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昇天

 夏の暑い夕日が辺りを照らし、一面が真っ赤に染まる時間帯。

 カンカンという騒がしい音が鳴り響く中で俺は。

 肉塊となっていた。

 ……肉塊!?

 肉塊ってあの、お肉の塊ってこと!?

 つまりそれって、俺は死……。

 いやいやそんなこと、いくら最近のライトノベルや漫画では序盤で死体が転がってても不思議じゃないとはいえ、いくらなんでもそれは……。

 しかし俺の目の前にあるあの赤黒くてモザイクかけなきゃやばい感じの物体はうちの高校の制服らしきボロ布を身に着け、俺が持っているのと同じタイプのエナメルバッグを所持しているわけで……。ていうか、だとしたら俺ふつうに幽体離脱してるし。

 おおお、落ち着け俺。とりあえず状況を整理しよう。

 まず俺の名前は新井隼人。高校二年生で、地元男子校の弱小野球部で四番を打っている三塁手だ。ここまでオーケー。

 そして今日もいつも通りに部活に出て、いつも通りに先輩たちのいびりに耐え、いつも通りに男子校特有の女ひでりに耐え、いつも通りに彼女ほしいとか思いながら帰宅していたら、これである。

 わけわからん。

 肝心な部分がまるまる飛んでやがる。

 よしこういうときは視野を広げて周りの状況を観察だ。えーと、肉塊の場所は……線路の上?

 ……あ、死んでた。

 つまりあれだ。電車でゴーだ。

 短い。俺の人生はなんて短いのだ。ああ、一度でいいから二次元以外の彼女がほしかった。それか妹。かわいい妹がほしかった。アニメみたいな。

 と、俺が短い人生に悲嘆していると、肉塊の前で泣いている女の子を視界にとらえた。近所の女子校の制服を着た、どっかで見た気がするかわいい女の子だ。

 しかし思い出せない。

 妹でないことは確かだ。俺に妹はいない。というかそもそも兄弟がいない。

 かすかな記憶を頼りになんとか思い出そうとすると、とある瞬間が頭をよぎった。

 つい最近の記憶。電車でゴーの直前の記憶だ。

 遮断機がけたたましい警報を鳴らし、横から猛烈な勢いで鉄の塊が突っ込んできているにも関わらず線路の真ん中で突っ立っていたその女の子の背中を、俺は阪神タイガースカラーのバーを乗り越え押していた。

 そして少しのきっかけがあると一気にいろいろなことを思い出す。

 そう、俺は電車にひかれそうになった見ず知らずの女の子を助けようとして自分がひかれたのだ。

 そうか、俺は最期にかわいい女の子を守ったんだな。だったらあの娘の名前と連絡先が聞けないのは残念だが、人生の終わりとしては悪くない。むしろこういう終わり方なら天国とかに行けるかもしれん。そういえばヨッパライの歌で天国には美人がいっぱいって言ってたはずだ。ちょっとテンションあがってきた。

 そうこうしているうちにお迎えだ。いや、ネロやパトラッシュみたいに天使が来てくれたわけではないが、なんか体が浮いてるし、だんだん地面が遠くなってるし。

 ああ、なんか眠くなってきた。パトラッシュ、なんだかとても眠いんだ。

 俺は睡魔の誘うとおりにゆっくりと目を閉じた。



 なぜか一瞬で目が覚めた。

 ついさっきまであんなに眠かったのに突然、眠気がなくなった。

 とりあえず目を開けてみると、薄暗い光が視界に飛び込んできた。

「どこだここ」

 なんか一瞬でよくわからない場所に移動していた。

 辺りは霧が立ち込めていて、地面は冷たい岩。前を見てみると白装束を着た人たちが列を成していて、後ろも同様に長い列ができている。そしてもっと後ろには川と船が……。

「て、もう川渡ったあとかよ!?」

 川渡るのって死んでから七日目じゃなかったのか!? さっきの一瞬でどれだけのことをやったんだよ!

 しかしこんなツッコミを一人でしていてもなんの意味もない。何より笑いも苦笑いも返ってこないのがものすごく虚しい。こんなに人がいるのだから一人くらい笑ってくれればいいのに。

 ここはいろいろあきらめるしかない。列は抜けられないし、足が勝手に前に進むし。たぶんこの先に天国でもあるのだろう。仏教的には極楽。それか地獄? いやいや、たしかに煩悩まみれの人生ではあったが、そんな地獄に行くようなほどじゃないはずだ。たぶん。……十八禁ゲームを十八になる前にやってたら地獄行きとかないよな?

 しばらく歩くと、眼前に巨大な門が現れた。その門が開くたびに一人ずつ白装束が入っていく。おそらくこの中で審判が下されるのだろう。

 三分ほどで俺の順番が来た。門が開き、足がまた勝手に動き出す。門からは真っ白な明るい光が差し込んできて、薄暗さに慣れきった目にしみる。

 光になんとか目を慣らすと、真っ白な部屋の中央にきれいな女の子が座っているのに気付いた。

 部屋が真っ白なので奥行はよくわからないが、かなり広そうである。そこに小さな木の机といすが一つだけあり、女の子がポツンと座っているのだから空間の無駄遣いにもほどがある。

「ええと、あなたが次ね」

 女の子は分厚い本を広げながら話し始めた。

「ていうか今日多すぎでしょ。一日でどれだけ死んでるのよ。根性が足りないわ、根性が」

 根性は関係ないだろ。

 と、ツッコミたかったが声がでない。おそらく審判に際して余計な抗議ができないようにだろう。

「名前は新井隼人。十七歳ね。死因は……踏切でひかれそうなっていた女の子を助けて代わりにひかれたって、もう少し頭のいい助け方できなかったのかしら」

 うっさい! 体が動いてたんだ! 仕方ないだろ!

「で、とくに目立つ悪行はなし。ていうか本当に何もない人生ね」

 人の人生何もないとか言うな! 傷つくだろ!

「うっそ、まだ童貞!? 十七歳で!?」

 やめろ! これ以上俺の人生を見るな! 本気で恥ずかしいから!

「まあいいか、天国で。めんどくさいし」

 なんか天国行きが決まった。

 ていうかこんな適当でいいのか審判。いや、実際、今の様子でこれが本当に審判なのかはかなり怪しくなってきたけど。

「じゃ、また今度、天国で会いましょう」

 女の子がそう言った瞬間、また激しい睡魔に襲われる感覚がした。



 今度は一瞬じゃなかった。

 十数時間は寝ていた気がする。

 明かりが強くてよく目を開けられないが、背中の感触からしてベッドの上だろうか。とするとここは病院か? まあひかれたあとに搬送され、なんとか一命は取り留めた、という感じだろう。つまりさっきのあれは臨死体験。川は渡ったあとだったけど、まあそういう臨死体験だってあるでしょ。それにしても臨死体験だけあって審判の女の子はかわいかった。さすが俺の妄想。

 数秒で目が光に慣れてきた。俺はゆっくりと目を開ける。すると、こちらをじっと覗き込む女の子の顔が目の前にあった。

「おはようございます……」

 俺はそのまったく見覚えのない人にとりあえず挨拶をしてみた。

「あ、おはよう」

 あ、超かわいい。笑った顔とか声とかすげえかわいい。

 ところでこの人は誰だ。俺の知り合いにこんなかわいい女の子はいない。ナースキャップをかぶってないから看護師でもないだろうし……あ? ナースキャップは最近使われない? うっさい。ナースキャップのないナースなどナースではない。

 て、そんなことはどうでもよくて、問題はこの笑顔がすげえかわいいロリっ娘が誰なのかである。

 周りからもっと情報を探してみよう。もしかしたら生き別れた妹とかかもしれん。こんなかわいい妹なら大歓迎だ。お兄ちゃんなんでも買ってあげちゃう。

 とりあえず服装からだな。服は白いワンピースで膝から下の白くて細い脚がよく見える。裸足のように見えるが、靴はサンダルか? うむ、素晴らしい。これで麦わら帽子があれば完璧だ。

 麦わら帽子を妄想しようと再び女の子の頭部に目を向けると、なんだかすごく見てはいけない、というか見えてはいけないものが見えた。

「輪っか……?」

 思わず声に出してしまったが、俺が見てしまったのはまさに輪っかである。黄色く光る輪っか。よく見ると背中に白い羽まで生えている。

 えーと、お遊戯会かなんかでもやってたのかな? そうだ、きっとお遊戯会だ。お兄ちゃん見て見てー! 天使さんだよー! みたいなやつだ。きっと。しかしお遊戯会をするにはちょっとばかり大きいんじゃないかな? 君、小学四年生くらいでしょ? いや、すげえ似合ってるんだけど。

「えーと、ところで君は……?」

 考えてもわからないので直接聞いてみることにした。

「私はマリエル。あなたのもとに派遣された、天使よ」

「そうか、そうだね」

 大丈夫。お兄ちゃん、妹が中二病でも愛せる自信あるから。

「わかった。説明が足りてないことはだいたいわかったからそんな生暖かい目で私を見ないで」

 はっはっは。そんな目でなんか見てないよ。ただ変わってるなあと思っただけだよ。ほら、こんなに暖かいまなざしじゃないか。

「とりあえず、ここがどこだかわかる?」

「え、病院じゃないの?」

 と、言ってはみたものの、周りを見渡せば病院でないことは一目瞭然だ。なんか、普通の家の一室みたいな感じの場所である。

「ふっふーん。驚くなかれ! なんとここは天国なのです!」

「そうか、そうだね」

 大丈夫。お兄ちゃん、妹が以下略。

「全然信じてないな。えーと、新井……くん?」

「あ、呼び捨てでいいぞ。むしろ『隼人』と下の名前で呼んでほしいくらいだ」

「そ、それはちょっと……」

「そうですか……」

 くそ、こんなかわいい娘に名前で呼ばれたら、それこそ天国にいるような幸せな感覚が味わえるだろうに。天国なんぞじゃなくていいからパラダイスに連れて行ってくれ。

「そんで話を戻すけど、天国だな、信じてるよ」

 精一杯の作り笑顔を浮かべる。

「いや、その笑顔は絶対信じてないって……」

 ばれた。

「ていうか、このどっかのアパートみたいな場所を天国というのは、さすがに無理があるんじゃないか? いや、信じてはいるよ?」

「もういいから。信じてないことはわかってるから」

「なんてーの? もっとこう、天国っぽいものを見せてくれれば信憑性が上がると思う」

「天国っぽいもの、か……天国のイメージってどんなものなの?」

「そりゃ、雲の階段を登り、酒がうまくてねえちゃんはきれいなイメージ?」

 酔っ払い、もといヨッパライのイメージである。

「何年前のイメージよ……」

「四十年近く前だな」

「新井、十七歳じゃなかったっけ?」

「いいんだよ、名曲なんだから」

 逆にこのネタに的確にツッコめるマリエルさんはいくつなんだよ。現代の小四がこの曲と巡り合うことってそうそうないだろ。

「うーん、でもそのイメージ通りのものを見せるのはちょっと無理かな。だって新井は未成年だからお酒も飲めないでしょ? きれいな人はいっぱい知ってるけど、最近は個人情報保護とかで勝手に写真を見せるわけにもいかないし」

 天国に未成年とかの概念があるのか。それじゃ俺、永遠に酒飲めないじゃん。いや、天国でも年を取るのか? そして個人情報保護までするのか。リアルだな、天国。楽園感がない。

「そうだなあ……飛んでみる?」

「飛べんの!?」

「当然だよ! この羽が飾りだとでも思ってたの?」

「コスプレじゃなかったのか!?」

 いやコスプレだろ。綿かなんかで作ったやつだろ。

「コスプレじゃないよ! この羽は持ってるだけで幸せになれるっていうご利益まである立派なものなんだぞ!」

「もっと胡散臭くなったな……」

 風水とかご利益とかそういう系統の設定がつくとすごく嘘くさくなる。

「むー、だったら付いてきてよ! 羽が本物だってこと、見せてあげるんだから!」

 マリエルに腕を引かれ、ベッドから出るようせかされる。

「お、おう、わかった」

 俺はマリエルに引っ張られるままにベッドから這い出た。足はある。なので霊体ではないっぽい。霊には足がないという迷信が本当ならば。

 部屋のドアを開けると、そこには広大な森が広がっていた。

「なんかどんどん天国だと信じられなくなってくるんだけど……」

「いや、まあ、たしかに天国っぽい風景ではないけど……。そんなことより、今から飛んでみせるからしっかり見てなさい!」

 マリエルは意気込んでから、軽く二回ジャンプした。そして小さな白い羽を数枚落としながら大きく翼を広げる。続けて翼を大げさに動かすと。

「飛んだ、だと……」

 バカな。人類はとうとう自力で飛べるまでになったのか。

 マリエルはいくらか空中をぐるぐる飛び回ってから、俺の顔の高さまで下りてきた。

「すごいでしょ! これが天使の」

「すげえな! 半鳥人か?」

 本物の鳥人間である。コンテストに出ればきっと優勝間違いなしだ。

「なんでそんな解釈なの!? もう天使でいいじゃない!」

「いや、天使の存在はまだ信じられないというか」

「半鳥人だって信じがたい存在でしょ!?」

「ああ、それもそうだな」

 しまった。イカロスか? と言うべきだった。

「もういい加減、信じなさいよ!」

「いや、信じたいんだけど、この風景は……」

 どっかの樹海にしか見えねえよ。モンスターとか出てきても不思議じゃないレベル。

「そもそも天国のイメージが間違ってるの! 天国はこういうところなんだよ! 逆に雲の階段なんて踏むの不安になるでしょ!」

「なんだろう。説得力があるような、ないような……まあ、天使だってことは信じるとしよう。飛ばれたら反論もできん」

「やっと信じた。ここの説明、時間かかるって聞いたけどほんとにこんなかかるなんて」

 マリエルは小さくため息を吐いた。

「そういえばさっき『派遣された』って言ってたよね」

「うん。天国に昇ると、天使が一人派遣されて身の回りのお世話とかをすることになってるの」

「つまりはメイドというわけか」

「まあ、解釈としては間違ってない、かな?」

 つまり天使でメイドという素晴らしい組み合わせである。

「ということは、ご主人様と呼んでくれたりしちゃうわけですか?」

「そ、そんなわけないじゃない! そんな恥ずかしい上に若干、犯罪のにおいまでする呼び方」

 犯罪のにおいするか? というのは置いておこう。それよりも大事なことがある。

「ならお兄ちゃんでお願いします」

 これなら天使でメイドで妹である。妹である。

「恥ずかしさと特殊さが増した!?」

「大丈夫だ。慣れればそう恥ずかしくもない。いや、むしろその恥ずかしさがあるからこそ萌えるんじゃないか! さあ! 『お兄ちゃん……』と顔を赤らめながら上目づかいでつぶやくんだマリエル!」

「言ってる意味はわからないけど新井が馬鹿なことはわかった」

「馬鹿じゃねえ! 純粋なんだ!」

 純粋に妹がほしいんだ!

「もうこんな馬鹿な話続けてないで、次の説明しちゃうからね!」

「待ってくれ! 一度でいいからお兄ちゃんと……!」

「めっ!」

「はい……」

 仕方ないので呼称については一時あきらめることにした。しかし大人ぶろうとしている妹というのもいいね。

「じゃあ次の説明だね」

 マリエルは満足そうな表情で再び説明を始めた。

「えっと次は確か……そうだ、食事だった。基本的にここでの食事は困らないってことになってるの」

「なんだその『ことになってる』って」

「最近、天国も資源不足で大変なんだって」

「ほんとに現実的な問題抱えてんな……」

 天国の明るいイメージが端から改正されていくんだけど。

「えーと、それで……あ、大事なことを言い忘れてた。しばらくしたら天国でお仕事してもらうから」

「天上の理想の楽園なのに仕事すんの!?」

 これからずっとメイド付きの楽園でニート生活を謳歌できると思ってたのに!

「当たり前でしょ。現実はそんなに甘くないわ」

「ロリっ娘に現実を諭される高校生って……」

「ロリっ娘って何よ! 私はオトナのオンナだぞ! だいたい私は百二十歳だから新井より大人だ!」

「百!? 妹だと思ってたのにこれじゃ熟女じゃねえか!」

 四十年近く前のネタに的確にツッコめるわけだよ。当時八十歳じゃねえか。あれ、世代じゃないから逆に知らなくね?

「年下だったとしても妹じゃないし、熟女でもないよ! 人間と同じ数え方したら百二十歳なだけで、天使に年齢はないの!」

「百二十年生きてたら天使でも熟女だよ! いや、裏を返せば合法ロリなのか? ……マリエル、今夜は一緒に寝よう」

「何をたくらんでるのかが手に取るようにわかるからやだ」

「なんでだよ! 何もしねえよ!」

「それ絶対何かやる人のセリフだよ!」

「決めつけるな! 俺はちゃんと紳士だからやさしくするって!」

 安心しろ。やり方は今までにやった数多のゲームで心得ている。

「結局何かするんじゃない!」

 マリエルは自分の肩を抱いて後ずさった。おいおい本気にするな。紳士だって言ってるだろ。そんな行動力があったら俺はとっくに彼女持ちか犯罪者になってるぞ。

「そんなことより、ここまでで質問はない?」

 マリエルはまだ怒っているのか顔を赤らめながらも、自分の仕事を再開した。

「そうだな……仕事内容とか?」

「それはまだ決まってない。そのうちもらいに行くから」

 もらいに行くって表現なんか複雑だな。ハローワークにでも行くのかよ。

「じゃあ今のところないな」

「そ、じゃあ行きましょう」

 マリエルは俺に背を向け、まっすぐ歩き始めた。

「どこ行くんだ?」

 俺は駆け足でマリエルを追いかける。

「ずーっと引きこもってるのも嫌でしょ? だからどこか楽しめるとこに連れてってあげる」

「俺としてはずーっと引きこもってても何ら不満はないんだが」

 できることならずーっと引きこもってゲームをやりこみたいんだが。

「思考が完全にニートだね……」

 失礼な! 俺をそこらのニートと一緒にされては困る! と反論したかったが、先ほどまでずっとニート生活ができるとか思っていた自分を思い出し言い返せなかった。

「ま、まあなんだ。確かに不健康かもしれないしな。マリエルがどうしてもと言うなら付き合ってやらないこともない」

「いや、別にどうしても行きたいわけじゃ……」

「断るなよ! そこは仕方なく付き合ってあげるとかしてくれよ!」

「結局どっちなの。行くの? 行かないの?」

「行くよ! 行かせていただきますよ!」

「なに怒ってるのよ……まあいいけど。じゃあ付いてきて」

 俺とマリエルはゆっくりと樹海の奥へと歩いて行った。


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