爵家の軍演習場で始まった。
そこには数多くの人が集まり熱気に包まれていた。
「今回の大会の趣旨の説明と開催の挨拶を行う。皆の者よく聞くように。」
その宣言とともに指揮台の上にあがるのは、現公爵家党首アキヤ
「ピア公爵家当主、アキヤである。この旅は当家主催の選抜会にこれだけの勇者が集まって
いただき大変嬉しく思う。
まず、ここで宣言する。聖女、いや邪神への生贄の巫女はもうたくさんだ!!
公爵家いや、国中の勇者の力も合わせかならずこの悲劇の連鎖を打ち破ってみせる!!」
会場が沸き立つ。
『ウォー!!』
『公爵家バンザーイ!!』
「ただ宣言するだけでは納得がいかないものもいるだろう。
ここで紹介させていただく。邪神をうちほろぼすことのできる
聖剣とそれを唯一操ることのできる聖剣の勇者アーキだ」
その宣言とともに、聖剣を携え指揮台を登り現公爵の横に立つおじいさん。
会場がさらに沸き立つ。
『ウォー!!』
『キャー!!』
『あれ?勇者はじいさん?』
「聖剣の勇者は、我が父である前公爵である。
曾祖母が、現聖女に救われたとはいえ、一度巫女に選ばれ
苦しみを味わったことがあり、
そのことを曽祖母から来た我が父は長年、この悲劇を
繰り返さない方法がないか調べ、そして去っていった
神が残した遺産のことを知った。そしてその遺産を
探すため、早く表向きは代替わりをし調査を続けていた。
そしてその成果がつい先日実を結んだのだ!!」
会場の熱気はさらに上がる。
『ウォー!!』
「そしてその成果こそが神が残された聖剣コア、これを持ってすれば
邪神を封印などではなく消滅させられる。神の遺産だ!!
ただ、聖剣の勇者だけでは、かの邪神の封印されし最も深き迷宮を
攻略するのは無理だ。そして迷宮は仕組み上6人を超えるものが
同時に進むことができない仕組みがある。邪神討伐の暁には、
我が公爵家で叶えられる願いであればなんでも叶えて見せよう。
その代わりこの蜘蛛の糸のごときチャンスを確実なものにすべく
最強の勇者の参加を求む!!これにて開催の挨拶を終了とする。」
会場に集まった、冒険者、貴族すべてのもの熱気は鉄をもとかさんばかりだ。
一攫千金、立身出世、貴族や騎士への取り立てを望む冒険者
自分の娘、孫のために邪神を滅ぼそうとする貴族家
借金返済のため参加を望む弱小貴族家
若返りの飛躍の権益のため手段を選ばない公爵家の親族寄子
そして自分の夢を叶えるために参加する貴族の子女
すべての欲望を巻き込んで大会は今始まろうとしていた。
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なお本小説はバトルものではないのと作者が描写が下手なため
大会の内容は今回、省略とさせていただきます。
ご希望の方は、感想欄まで記載ください。
ちなみに血で血を洗う争いのためR15となります。
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そして大会は終わり、五人の勇者が選抜された。
一人目は、公爵家の寄子ではない弱小貴族の子女であり冒険者として
迷宮探索にも参加したことのある斥候職の少女、ノール・タエ
二人目は、庶民の出身だが、王立魔術学園を首席で卒業しそのまま
研究職に就いていた才媛、リーガ
三人目は、現公爵家第3姫であり、祖父の血を引き現王国最強の剣士ではないかとも
いわれる、サーヤ・ピア
四人目は、公爵家の筆頭寄子である、ガラン伯爵家の養子で世界で最高の弓師とも言われる
エルフの娘、リット
五人目は、王立治療院で女神とも讃えられほどの治療の腕を持つ 謎の少女 エト
現王家の第三姫に名前も養子もそっくりだけどそれは…
各々が譲ることができない願いを持ったうら若き少女だ。
もう一度言う。一部を覗き、みな16−18歳のうら若き少女だ。
「じいさんわかってるんだろうね…」
(なんであの娘たちはあんな願いを)
「いやばあさん、ちょっと若返ったはいえ、わしみたいなじいさんを
こんな孫のような年齢の少女が相手にするわけがないじゃろ」
すでにばあさんはそれぞれの娘の願いを聞いている模様。
そうこれは、フラグである。重要なのでもう一度書く
これはフラグである。
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おまけ そのころ王城では
「王様、公爵家がなにやら不穏な動きをしておりますが、いかがなされますか?」
「まあまだ泳がせておけ。軍隊を集めるのではないなら反乱ではないだろうし
流石に前公爵を鉄砲玉に使うわけもないだろうしな」
「わかりました。それでは次の件ですが、エト姫が……」
「また自分の公費を使って貧民への炊き出しでもやってるのか?全く我が娘とはいえ
なぜあんな無駄なことをするのかがわからん。」
「いえ、そうじゃなく…」
「なんだ?治療院で遊ぶのだけで飽き足らず、近隣の都市に慰問にでも行ったのか?
いくら庶民の母を持つ継承権がない娘とはいえ自由にさせすぎたか…」
「それなら良かったのですが…」
「ならなんだ?」
「例の勇者選抜会にお参加を…」
「え?」
「そして勇者に選抜されたと…」
「ちょ、ちょっと待ってくれ、もしかして」
「ええ、多分ご想像の通りだと」
「……」
このおじいさんは、大変ヤバイものを立ててしまいました。
それは巨大なフラグです。
なおばあさんが生きているので正妻戦争は起こりません<ここ重要
次回、それぞれの少女の思い にご期待ください。