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挨拶まわり、貴族にとってはとても形式的でわたくしはあまり好きではありません。しかも今回はサンノット家の、、つまりはアレン様のご両親と挨拶しなければならないのです。

お色直し中に何とか打開策を考えなくては。


お色直しか終わったら今度はアレン様と再入場します。


「とても綺麗だよ、ティアラ。よく似合っています」


さっきのキスの余韻というか、熱がまた上がってしまいます。喜んでもらえたのは嬉しいですが、うぅ、恥ずかしいです。

アレン様を見てみると、さっきとは違い、装飾の付いた、いかにも貴族らしい豪華な服装になってます。はい、とてもかっこよくて、直視出来ません。


「アレン様も、とてもよく似合っています」


褒めないのも失礼なので、あくまで社交辞令のように褒めます。貴族は心に余裕がなくとも余裕のあるように演じなければなりません。


「それじゃあ行きましょうか」


「はい」


腕を組んで入場します。緊張と慣れないドレスのせいで少しよろけてしまいます。


「きゃっ」


「大丈夫ですか?しっかり捕まっててください。私が支えますから」


あぅぅ〜耳元でそんなこと、、


「す、すみません」


今度はしっかりとアレン様の腕に捕まります。

なんだか安心してきました。

そうですよ。挨拶まわりもアレン様とご一緒なら平気です!わたくしひとりじゃありません。

幸い人数もそこまで多いわけでもありませんし、片方はわたくしの身内ですし。



そういえば、サンノット公爵と合うのはあまりなかったというか、会ったのは小さい頃に数回しかないですね。基本的に親同士の仲なので直接わたくしと話すこともありませんでした。公爵だけあって王族との関わりが深く、その影響力は他国にも及ぶようです。


「結婚おめでとう、一層貴族らしくなったな、我が息子よ」


「ティアラさん、お久しぶりね、覚えているかしら」


ついにアレン様のご両親、公爵夫妻とのご挨拶です!


「お久しぶりです。父上」


「お久しぶりでございます。公爵様、公爵夫人様」


「あら、そんなに畏まらなくていいのよ?今日からは家族でしょう?」


うっ、緊張で妙に丁寧すぎました。


「もう新しい環境には慣れたかしら、アレンをよろしくね」


公爵夫人、アンナマリー様はとてもフランクな方ですね。少し気が楽になります。


「もう少し話したいところだが、今はやめておこう。ティアラ嬢も息子に不満があるなら遠慮なく言ってくれて構わない」


「父上!」


公爵様も厳格そうに見えて、実はわたくしのことを心配してくださってますね。


「あ、アレン様はとってもよい方です。ほんとによくしてもらってます」


「あらあらまぁまぁ、跡取りも問題なさそうね」


うぅ、、そういうことを考えると恥ずかしいです。



なんとかご挨拶が終わりました。とっても疲れました。これから慣れていかなければなりませんね。


「お疲れ様です。今日はゆっくり休みましょうか」


え?結婚初夜と言ったら、、いえ、そんな余裕はありませんね。

アレン様もわたくしもへとへとです。ベッドに入ったらすぐに眠りにつきました。



「ティアラ、愛しているよ」


「はい!わたくしも愛しています」


言えた!やっとこのもどかしくて煩わしいわたくしの理念を打ち破りました。


「ティアラはいつも私にデレデレでしたね」


「はい、初めて会った時からずっと好きでした」


「ティアラ、、私もずっと好きだったよ。よかった私達は好き同士だったんですね」


「アレン様、、」


そして自然と顔がお互いに近づき、キスをかわします。


「ティアラ」


「んっアレン様ぁ」



はっ!夢?わ、わ、わたくしはなんて夢を見ていたのでしょう。


「あぁ、まだ頭から離れません」


今アレン様に会ってしまったら平静を保てるか不安です。

とにかく着替えて朝ごはんを食べに行かないとです。


「おはようございます奥様」


ユニには言っておくべき、、ってあんな恥ずかしいこと言えるわけないです。


「おはようございます。昨日はすっかり寝てしまいました」


「朝食の準備ができております」


すぅーはぁー、落ち着いて大丈夫大丈夫どうせドキドキするならいつもと変わらないじゃないですか。


「お、おはようございますアレン様」


「おはようございますティアラ」


あれ、アレン様の様子がちょっとおかしい?元気がないような。


「アレン様どうかされました?」


わたくしはアレン様の顔を覗き込むように見ます。

そしてふと顔が近づくようになってしまいました。

少し忘れていた夢のことが思い出される。


「あ、あ、いや、なんでもないです。ってティアラこそ顔が赤くなってますよ。大丈夫ですか」


「わ、わたくしは大丈夫ですから、ほら、朝食を食べましょう」


「そうですね」


朝からなんだかぎこちなくなってしまいました。うぅ、でも夢を思い出してしまって上手くアレン様と会話できません。


「てぃ、ティアラ、もしよかったら」


「っ!!こほっこほっ」


急に話しかけられてむせてしまいました。

今は声を聞くだけでもダメなようです。


「ティアラ!?早く水を!」


アレン様が駆けつけて水を飲ませてくれます。


「あ、ありがとうございます、、あぅぅ」



アレン様、わたくしはなんでこんなにも好きなのに素直になれないのでしょうか。


「ティアラ、君はよく倒れるし、身体は弱い方なのですか?」


「そういう訳じゃないのです!心が持たないんですよ。アレン様が好きすぎて、、それで倒れてしまうんです」


おかしい!わたくしはこんなこと言わないし言えない。これは、、夢?そう!さっきと同じ夢ですね?


「ティアラ、、私はどうしたら、私だってティアラに触れたい、ティアラともっと一緒にいたい!」


「これから慣れていきましょう?デートもいっぱいしましょう?」


「ティアラ」


「アレン様」


ま、またキスするんですか!?いえ、たまにはわたくしからしないといけませんね。


「んっ」


「!!!???」


え?

この実体のある感触は、、

目を開けると、アレン様にキスをしてしまっていました。

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