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お風呂

起こすとすぐに目が覚めたのか、起き上がってくれました。


「ティアラ、起こしてくれてありがとうございます。今日はどうしたんですか?」


「たまたま早く起きてしまったのでせっかくなので、あ、そうですよアレン様そろそろ時間は大丈夫なんですか?」


「!?そうでした、すみません、また今度」


「いえ、頑張ってくださいね」


「ティアラも無理しないように」


自分も慌ててるはずなのにわたくしへの気使いはしっかりしてきます。こういうところも好きな理由になるのでしょうか。

着替えとかもあるのでわたくしは先にリビングの方で待ちます。


「おはようございます。さっきはありがとうございました。起こしてくれるのは嬉しいですけど、なかなか恥ずかしいですね」


起こす方としては寝顔が見れるのでとってもラッキーです。


「ティアラ、昨日言いかけたことなんですが、、」


あ、そうでした。確か昨日は夢を見てアレン様を意識しすぎてびっくりして気絶して今度は寝ぼけてキスしてしまって、、なかなか大変な朝でしたね。


「またどこかに出かけませんか?」


わたくしは特に仲良くしてる友人はいなくて、お城でお仕事をしている訳でもないので基本的に敷地の外に出ることはありません。


「ほんとですか!あ、こほん、わかりました。日程とかはもう決めてるんですか?わたくしはいつでも大丈夫ですけど」


「それは決まったら伝えますね」



アレン様を見送って、見えなくなると自然と自分の顔が緩んでしまうのがわかります。

えへへ、今度はどんな楽しいことが待っているのでしょうか。

っと、今日も手紙の続きをしましょうか。今度はうっかり集中し過ぎないように、休憩はちゃんとしないといけません!二度と昨日のようなことは起きないようにしなければなりませんね。


こういう地道な作業はノルマを決めておくとモチベーションが保ちやすいらしいです。わたくしも勉強や習い事の時にノルマをだされて、達成できたら褒められました。自分で決める時は厳しすぎず緩すぎない程度に、、昨日は確実にやりすぎたのでもっと少なくしましょう。ご褒美はお菓子と帰ってからそれとなくアレン様にアピールしたら褒めてくれるかもしれません!

俄然やる気が湧いてきました。

それからわたくしはお仕事に勤しみます。


「奥様、そろそろ休憩なされては?」


「そうします。ありがとう」


自分では制御出来ないことを考えてメイドに頼むことにしました。すぐに紅茶とお菓子を用意してくれます。


「それにしても奥様すごいですよ普通貴族夫人はこんな仕事しません」


確かに、メイド長のマリンは他の貴族のメイドをしてたこともあって、その時のことを話してくれました。


「こうしてメイドと一緒にお茶をする貴族もそういません」


召使いと仲良くし過ぎてなめられないようにしないといけませんね。でも会話の内容からしても特にそういう風に扱うのはユニしかいません。


「わたくしが楽しければいいのです。あ、このことは」


「もちろん旦那様には秘密です」



しばらくしてまた仕事に戻ります。手紙を漁ってると、サンノット家からの手紙がありました。これは今日の朝届いたみたいですね。

ジェームズやマリンには新しく届いた手紙の置くところを教えて置いたのでこれで新しいのを処理出来ます。整理される前の手紙はいつ来たのかわからないので、内容で推測します。

手紙は返信が必要なものもありますがいらないものもあるので割と減っていくのは早いです。

っと、サンノットからの、わたくしにとっては義理の実家と言えばいいのでしょうか?

……………


なるほど、新しい従者が来るようですね。昔からアレン様と一緒にいる方のようです。女性の方でしょうか、、それだと少し嫉妬してしまいそうです。



今日は無理せずお仕事を終えて程なくしてアレン様が帰ってきます。

わたくしは手紙にあったことをアレン様に伝えるという大事な使命もあるのです!決してお話したいとかそういう気持ちは、、ありますが、あくまで仕事の一環です。


「お帰りなさいませ、アレン様」


あ、なんかお嫁さんみたいです。っと顔がにやけてはいけませんね。


「ただいま戻りました」


「いつもお疲れ様です」


「ティアラもありがとう、ジェームズから聞きましたよ。手紙のこと、私にも聞かせてくれませんか?」


「し、仕方ないですね。アレン様にも伝えておかないといけないこともあるので、、とりあえずお風呂かご飯にしましょう」


「そうですね」


他愛のない会話なのに妙に照れてしまう。つくづくわたくしはアレン様のことが好きなのでしょう。


わたくしもお風呂に入りましょうか、、ここは公爵家だけあってお風呂がいくつかあるんですよね。さすがにわたくしの実家では従者用と貴族用の二つしかありませんでしたが、、ここは四つくらいあるんでしたっけ?一つは大きなの、もう一つは従者用、あと二つは一人で入る用にって感じです。大きなところは二人で一緒でとからしいですけどわたくし達はまだ使ったことはありませんね。


湯上りはしっかり髪を乾かして上でまとめたりするのですけどこうすると首あたりにアレン様の視線があったりするんですよね。普段は下ろしてるので珍しいのでしょうか、、腕組みをすると遠慮するように胸のあたりを見られるのでちょっとかわいいと思ってしまいます。アレン様の前以外ではやりませんが。


「ティアラもお風呂に入ってたんですね」


先に出ていたアレン様がリビングで待っていました。


「すみません、待たせてしまって」


ご飯を食べながら手紙であったことを話します。


「相変わらず妾の申し込みがありましたけどちゃんと全部断っておきました!あとは結婚祝いの手紙とかでしたね。あ!そうでした。ご実家からも手紙が来てましたよ」


「父上から?どんな内容だったんですか?」


「新しく従者がこっちに来るようですよ。アレン様とは昔から一緒とか書いてありましたけど、、女性の方なんですか?」


「あ〜、多分カールのことですね。あれをティアラに会わせるのは正直嫌なんですが……」


アレン様がアレ呼ばわり、、親しいようで容赦がないのでしょうか。聞いた感じだと性格が少し変なのでしょうか?


「で?いつ来るんですか?」


「いつかは書いてないですが、来週中くらいには到着しそうですね」


「はぁ、、ティアラ!今度の休みにしよう」


なんのことかと思いましたがおそらくはデートのことでしょう。

それにしてもアレン様が慌てる程なんて、カールという人はどんな人なのでしょうか?

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