おじいちゃん勇者爆誕
前作( https://ncode.syosetu.com/n5139gn/ )
を読めばわかりますが、現聖女は自業自得なのでいくら苦しんでもOKなので
死ぬまで放置でも本来ならいいのですが、死ぬと代替わりで代わりの犠牲者が
出るので、死ぬまでの短い期間でのRTA必須のお話ですw
とりあえず続きを希望された方いたので書いてみました。
その世界には神は滅びて存在しないと言われていた
ただ邪神はいる。そしてその邪神は、大陸中央の最も深き迷宮
に封印されその封印を維持するため聖女と呼ばれる女性が人柱となり
封印が解けるのを防いでいた。
なお人柱と言っても埋められたり生贄に殺されるという
ものではなく封印された邪神が放つ呪いを受け止めるもので
一生涯苦しみ続けるある意味生贄として殺されるよりも厳しいものである。
そして先代の聖女から代替わりしてから約120年、
延命措置を続けてももう限界を迎えそろそろ代替わりの
時期を迎えようとしていた。
そして物語は、先代聖女の孫で隠居した元公爵の終の住処から始まる。
「ばあさんや、そろそろ、当代の聖女様も、歴代の聖女様がお隠れになった年に近づいてきて
適齢期の子女が悲嘆しておる。孫娘もちょうどその世代だがどうにかならないものかのぉ」
「おじいさん、そんなことをいってもこれは神の関わることですよ、神ならぬ人の身では・・・」
「邪神を封印ではなく、倒してくれるものでも現れてくれれば孫娘も助かるんじゃが
まあ、そんなこと望むだけ無駄か、じゃあばあさん、気晴らしに少し裏山に散策にでもいってくる。」
「おじいさん、引退したとはいえ、あなたは公爵家の元当主、ちゃんと誰かを・・・」
「ばあさんも知ってるだろ、若気の至りで邪神を倒すんだと鍛え、国内最強の剣士に一度とは言え
なったんだ、流石にもう体力が落ちたとはいえ、裏山の散策程度では護衛なぞ気が散るだけで不要だよ」
「おじいさん、それでも気をつけてくださいよ」
「ああ、わかった。」
そして元公爵ライズは、終の住処の裏にある山へ向かった。
「そう言えば、ここには、柱の跡が多いのぉ、むかしここに何かあったのか?
まあ暇じゃし、気晴らしに調べてみるのもいいのぉ」
ボコ……
「え?」
おじいさんの足元に穴が空いたと思うとそこにおじいさんは落ちてしまった。
その穴は深く、スロープ状になっており怪我はしなかったが
かなりの深さまで落ちてしまった。
「痛たた・・・、ここはどこだ?」
痛いのは痛いが骨折などの動けなくなるほどの怪我はない。
そして穴におちたはずで、空も出口も見えず、周りは岩肌だが
壁がほんのりと明るく光り、周りを見るのには不自由はない。
「前方の方から光が見えるのぉ」
壁もの光より強い光が前方に見える。
そしておじいさんは、光に導かれるようにその方向に進んだ。
そしてそこには一本の剣が台座に刺さっていた。
普通なら何か罠があるのかと考えるべきなのだが、
なぜかおじいさんはその時は、その剣をすぐにでも
抜かないといけないという気持ちが生まれ
そしてその剣を抜き放った。
手に取った剣から声が聞こえる。
「800年ぶりの勇者さま誕生おめでとうございます。流石に放置されすぎてて
私忘れられちゃったのかと思いましたよぉ」
「へ?」
「え?今回の勇者様は、御年80歳・・・いやなんで・・・?」
「すまぬがよくわからんのだが?」
「いやだから、今回の邪神を倒すための勇者様として認められここにきたんですよね?
さすがに800年も放置されるとは思ってもみませんでしたが・・・」
「え?」
「いやぁ、800年も来ないもんだから次の邪神との戦いに人類が負けて滅んでたんだと思ってましたよ。」
「その辺詳しく教えてもらえぬか?」
「もしかして伝承が途絶えてます?」
「伝承ってなんじゃ?」
「いえ、邪神が来たら、私を扱える勇者を選出して、私を使って邪神を滅ぼせって」
「わしの知ってる話と全く違う。邪神は神であり、倒すことはできず封印しかできないと聞いておるが」
「ああ、私以外では、邪神は倒せませんが、私に認められた勇者様であれば、邪神に剣を当てて
ちょびっと傷をつけるだけで邪神を倒すというか、消滅させられますよ」
「え?」
「いやぁ、ここって邪神っていうかタチの悪い高位異次元精神生命体がよく狩場にしてるんで
見かねたうちのご主人様が私、聖剣こと別名 対邪神級精神生命体用侵食型呪殺装置を
設置して、一定の基準をクリアした人が私で邪神を倒せるようにしたんですけど
本当にその話を知りません?」
「全く聞いたことはないんじゃが」
「マジで?」
「マジじゃが」
「・・・」
「とりあえず聴きたいことがあるんじゃが、邪神は倒せるのか?」
「ええ、私を持って邪神に立ち向かい、邪神に一太刀でも当てることができれば・・・」
その瞬間おじいさんの顔が変わった。
「ふふふ・・・」
「え?」
「孫にいい土産ができた、わしはやるぞ!!」
「いや、流石にあなたぐらいの年だと無理があるんでもっと若い……」
「無理なんぞ、愚か者の言う言葉じゃ。さぁ早速邪神を倒しに行くぞ!!」
「いや、待ってプリーズ……」
次回は多分来週までにはかけると思いますのでお待ちください。
訂正 第四の壁を破ってキャラが暴走を始めました(苦笑