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料理

次の日、早速料理の練習をしにデイビッドのとこに行きます。

アレン様はまだ元気がないようですし、、原因はわたくしなんでしょうけど。


「デイビッド、わたくしに料理を教えてください」


「どうかされましたか、料理なんて、、」


デイビッドに料理をつくる理由を話す。


「なるほど、旦那様を元気にするために、、いいですよ簡単な料理とかなら奥様にもできると思います」


案外すんなりと承諾してくれましたね。これできっとアレン様は元気になってくれるはずです。



「あぁ、奥様、それは砂糖ではなく塩です」

「奥様、いい感じです、もっとこねてください」

「はい、それでトッピングしてください」

「火は危ないので私がやりますね」


出来た、は出来ましたけど、これほとんどデイビッドがしてたような。


「というかこれ、クッキーですね」


「なかなか上手く出来ましたね、ほら、奥様も味見してみてください」


はむっ、ん!美味しいです。


「どうやら上手くいったみたいですね。よかったです」


デイビッドはクッキーをかわいい包装紙にくるんでくれた。

あとはこれを渡すだけですね。ん?渡す?どうやって?


「考えてませんでした」


とりあえずこういう時は、、


「ユニ!どうしたらいいですか?」


「奥様、、私もちょっと忙しいんですよ?」


う、でも頼る人が他にいないんです。


「まぁ、使用人なんで聞きますよ。というか普通に渡せばいいんじゃないんですか?」


それが出来ないから困ってるんです。


「だって、恥ずかしいじゃないですか絶対照れちゃいますよ」


「その方がかわいくていいんじゃないんですか?」


そういうものなんですか?そうだとしても恥ずかしいのは変わらないというか、、


「なんて言って渡せばいいですか?」


「え、告白するんじゃないんですか?好きですって」


な、な、な、そんなつもりじゃないですよ!


「無言で睨みつけないでください、悪かったですから」



結局ユニとの作戦会議は役にたちませんでした。一人で考えても何も思いつきませんでしたし。いっそなかったことに、、それでは何も解決しませんね。

そろそろアレン様が帰ってくる頃です。ここはもう流れに任せましょうか。


「ただいま戻りました」


「あ、おかえりなさいませ、アレン様、あの、その、えっと、、こ、これ!わたくしが作りました。それと、その、昨日はすみませんでした。でも、か、勘違いしないでください、、これはアレン様のためだけじゃないんですからね?あくまで、元気が出て欲しいだけで、、そう!使用人の雰囲気が嫌だったからです。だからこれを食べて早く元気だしてください」


少しでもわだかまりがない方がいいのでここは仕方ないです。


「ふふっ、ありがとうございます。では早速、、うん。美味しいですね。ありがとうございます」


「だからこれはアレン様のためだけではないんですよ」


「じゃあ代表してお礼を言うよ。ありがとう、ティアラ」


そう言ってアレン様はわたくしの頭をポンポンします。


「!!??にゃ、にゃ、ふしゅ〜」


効果音がつくならボン!となったでしょう。一気に顔が真っ赤になります。


「ティアラ?」


気絶する前にアレン様から距離をとります。今は涙目になってます。


「ちょっと今は待ってください」


今は頭がぐるぐるして、顔が熱くなってますから、まともに会話出来そうにありません。かろうじて気絶はしませんでしたね。


「ごめん、私はあまり、ティアラには好かれてないみたいですね。あまりこういった経験がないからわからないんです」


「ちが、あの、そういうことでは!あ、すみません、取り乱しました」


「政略結婚ですからね、仕方ありません。私は、ティアラと仲良くなれたらいいなと思ってます」


あうぅ今すぐ大好きって言えたらいいのですが、、そんな勇気も覚悟もありません。お母様、どうしたらいいのですか?



とりあえずアレン様の元気は戻った?ようです。


「ユニ、わたくし、やってしまいました、、あんなこと言われるなんて思ってなかったです」


「あんまり気を落とさなくてもいいと思いますけど、奥様と旦那様完全に両思いじゃないですか」


確かに、あそこまでするなら打算的ではないと思います。


「奥様、愛されてるからもういいんじゃないンですか?」


そう、ですね。ちょっと素直になってみようと思いました。


「あ、ジェームズさんから言われたんでした、結婚式の日程です」


ユニから紙をもらう。………なるほど、一週間後ですね。それまでに頑張って耐性を付けないといけないみたいです。

せめて触れ合うくらいで気絶しないようにしないと。


「デートにでも誘ってみてはどうですか?」


で、で、デートですか!?


「無理ですよ!今のわたくしとアレン様はそんな……」


「だからこそですよ。外ですので自然と触れ合いますし」


ユニのアドバイスはちょっと無謀に聞こえますけど、的確なんですよね。


「ユニは……」


「私は手伝えませんよ?」


ぐぬぬ、先手をうたれてしまいました。


「はぁ、じゃあせめて近くにいてください」


とりあえずデートに誘う方向で考えていきましょう。問題はどうやって誘うかですが、、これはデートと言わない方がいいと思いました。王都のお店に興味があるとかそんな感じなら自然に、、なりますよね?

お母様が言うには、男に臆するくらいなら自分から行けでしたね。そうです!怖いものなんてありません!と言いつつわたくしはアレン様に好きとは言えないんですが。なさけないですね。



次の日、実際にアレン様に会うと


「おはようございます。アレン様」


あれあれれ、おかしいです。もっと色々話すことは考えてきたのに、、頭が真っ白に


「おはよう、ティアラ?どうしたんですか?」


「い、いえ、あ、あの、その、えっと」


言葉が出てきません。アレン様は不思議そうにわたくしを見つめてきます。


「あぅ、き、今日も頑張ってきてくださいね」


結局言えませんでした。帰ってきたらゆっくりお話できますかね。それまでにはセリフを暗記するレベルまでにしないと。

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