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1.起動

ガガガが


 乾いた発砲音が町全体に響きわたる、銃弾が建物に当たりコンクリートの壁はいとも簡単に破壊されていく


「くそあいつら卑怯だろ!」

 

 建物の影に入り今はなんとか銃弾が機体に当たり穴が開くという事態は起きていない

 卑怯もへったくれもないこれが戦場なのだ、戦争なのだ  

 平和の国日本生まれの俺には全くであったことのない世界だった


「ウジウジしてられねぇ!当たって砕けろだ!」


 !バカか砕けたら終わりだろー!


 俺の心の叫びも虚しく俺の|体(機体)は本人の意思を無視しパイロットであるこの青年の意見を尊重する

 建物の影から飛び出た俺は正面にいる青色に塗装されたアベック3機に向かって50㎜弾をありったけ撃ち尽くす

 どうやらこいつの頭の中には作戦どころか狙って撃つという概念すらないようだ

 案の定弾は明後日の方向へと飛んでいく


ダン!


 おっ!奇跡的に一発がコックピットの位置にあたるが


「当たった!うわ!」


 命中したアベックは何事もなかったかのようにこちらに銃口を向けてこちらの火力三倍ぶんの弾がとんでくる


「何でだよ当たったのに」


 50㎜を撃ちきってしまいたまらず回避に専念する

 

 こいつどこまでぺーぺーなんだ?50㎜ではコックピットの装甲は貫通できない、コックピットは機体の中でも最も強度を持つ装甲になっている

 そもそも50㎜弾は手足や間接部分などの装甲の薄い場所の破壊に適している

 おもに足止めや、支援的に使われることがおおい

 コックピットを破壊するとなると、重量が重いが威力絶大の100㎜以上に限る、他にも貫通弾や爆裂弾などで表面の装甲を焼き払う手もある


「くそ!くそ!」


ガガガガガガ


「何でだよ何であたらないだよ!114㎜弾だぞ!」

 

 だからだよ、100㎜級は反動が強いため連続射撃にはむかない、ベテランになるとそれも考慮した射撃が出来るが只乱射しているだけでは当たらない


「当たれ!当たれ!当たれぇ!!」


ピー残弾ゼロ 残弾ゼロ 補給シテクダサイ

  残弾ゼロ 残弾ゼロ 補給シテクダサイ


 悲しい警告音がコックピット内に響きわたる


「嘘だろ、嫌だ嫌だ死にたくない、俺は生きて帰るんだー!」


 フラグたてるの好きだな、今のセリフ死亡フラグだかんね

 この状況も全部お前のせいだからな、死にたくないのはこっちだよ、いや待てよ俺はロボットだから死なないんじゃ?そういえばそうだよな、ロボットの死の定義ってなんだろうな


バン!


 ん?んんんん!いてぇぇーー!痛い痛い痛い痛い痛い!!!熱い熱い熱い!!

 

 急に左手に激痛が走った、まるで何かに引き裂かれたような痛み、痛すぎて痛みが熱さに変わる

 なにが起こったんだ!?痛みのする右手を見ると機体の左肘から下が無かった

 どうやら向こうにいるアベックに左手を撃たれ破壊されたようだ

 発砲したアベックはゆっくりと近づいてくる、ゆっくりゆっくりと、死の恐怖を感じさせながら


 ヤバいヤバいヤバい、この痛み本物だ、どうするどうする、このままじゃホントに死ー

 くそ!逃げるぞ、おい!パイロット逃げるぞ!

 しかし一向に動く気配がない内部カメラを覗くとパイロットは白目をむき気絶していた


 嘘だろ!まずいこの状況まずすぎる


ガシャガシャガシャン


 アベックが目の前まできて(メインカメラ)に銃口を押し付ける

 まずは視覚を奪って逃げ回るコイツを、いたぶって殺す気だ

 その前に頭を撃たれた俺はどうなるだ!逃げないと、ダメだ動けないこの距離ならヒートナイフを当てられるのに

 

 動け動け!動けよ!俺の体だろ!俺はここでは死ねない動け!


カチッ


 何がはまる音がしたと同時に感覚が鋭くなったのを感じた

 全てを感じる、手が動く足が動く、|アベック(自身)を俺は自由に動かせるようになった

 俺はすばやく腰に刺さったヒートナイフを抜きコックピットめがけて差し込んだ!青いアベックは膝から崩れ落ちた


 なんだ?これが俺?鉄で出来た右手を見ながら感覚を確かめる

 やれるこれならやれるぞ!



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